NHKテクノロジーズはコンテンツ制作を支えるシステム群をAIで効率的に監視するシステムを開発した。各システムの監視装置とAI監視システムのインタフェースとしてモニターの「映像」を使うユニークな仕組みだ。
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「NHKテクノロジーズ」(本社:東京、社員数 約2000人)は「NHK」(日本放送協会)の制作技術を担う会社で、番組制作、コンテンツ送出、情報システムの維持管理、放送電波の送受信環境整備など放送に関わる技術業務全般を行っている。同社のデジタル開発技術本部 報道システム運用部(岡田俊一部長)は、コンテンツ制作関連のさまざまなシステムの運用監視を行っている。
NHKのコンテンツを支えるシステムは多岐にわたり、その運用監視は監視センターで24時間365日行われている。大型の4Kモニター3台に各システムの監視画面が表示される。一度に全システムは表示できないため画面はスクロールしている。
従来の監視業務は、モニターに障害(エラーメッセージ)が表示されると手元のPCに拡大表示して詳細情報を確認→キーワードで過去の障害データベースを検索し対応策を検討→対応→対応内容を障害データベースに記録、という流れでやっていた。
複数のアラームの中からどのワードを選んで障害データベースを検索すればいいのか、検索結果としてどれを参考にすべきか、といった判断が経験の浅い担当者には難しかった。また経験者であっても時間がかかることがあった。そこで、運用監視業務を迅速かつ的確に行い、スキルの高低にかかわらず誰でも簡単に運用監視業務ができるようにするため、多数の監視装置をAIによる監視システムに一元化することにした。
AI監視システムに一元化する上での問題点は、ネットワークがシステムごとに別々、監視装置もシステムの数だけあってインタフェースがバラバラということだ。
その解決策として「人間が大型のモニターを監視しているのと同様にAIにモニター画面を監視してもらう」というアイデアを思い付いた。
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