次期Windows Serverからついにアレが消える! 動作不能になった非推奨機能の末路は……その知識、ホントに正しい? Windowsにまつわる都市伝説(218)

Microsoftは2022年の春ごろから、Windows Server LTSCの次期バージョンのプレビュービルドを評価用に定期的にリリースしています。次期バージョンの完成はまだ数年先のことで、現時点でどうなるのか確定的なことは何も言える状況にありません。ですが、一つだけ気が付いたことがありました。

» 2022年09月07日 05時00分 公開
[山市良テクニカルライター]

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「Windowsにまつわる都市伝説」のインデックス

Windowsにまつわる都市伝説

Windows Server 2022で構成不能になったSMTPサーバについて

 本連載第212回では、「Windows Server 2012」で開発終了扱いとなり、将来削除される可能性があるために非推奨となった「SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)サーバ」の機能について、「Windows Server 2022」では引き続き提供されてはいるものの、構成を確認、設定するための管理ツールがエラーでクラッシュするという状態になってしまったことを紹介しました(画面1画面2)。

画面1 画面1 「SMTPサーバ」の機能はWindows Server 2012で非推奨に。Windows Server 2022にはまだ残っているが……
画面2 画面2 構成の確認と設定のための管理コンソールがクラッシュするため、事実上、使い物にならない

 記事では、「Windows Server 2019」のSMTPサーバで構成をバックアップしておいてからインプレースアップグレードし、バックアップから復元することで、構成を引き継ぐことができる(そして、恐らく構成通りに機能する)ことを示しました。しかし、構成を確認したり、変更したりできないため、Windows Server 2022ではSMTPサーバを利用するのは諦めた方がよいと書きました。

機能の削除、それが答え!?

 Microsoftは2022年春ごろから、Windows Server長期サービスチャネル(LTSC)の次期バージョン(通称、Windows Server vNext)のプレビュービルド「25xxx」を評価用に、定期的にリリースしています。

 次期Windows Serverの現在のプレビュービルドは、「Windows 11 Dev Channel」で開発中のビルドと共通のものであり、大きな変更点としては、Windows Serverのデスクトップエクスペリエンスが「Windows 11」ベースに代わったことと、デスクトップアプリケーションとしての「Internet Explorer(IE)」が無効(現在のWindows 11 バージョン21H2と同様)になったことでしょう。

 Windows ServerのLTSCバージョンは、最近は3年ごとにリリースされています。このペースでいくと、Windows Server LTSCの次期バージョンは、2025年ごろの完成と思われます。OSのコア部分はWindows 11と共通の最新のコアに置き換わることになるわけですが、「サーバの役割と機能」については、以下のプレビュービルドを試用してみた感じではまだ大きく変更されていないようです。


 現行バージョンのWindows Server 2022との違いがあるとすれば、サーバの機能から「SMTPサーバ」「SMTPサーバ(SMTP-Server)」「機能管理ツール|SMTPサーバツール(RSAT-SMTP)」が消えたことです(画面3)。

画面3 画面3 Windows Server LTSCの次期バージョンのプレビュービルド「25xxx」からは、「SMTPサーバ」の機能が削除された(注意:製品名はまだ変更されておらず、“Windows Server 2022”のまま)

 「Get-WindowsFeature」コマンドレットの出力をWindows Server 2022と次期バージョンのプレビュービルドで比較したところ、その違いは次期バージョンの一覧には「SMTP-Server」と「RSAT-SMTP」が存在しないことだけでした(画面4)。

画面4 画面4 Get-WindowsFeatureコマンドレットを現行バージョンと比較してみたところ、違いは「SMTP-Server」と「RSAT-SMTP」が存在しないことだけ

 Windows Server 2012で開発終了、非推奨になったSMTPサーバの機能は、その後、何の変更も加えられないまま搭載され続け、Windows Server 2022で実施された何らかの変更がSMTPサーバの構成不能問題を引き起こしました。

 正常に動作しなくなった非推奨機能に対するMicrosoftの答えが、「機能の削除」ということのようです。非推奨になってから10年以上たったものを、正常に動作するように修正したり、代替のものを用意したりといったことまでしてくれるとは思えません。

 SMTPサーバ機能の削除は、非推奨リストに載った機能の末路を示す良い例なのではないでしょうか。現在、サポートされているWindows ServerやWindowsクライアントについて、非推奨になった機能をいま一度確認しておくことをお勧めします。


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筆者紹介

山市 良(やまいち りょう)

岩手県花巻市在住。Microsoft MVP 2008 to 2023(Cloud and Datacenter Management)。SIer、IT出版社、中堅企業のシステム管理者を経て、フリーのテクニカルライターに。Microsoft製品、テクノロジーを中心に、IT雑誌、Webサイトへの記事の寄稿、ドキュメント作成、事例取材などを手掛ける。個人ブログは『山市良のえぬなんとかわーるど』。近著は『Windows版Docker&Windowsコンテナーテクノロジ入門』(日経BP社)、『ITプロフェッショナル向けWindowsトラブル解決 コマンド&テクニック集』(日経BP社)。

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