オンもオフも一元管理〜タスク&スケジュール管理サービス「Trello(トレロ)」の使い方:実践編海外Webサービスのトリセツ(25)

海外Webサービスの使い方を「日本語で」分かりやすく説明するシリーズ。今回はスケジュール&タスク管理サービス「Trello(トレロ)」の使い方を説明します。

» 2015年03月19日 17時30分 公開
本連載「海外Webサービスのトリセツ」のインデックス

連載目次

 海外Webサービスの使い方を「日本語で」分かりやすく説明するシリーズ。本日はスケジュールやタスクの管理ができるWebサービス「Trello(トレロ)」の使い方を説明します。筆者の煩雑なスケジュールがどこまで見やすくなるのか、乞うご期待です。

※各固有名詞のカタカナ読みはユーザーによって異なるため、一つの参考としてください。


Googleカレンダーの問題点

 筆者は普段、Googleカレンダーを愛用しています。下記は長期の仕事が多かった月のものです。

筆者のGoogleカレンダー。色が同じで見にくい……(クリックすると、大きなサイズの画像を表示します。以降も二重枠の画像は全て、クリックで拡大します)

 Googleの「タスクリスト」を試したこともありますが、最近は使っていません。スケジュールもタスクも全てGoogleカレンダーに書き込み、さらに優先度が高いものを紙に書いて持ち歩く(アナログ……)、といった運用をしています。

 現在、筆者がタスク&スケジュール管理で抱える問題点は以下の通りです。

Googleカレンダーでのタスク&スケジュール管理に関する筆者の問題ベスト3

  1. カレンダー内に通常のスケジュールとタスクが混じっている
  2. Googleアカウントを複数持っており、カレンダーの同期が不便
  3. 優先度が分かりづらいため、紙のメモも併用している

1 スケジュールとタスクが混在

2015年2月のスケジュール

 これは筆者の2015年2月のGoogleカレンダーです。通常のスケジュールとタスクに加え、海外顧客の祝日や出勤日なども混在しているため、タスクリストとしてはほぼ機能していません。

2 カレンダーの同期が不便

ある日のスケジュール

 Googleカレンダーの完全同期は、同じドメインの電子メール、もしくは固定ドメインのカレンダーが親でなければできないようです。そのため複数ドメインの電子メールだと、うまく表示されません。

 例えば会社から支給されているGmailベースの仕事用メール(独自ドメイン)と、個人のGmailアドレスに登録したカレンダーを同期した場合、個人のGmailカレンダーでは会社のスケジュールが「busy」としか表示されません。

 仕事用メールのカレンダーを見れば、個人用Gmailのカレンダーは表示されるのですが、そのためだけにアカウントを切り替えるのは結構不便です。

 これらの問題をTrelloは解決してくれるのでしょうか?

ログインする

 前回登録したメールアドレスとパスワードでログインします。

Trello」のログインページ

 ログインすると「Welcomeボード」が表示されます。

Welcomeボード

 Welcomeボードには「Trelloボード」の詳細な解説が書かれています。これを参考に、自分専用のボード作成にトライします。

「MYボード」を作成する

 マイページの「Create new board」をクリックして、新規ボードを作成します。

 「Title」にボード名を入力して、「Create(作成)」をクリックします。

 「Organization(組織)」を作成している場合は、ボードを共有したい組織を指定します。指定しなければ、個人用のプライベートボードとして作成されます。

 プライベートボード「Satoko」を作成してみました。このボード上にカード(タスク内容を記載した付箋のような物)を作成していくと、タスクが見やすく整理できます。

ボードに「カード(タスク)」を追加する

 次に、カード(タスク)を作成します。

 個々のカード(タスク)を作成する前に、それぞれのカード(タスク)が所属するカテゴリを作成します。筆者は会社の仕事とプライベートのタスクを一括管理したいと思ったので、「会社」と「プライベート」をそれぞれ作成しました。

 それぞれのカテゴリにカード(タスク内容)を追加します。

 複数のカテゴリに属するカード(タスク)が一目で閲覧できます。便利ですね。

 カード(タスク)をクリックすると、詳細設定画面が開きます。

 「Add(追加)」のアイテムを使って、カード(タスク)の内容を細かく設定します。

 「Labels(ラベル)」「Checklist(チェックリスト タスクに付随する作業がある場合)」「Due date(期日)」を追加します。「Attachment(添付)」を使うと、ファイルを添付できます。

Move

 「Action(動作)」のアイテム「Move(異動)」を使うと、カード(タスク)を別カテゴリに移し替えられます。順番も指定できます。「To Do(予定タスク)」「Doing(作業中)」「Done(完了)」のようなカテゴリを作成し、進捗(しんちょく)に合わせてステータスを変えるなど一案ですね。


Actionアイテム

 Actionには他にも、同じカード(タスク)を作成できる「Copy(複写)」、他のメンバーがカード(タスク)を編集したら通知を受け取る「Subscribe(お知らせ)」、保存したカード(タスク)をまとめて閲覧できる「Archive(保存記録)」などがあります。


 設定を追加すると、ボード画面に表示されます。



 カレンダー表示もできます。これならGoogleカレンダーの利用者が簡単に移行できそうですね。

「Trelloメニュー」を使うと、さらに見やすく

 ボード右側の「Menu(メニュー)」を使うと、さらに見やすくカード(タスク)を管理できます。

メニュー

 「Power-Ups」からは、共有カード(タスク)に対してエールを送る「Vote(投票)」、時間がたつにつれてカード(タスク)の色が薄くなる(または形状が変化する)「Card Aging(※)」、カード(タスク)の期日を一覧表示できる「Calendar(カレンダー)」などを追加できます。

※ Agingは「老化、劣化」の意

 「Labels(ラベル)」は、カード(タスク)の性質ごとにラベルを指定し、色分けできます。「Stickers(ステッカー)」はカード(タスク)にステッカーを貼れます。

Stickers(ステッカー) Trelloに友人を招待したり、有料版にアップグレードすると、基本のデザインに加え、他のデザインもダウンロードできます

 「Filter Cards」は、ラベルごとにカード(タスク)をフィルタリングして表示します。「Archived Items」は、「Action(動作)」で「Archive(保存記録)」に指定した保存カード(タスク)を一覧表示します。

 カード(タスク)が完了したら、チェックマークのステッカーを付けると良いですね。ステッカーはドラッグ&ドロップで簡単に追加できます。

カード(タスク)の消去

 終了したカード(タスク)は消去できます。詳細設定画面を開き、右下の「Share and more…」をクリックします。

 左のような小画面が表示されます。右下の「Delete(消去)」をクリックすると、カード(タスク)を削除します。

ボードの共有

 Trelloでは、チームでタスクボードを共有できます。

 メンバーおよび組織の追加は、ボード左上の共有ステータスを変更(現在「Private」と表記されている部分)、および右側メニューの「Add Members(メンバーの追加)」で行えます。メンバーは、事前にTrelloにユーザー登録しておきましょう。

 ボードの共有ステータスは3種あります。チームで共有する場合は「Organization」を選択します。Trelloにサインインした全員がボードを閲覧できる「Public」もあります。


筆者の問題は解決できたのか?

 最後におさらいです。Trelloは冒頭に書いた筆者の問題を解決してくれたのでしょうか?

Googleカレンダーでのタスク&スケジュール管理に関する筆者の問題ベスト3

  1. カレンダー内に通常のスケジュールとタスクが混じっている
  2. Googleアカウントを複数持っており、カレンダーの同期が不便
  3. 優先度が分かりづらいため、紙のメモを併用している

1 カレンダー内に通常のスケジュールとタスクが混じっている

 ボードにカード(タスク)のみを追加してカレンダー表示させることで、スケジュールとの混在は解消しました。ただしTrelloは「期日」しか追加できないので、長期にわたる予定を登録する場合にはGoogleカレンダーの方が便利です。

2 Googleアカウントを複数持っており、カレンダーの同期が不便

 アカウントごとにカテゴリを作成すれば、同期しなくても複数カテゴリのカード(タスク)が一気に閲覧できるようになりました。

3 優先度が分かりづらいため、紙のメモを併用している

 優先度に応じてカード(タスク)を色分けしたり、表示順を並べ替えたりできるため、メモ併用の必要はなさそうです。PCに加えモバイルアプリでも利用できるため、外出中に急な予定が入ってもすぐに書き込めます。

結論

 筆者は長期のスケジュールを可視化したいので、Googleカレンダーからの完全脱却はまだ難しそうです。しかし、操作の手軽さと画面の見やすさ、そしてチームへの導入が簡単な点がとても印象に残りました。今後は部分的に導入していこうと思います。

 Trelloは英語の壁がほとんどなく、感覚的に使えるサービスです。あなたのチームでも試してみませんか?

 次回は、LinkedInのページを簡単にまとめられる敏腕ツール「Kinzaa」の使い方を紹介します。

「海外Webサービスのトリセツ」バックナンバー

筆者プロフィール

下岡聡子

Nextremer 下岡聡子

Javaプログラマー、フリー翻訳者(英語・中国語)を経て、Nextremerにてインドでのグローバル受託開発システムのマネジメント、新規ビジネス企画担当。大学ではロシア語を専攻。

ITエンジニア向けの英語サービスも提供中。


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