ピュア・ストレージ・ジャパンは10月中旬に、電力およびラックスペースコストの負担、AWSを利用するディザスタリカバリサービスなどの新機能を発表した。これについて詳解する。
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ピュア・ストレージ・ジャパンは2023年10月19日、同社のストレージサービスでサステナビリティやデータ保護に関する新機能を発表した。
同社はストレージアプライアンスの企業だが、その販売モデルはサブスクリプション/サービスに移行してきた。今回の発表では運用コスト、運用の複雑さ、データ関連リスクなど、ストレージをサービス化しても残るユーザー企業にとっての課題に踏み込んだという。
具体的な発表内容は、上の図の通り多岐にわたる。このうち本記事では、「電力コストとラックスペースコストの負担」「ディザスタリカバリ(DR)サービス」を取り上げる。
ピュア・ストレージは同社のサブスクリプションサービス(「Evergreen//One」と「Evergreen//Flex」)で、電力コストとラックスペースのコストを払い戻し、あるいはサービスクレジットという形でユーザーに還元する。
ピュア・ストレージではハードウェアをサービス化したものの、ユーザー組織は電力料金や機器を動かすスペースコストを別途支払わなければならない。このコストを削減することが目的だという。
今回のプログラムは、社内データセンター、コロケーションなど、ストレージ機器をどこで動かしているかにかかわらず適用される。「ラックスペース」は、動かしている製品のサイズ(「3U」「8U」などのラックユニット数)で計算する。
だが、電力料金とラックスペースコストは場所や利用するユーザー組織によって異なる。切り出して計算するのはほぼ不可能だ。実は、各ユーザー組織について実際のコストを計算するわけではなく、国ごとにピュア・ストレージが定める固定レートに基づいて支払額を決定するのだという。還元金額の計算には、契約規模も勘案される。
「Pure Protect//DRaaS」と名付けられた新たなDRサービスは、オンプレミスのストレージで稼働しているVMware vSphereの仮想マシンを対象とする。リカバリ先としてAmazon Web Services(AWS)を使う(VMware Cloud on AWSを使うわけではない)。
このサービスでは、事前にAmazon EC2インスタンスに自動変換するため、迅速な立ち上げができるという。フェイルバックでは、EC2インスタンスからvSphereの仮想マシンへの変換を自動的に行う。
管理ツール「Pure1」を使い、リカバリ先の設定やDR対象、世代管理などのリカバリポリシーを容易に設定できる。DRの設定が適切かどうかをチェックし、スコアリングする機能もあり、ユーザー組織だけでなくピュアストレージやインテグレーターの技術者が、これを見て必要に応じて修正するなどもできるという。
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