高成長企業は経済の混乱をよそに、2023年度に2桁成長を見込んでいる。成功に向けて戦略の多様化、集団的リーダーシップ、ストレスやショックへの耐性を独自に活用している。
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Gartnerが2022年に実施した調査「Understanding Corporate Growth Strategies」(企業の成長戦略を理解するための調査)は、ビジネスリーダーの37%が、2023年度に10%以上の増収を見込んでいることを示している。5〜10%の増収を見込んでいる企業も38%ある。調査で37%を占めた高成長企業は、成長目標の達成に向けて3つの取り組みを展開している。
高成長企業では、さまざまな上級幹部が事業拡大をけん引していると認識されているが、ほとんどの低成長企業は、CEOのリーダーシップに大きく依存している。だが、経営幹部の貢献に関する認識はさまざまだ。例えば、成長のけん引役としてのCIO(最高情報責任者)とCFO(最高財務責任者)の貢献については、他のCxO(最高責任者レベルの経営幹部)からの評価よりも、CIOとCFOの自己評価の方がかなり高い。
市場の混乱期には低成長企業は内向きになり、事業を縮小し、自社が知っていることに集中する。対照的に、高成長企業は新しいものや自社にないものを探し、道を切り開く。
例えば、高成長企業は、新しいビジネスアイデアやビジネスモデルを試したり、他の業界から学んだことを活用したりする傾向が非常に高い。また、デジタル活動を成長にとって「非常に重要」または「極めて重要」と評価する傾向も非常に高い。
反脆弱性とは、企業が経済的、社会的な不確実性やショックに直面しても、さらなる価値創造に向けて進化できる態勢を指す。こうした反脆弱性を目指すプラクティスは、現状を守ることに重点を置くリスク管理とは対照的だ。反脆弱性を実現している企業は、外的なショックから立ち直るだけでなく、そうしたショックをバネに競争優位性を高める。
高成長企業は低成長企業と比べて、反脆弱性に向けた戦術を実践していることが多い。例えば、多様な人材を活用して外部からの弱いシグナルに耳を傾けたり、“レッドチーム”を設置して、競合企業の動きをシミュレーションしたり、自社に固有の脆弱性を表面化させたりしている。
経済の不確実性が続く中、一部のビジネスリーダーは、野心的な成長目標を掲げている。高成長企業は低成長企業と比べて、マクロ経済の不確実性を機会の源泉と見なし、未開拓の市場に目を向け、大きなリスクを取って新商品を投入し、高級志向と低価格志向の両方の市場向けに柔軟な価格戦略を採用する傾向が強い。
出典:3 Ways High-Growth Companies Drive Business Performance(Insights)
Distinguished VP and Gartner Fellow
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