最近、「リスキリング」や「アンラーニング」という言葉をよく見聞きします。でも、それらが「学び続ける」ということであれば、至極当たり前のことなのでは?
最近、「リスキリング」や「アンラーニング」という言葉をよく見聞きしますよね。
リスキリングは、働き方や技術革新、ビジネスモデルの変化に対応するために、新しい知識やスキルを学ぶこと。アンラーニングは、古くなった知識やスキルを捨てて、新しい知識やスキルを習得すること。
つまるところ「時代の変化に合わせて学び続けましょう!」といったところでしょうか。そう考えると、別に新しくも何でもないし、至極当たり前な話のような気もします。特に、技術の変化が早いエンジニアの世界で働いている皆さんにとってはそうですよね。
にもかかわらず、なぜここにきて「リスキリングだ!」「アンラーニングだ!」と沸き立っているのでしょうか? 本当に大切なのって、そこでしたっけ?
(以降は、リスキリングもアンラーニングも「リスキリング」として話を進めます)
リスキリングがはやっているのは、政府の「大型の予算がついた」ことが1つの要因ではないかと思っています。
2022年10月3日に召集された臨時国会で、岸田総理が下記の所信表明演説をしました。
リスキリング、すなわち、成長分野に移動するための学び直しへの支援策の整備や、年功制の職能給から、日本に合った職務給への移行など、企業間、産業間での労働移動円滑化に向けた指針を、2023年6月までに取りまとめます。
特に、個人のリスキリングに対する公的支援については、人への投資策を、「5年間で1兆円」のパッケージに拡充します。
リスキリングが必要な理由を、この文面からもう少し読み解いてみると……
そんな意図が読み取れます。
こういった目的はよく理解できます。デジタル化が進む中で確かに、そういったスキルを持っている人を増やすこと、あるいは、スキルを身に付けることって大切ですよね。エンジニアの皆さんも実感されているのではないですか?
また、ボクがエンジニアだったときに、外部研修に行く予算が限られていて「学びたくても学べない」ことが何度かあったので、学びたい個人にとって学ぶ機会が増えるのは良いことかもしれません。
一方で、「スキルを身に付ければ、仕事を円滑に移動できるのかな?」とも思います。ほら、資格だけ取っても、すぐに実務に使えるわけではないことも多々あるじゃないですか。少なからず「知識を身に付ければOK!」だけではないように思うのです。
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