「電力・ラックスペースコストをストレージベンダー側が負担」、ピュア・ストレージが各種の新機能を発表ネイティブAWSを使うDRサービスも

ピュア・ストレージ・ジャパンは10月中旬に、電力およびラックスペースコストの負担、AWSを利用するディザスタリカバリサービスなどの新機能を発表した。これについて詳解する。

» 2023年10月30日 12時40分 公開
[三木泉@IT]

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 ピュア・ストレージ・ジャパンは2023年10月19日、同社のストレージサービスでサステナビリティやデータ保護に関する新機能を発表した。

 同社はストレージアプライアンスの企業だが、その販売モデルはサブスクリプション/サービスに移行してきた。今回の発表では運用コスト、運用の複雑さ、データ関連リスクなど、ストレージをサービス化しても残るユーザー企業にとっての課題に踏み込んだという。

ピュア・ストレージの今回の発表の内容

 具体的な発表内容は、上の図の通り多岐にわたる。このうち本記事では、「電力コストとラックスペースコストの負担」「ディザスタリカバリ(DR)サービス」を取り上げる。

「電力およびラックスペースのコストを負担」の意味

 ピュア・ストレージは同社のサブスクリプションサービス(「Evergreen//One」と「Evergreen//Flex」)で、電力コストとラックスペースのコストを払い戻し、あるいはサービスクレジットという形でユーザーに還元する。

電力、ラックスペースのコスト還元の内容

 ピュア・ストレージではハードウェアをサービス化したものの、ユーザー組織は電力料金や機器を動かすスペースコストを別途支払わなければならない。このコストを削減することが目的だという。

 今回のプログラムは、社内データセンター、コロケーションなど、ストレージ機器をどこで動かしているかにかかわらず適用される。「ラックスペース」は、動かしている製品のサイズ(「3U」「8U」などのラックユニット数)で計算する。

 だが、電力料金とラックスペースコストは場所や利用するユーザー組織によって異なる。切り出して計算するのはほぼ不可能だ。実は、各ユーザー組織について実際のコストを計算するわけではなく、国ごとにピュア・ストレージが定める固定レートに基づいて支払額を決定するのだという。還元金額の計算には、契約規模も勘案される。

AWSに対してDRができる新サービス

「Pure Protect//DRaaS」と名付けられた新たなDRサービスは、オンプレミスのストレージで稼働しているVMware vSphereの仮想マシンを対象とする。リカバリ先としてAmazon Web Services(AWS)を使う(VMware Cloud on AWSを使うわけではない)。

Pure Protect//DRaaSの内容

 このサービスでは、事前にAmazon EC2インスタンスに自動変換するため、迅速な立ち上げができるという。フェイルバックでは、EC2インスタンスからvSphereの仮想マシンへの変換を自動的に行う。

 管理ツール「Pure1」を使い、リカバリ先の設定やDR対象、世代管理などのリカバリポリシーを容易に設定できる。DRの設定が適切かどうかをチェックし、スコアリングする機能もあり、ユーザー組織だけでなくピュアストレージやインテグレーターの技術者が、これを見て必要に応じて修正するなどもできるという。

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