都会から地方にU/IターンしたIT関係者が地方での実情を伝えていく本連載。高知編 第3弾は、高知に移住したはちきん娘(土佐弁で男勝りでハツラツとした女性)が、同僚エンジニアに聞いた地方ならではのメリット/デメリットをセキララにお伝えする。地方への移住を検討するエンジニアの参考になれば幸いだ。
ここ数年、Uターン/Iターンを誘致する地方が増えている。しかし、実際に移住する人の数はまだ少なく「成功」といえる地域は決して多くはない。なぜ、都会の生活者は地方移住に二の足を踏むのだろうか。@ITはその理由の一つに「情報の少なさ」があると考えた。
本連載「ITエンジニア U&Iターンの理想と現実」は、東京から地方にU/IターンしたIT関係者が地方での生活の実情や所感などをセキララに伝えていく。高知編 第2弾は、家賃や食費などの生活に必要な費用の概算を、統計情報や実例も織り交ぜて解説した。第3弾となる今回は、仕事の有無や勉強会の開催状況など、エンジニアが気になる地方の実情をリポートします。
こんちは、Nextremer 高知オフィスの村上八恵です
弊社が高知に開発拠点を新設したのは、2015年の3月でした。県外からのUターンやIターンを中心とした初期メンバーが高知で暮らして、早9カ月目となりました。
地方での生活の実情や所感などをセキララに伝える「ITエンジニア U&Iターンの理想と現実」、第1弾では求人数や給与平均などの統計情報、第2弾では家賃や食費などの生活に必要な費用の概算など、ジェネラルな情報をお伝えしました。
第3弾の今回は、弊社のU&Iターンエンジニアたちにヒアリングし、彼らが高知で暮らし始めて分かったメリット/デメリットをお伝えします。
国や地方自治体が地方創生を掲げてさまざまな施策を打っていることも手伝ってか、最近Webメディアなどで、地方移住に関わる記事を目にすることが多くなりました。記事では「地方で働くエンジニアのメリット/デメリット」として、下記のようなポイントが挙げられています。
上記のようなメリットはある程度予想可能で、私たちも漏れなく享受しています。そこで、移住前には予想もしなかったメリットがないか、弊社エンジニアにヒアリングしてみました。
弊社は、東京/高知/インドの3拠点が連携して開発を行っています。チーム間に物理的な距離があると、コミュニケーション不足で仕事の質を左右しかねないため、私たちはできるだけ距離を感じさせない工夫をしています。
物理的な距離は、意外な効果を生みました。ハンデを埋めようと、丁寧にコミュニケーションをするようになったのです。
例えば、上の写真は会議の様子です。東京・高知間でテレビ会議システムを常時接続し、声を掛ければいつでも会話できる環境を備えています。左は私、右は高知オフィスのエンジニア。間にあるタブレットは、自走式テレビ電話「Double Robot」です。モニターに映っているのは、東京オフィスのメンバーです。
他にもチャットツールの「Slack」では、通常のコミュニケーション以外に、誰でも閲覧できるメンバーのログチャンネルを作成し、「今、自分はこんなことをやっていて、ここで困っている」というような日報ならぬ「分報」を投稿するようになりました。
高知はもちろん東京にいるメンバーにも状況が見えるので、「何をやっているのか分からない」といった不透明感を減らせますし、ログを見た人から助け舟があるなど、良いこともあります。
距離のハンデは、工夫次第でメリットにもなるのです。
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