用語「Average」と「Mean」の違いについて説明。両方とも「平均」と訳されるが、「Average」が日常的な会話や文脈の中でよく使われる一般的な用語であるのに対し、「Mean」は数学/統計学/機械学習といった専門的な文脈の中でよく使われる専門的な用語であるという違いがある。
「平均」に対応する英単語と言えば、多くの人は「Average」を思い浮かべるのではないだろうか(筆者も最初に思い浮かべる)。このように一般的な文脈や会話における「平均」は基本的に「Average」と訳される。
これに対して、数学/統計学/機械学習における「平均」は基本的に「Mean」と訳される。通常、この場合の平均は、より厳密には「算術平均(Arithmetic Mean)=相加平均」を意味する。平均には「算術平均」以外にも、「加重平均(Weighted Mean)」や「幾何平均(Geometric Mean)=相乗平均」「調和平均(Harmonic Mean)」「トリム平均(Trimmed Mean)」などもあり、これらにも「Mean」という英単語が使われている。
一方で、「移動平均(Moving Average:MA)」などには、基本的に「Average」という英単語が使われている。移動平均という概念自体が、数学的な計算方法だけでなくデータの可視化などを含むより広い意味を持っており、金融の分野で広く使われていることなどが要因と考えられる。
「では、“Average”と“Mean”で何が違うか」をまとめると、ここまでの説明でもある程度分かるように以下の違いがある。
Excelの関数には、以下のものが用意されている。
おおむね前述の“Average”と“Mean”の違いの説明とも合致する関数名となっている。算術平均の関数には、数学的な計算方法の観点では「Arithmetic Mean」に基づく名前がふさわしいと考えられるが、恐らく「より多くの人が理解できて一般的に用いている」といった理由で「AVERAGE」という英単語が採用されているのだろう(と筆者は考えている)。
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