なぜiPhoneは日本で使えないの?5分でネットがわかるシリーズ(9)(5/5 ページ)

» 2007年02月26日 00時00分 公開
[江原顕雄@IT]
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3.5世代、4世代も登場

 現在ではさらに3.5世代の技術も出てきており、一部のキャリアではすでにサービスを始めています。CDMA方式をベースにした拡張規格「CDMA2000 1xEV-DO方式」。日本ではauが「CDMA 1X WIN」というサービス名で2003年11月から開始しています。またW-CDMA 方式を進化させた「HSDPA方式」というのもあり、こちらはNTTドコモが2006年8月に「FOMAハイスピード」として、ソフトバンクモバイルも「3G ハイスピード」というサービスを始めています。

 3.5世代をベースにしたサービスも増えてきていますが、国際電気通信連合(ITU)が2008年から2009年にかけて第4世代携帯電話の規格を策定予定しています。サービス運用はだいぶ先になるでしょうが、どのような仕組みになるか要注目です。

iPhoneは日本人の目を覚まさせた?

 日本でGSM/EDGE対応のiPhoneが使えない理由が、お分かりになったでしょうか。海外で広く普及しているGSM形式と非GSMの日本というのが原因だったのですね。また「日本の携帯電話が閉鎖的だ」という指摘も図4を見れば納得です。

 この結果、日本向けの携帯電話を作っているメーカーは世界的な競争力が落ち、利用者も海外では携帯電話が利用できないという事態が発生しました。が、多くの携帯ユーザーは「国内できちんと通話ができれば、世界がどんな仕組みの携帯電話を使っているか関係ないわ! 海外に行くときは専用の電話を空港でレンタルをすればいいし」といった意識だったのではないでしょうか。

 「独自の携帯電話の生態系を築いてしまった日本」と揶揄されるほど、日本の携帯電話は世界的に特異なものです。しかし、日本で生活していればそんなことはまったく関係なく、意識せずに過ごせました。しかし、iPhoneの発売によって、日本人の多くに「なんで日本で使えないの? 日本の携帯電話の仕組みって変じゃない」と気が付かせてくれました。日本人にそのこと意識をさせただけでもiPhoneの意義は大いにあるのではないでしょうか。

図4 携帯電話の通信規格の変遷 図4 携帯電話の通信規格の変遷

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