Googleは、Android 14の主な更新内容を公式ブログで紹介した。セキュリティ、コンプライアンスに関わる機能や仕事用プロファイル機能などが強化された。
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Googleは2023年10月4日(米国時間)、Android OSの最新バージョンであるAndroid 14の主な更新内容を公式ブログで紹介した。
同社によると、Androidではビジネス向けの安全なモバイルプラットフォームの構築に取り組んでいるという。仕事用デバイスをさらに強力に保護するべく、Android 14では新しいセキュリティ機能とコンプライアンス機能を導入した。
デフォルトのロック画面のPINコードを4桁から6桁に増やした。デバイスのロックを解除するために数字が2桁増えるだけで、可能なPINコードの組み合わせの数が1万から100万に増加し、不正なロック解除リスクが軽減される。
仕事用プロファイルと完全に管理されたデバイス用の資格情報マネージャーのコントロール機能が追加された。IT管理者は信頼できる資格情報マネージャーのみを有効にすることができる。「データをより細かく制御できるため、組織は機密性の高いビジネス資格情報をより適切に保護できる」(Google)
IT管理者は、リスクモデルに従ってモバイル接続を構成できるようになり、2Gトラフィックの傍受、中間者攻撃、その他の2Gネットワークの脆弱(ぜいじゃく)性から管理対象デバイスを保護できるようになる。例えば、IT管理者は、従業員が特定の高リスクの場所に移動するときに2Gを一時的にオフにしたり、デフォルトで2Gをオフにしたりできる。
米国の国家安全保障局(NSA)が制定するNIAP(National Information Assurance Partnership)基準を満たすために、マネージドUWB(Ultra-wide band)に新しいポリシーログと管理コントロールを導入した。
Googleは「Android Work Profile」機能を通じ、企業データを保護するとともに従業員のプライバシーを守り、ワークライフバランスのサポートを支援しているという。Work Profileは、単一のAndroidデバイス上に専用の仕事用プロファイルと個人用プロファイルを作成することで、従業員が仕事に使用するデバイスを企業が安全に管理できるようにする機能だ。Android 14では、この機能がアップデートされた。
Android 14では、従業員が仕事用プロファイルか個人用プロファイルのどちらでリンクを開くか、ブラウザでリンクを開くかどうかを選択しやすくなった。また、プロファイル全体で仕事上の連絡先を表示できるようになった。そのため、チームが仕事用と個人用の両方で「Messages by Google」のようなアプリを使用している場合、プロファイルを切り替えることなく全ての連絡先を表示できるようになる。IT管理者は、どの仕事用アプリでこの機能を有効にするかを制御できる。
従業員がGoogleアプリを使用している場合、プロフィール写真を横にスワイプすることで、仕事用プロファイルと個人用プロファイルを切り替えられるようになった。これは、Googleカレンダーなどのアプリにおいて外出先で会議のスケジュールを素早く確認するのに役立つという。
仕事関連のスクリーンショットを自分の仕事用プロファイルに直接保存できるようになった。個人用のスクリーンショットと混同することなく、仕事用プロファイルのデータを保護できる。
仕事用プロファイル内で共有したい特定のアプリ画面を選択することも容易になった。会議室などに画面を投影するときに、誤って個人の画面を共有してしまうことを避けられる。
従業員は、設定アプリから検索することで、デバイスポリシーを含む仕事用プロファイルの設定を簡単に見つけられるようになった。
その他、アクセシビリティーやAI(人工知能)カスタマイズといった従業員エクスペリエンスを向上させる新機能も追加されている。
視覚障害のある人向けに、拡大率の改善、非線形フォントサイズスケーリング、フォントサイズのクイック設定タイルが追加された。聴覚障害のある人のために、聴覚補助機能の改良とフラッシュ通知を追加した。
スマートフォン「Google Pixel 8」とそれ以降に発売されるモデルでは、従業員は簡単なテキストから生成AIを利用したユニークな壁紙を作成できる。
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