漠然としていた不安の原因と解決策が徐々に具体化 生成AIの業務利用開始は目前?:国内ニュースフラッシュ「生成AI」(2023年10〜12月)
その関心の高さを裏付けるように、日々多くの生成AIのニュースが流れている。だが、その全てを把握するのは至難の業だ。そこで本稿は、2023年10月から12月までに@ITに掲載された生成AI関連のニュースを編集者の目線でまとめ、解説する。
毎日のように生成AI(人工知能)に関するニュースが報道されている。業界、業種、企業規模にかかわらず関心が高まる生成AIだが、その数の多さから「実態をなかなか把握できない」と感じる人もいるだろう。そこで本稿は、2023年10月から12月までに@ITに掲載された生成AI関連のニュースを編集者の目線でまとめ、解説する。
多様な分野で活用が進む生成AI
生成AIが注目されたきっかけは、OpenAIの「ChatGPT」であることは間違いない。テキスト(プロンプト)で質問すれば、まるで画面の向こうに人間がいるかのように返答する文章生成型の生成AIは、直感的に理解しやすいチャット型のインタフェースだったこともあり、あっという間に一般化した。そのため、「生成AI=文章生成」と勘違いされることもあるが、生成AIは文章生成に限らず、広く活用されている。2023年10月から同年12月でいえば、コード生成、音楽生成、画像生成、3Dオブジェクト生成などの生成AIが登場している。
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大手企業の生成AIツールが続々登場
IBM、Amazon Web Services(AWS)、Google、Microsoftなどの大手企業が生成AIに関するツールやサービスの開発を進めている。2023年10月から同年12月のニュースを見ると、IBMの「watsonx Granite」やAWSの「Amazon Q」、Microsoftの「Windows Terminal Canary」などが登場している。こうした大手企業の多くは、生成AI単体でサービス提供するのではなく、既存の自社サービスと連携させることで他社との差別化を図っているようだ。
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生成AIの今後の成長は?
生成AIに関する企業の期待は高まり続けている。IDC Japanの調査では日本企業における生成AIへの期待度は世界よりも高い結果となっていた。Gartnerは「2026年までに企業の約80%が生成AIのAPIや生成AI対応のアプリケーションを導入する」と予測している。昨今は、地政学リスクや為替変動リスクなど市場の成長を阻害する外的要因が目立っているが、「生成AIを含むAIブームはそれらを上回る促進要因になる」と予測する識者もいる。一方、「2024年には企業のAI導入が鈍化する」とする見方もあり、今後も継続的に動向を見守る必要があるだろう。
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自動化との関連性
生成AIは自動化と相性が良いようだ。カスタマーサービスやチャットbot、運用アシスタント、ロボット教育など、業務プロセスの自動化に向けた活用事例がニュースに挙がっている。恐らく生成AIは、業務の効率化と生産性の向上についてかなりの効果があるということだろう。
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生成AIの懸念点と解決方法が具体化しつつある
生成AIに興味があっても、セキュリティ面の懸念から導入に踏み切れない企業もある。ただ、前述したように生成AI関連サービスは徐々に増えており、さまざまな事例が蓄積されてきている。それに伴い、ただ漠然としていた不安は「どのような点に注意すべきか」「どうすればリスクを回避、軽減できるか」というように具体化しつつある。
例えばIDC Japanは「生成AIの導入によってインフラが複雑化し、分散化も進む」と指摘している。IBMはインフラの整備の他、人材の育成やフレームワークの選択といった「生成AIを活用するための準備」が重要だと注意を促している。少し違う視点では、「大規模言語モデル(LLM)そのもののリスク」を指摘している企業もある。
対策としては生成AI向けのセキュリティツールが注目されているようだ。Gartnerの調査では34%の組織が「『生成AI向けのセキュリティツールを導入する』という対策を取っている」という。例えば、IBMは生成AIのガバナンスに注力したツールセットを提供している。
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生成AIは多岐にわたる分野で広く活用され、大手企業から中小規模の事業者までが積極的に取り組んでいる。今後のビジネスにおいて生成AIが大きな影響力を持つことはまず間違いない。業務で活用するために対応すべき事柄は多いが、集合知も集まりつつある状況のため、導入を考えている企業は少しずつ準備を進めるのがいいだろう。
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