突然Windows 8/8.1が青緑色のSTOPエラー画面を残して起動できなくなった! 何度再起動しても元には戻らない。この状態からWindows 8/8.1を回復させるための基本的な手順を説明する。
ある日、いつものようにWindows 8/8.1搭載マシンの電源を入れて起動すると、青緑色の背景に「問題が発生したため、PC を再起動する必要があります。……」と素っ気ないメッセージが表示され、そのままWindowsが起動しない。あるいは、一瞬だけ青緑色の画面が表示されたと思ったら再起動、というパターンを繰り返したら、何やら「回復」という画面が表示され、Windowsには戻らない…… そんな経験はないだろうか?
これらは「STOPエラー」「BSOD(Blue Screen Of Death)」と呼ばれる現象で、何らかの理由でWindows OSが「異常終了」し、続行不可能なときに発生する。こうなると、STOPエラーの原因を取り除くまでWindowsは回復できない。
STOPエラーが発生する原因はさまざまだ。ハードウェアの故障が引き金になることもあれば、アプリケーションのインストールやデバイスドライバーの更新、そしてWindows Updateによる更新プログラムの自動適用などでも引き起こされることがある。以下はその例だ。
Windowsには、STOPエラーのような深刻なエラーから回復するための機能がいくつか標準で備わっている。本稿では、それらの機能を活用して、主にソフトウェアトラブルから発生したSTOPエラーを、なるべく手軽に解消するための基本的な手順を説明する。対象OSはWindows 8/8.1である。
Windows 7での解消方法については、次の記事を参照していただきたい。
ソフトウェアの改変をした覚えが全くない、すなわちアプリケーションや更新プログラム、デバイスドライバーのインストール/削除/更新をした覚えが全くないのであれば、コンピューターのハードウェアに故障などのトラブルが生じた可能性がある。次のような対処をして確認してみよう。
2.については、コンピューターによっては専用のハードウェア動作確認ツールが付属していることがあるので、それを実行してハードウェアに不良がないか確認すると確実だろう。また、メインメモリであればWindowsが起動しない状態でも次の方法で診断できる。
テストや診断の結果、ハードウェアの故障や不良が見つかったら、その部分を交換/修理する。逆に何の異常も見つからなければ、次へ進んでソフトウェア的な原因を探る。
STOPエラーの原因がソフトウェアのトラブルだと想定した場合、Windows 8/8.1が備える回復機能を駆使して復旧に努めることになる。
通常、STOPエラーによって何回か再起動が繰り返されると、Windows 8/8.1では自動的に「Windows回復環境」(回復コンソール)が起動される。これは何らかのトラブルが生じているWindowsを修復するための機能で、Windows 8/8.1本体と同時にインストールされる。
この場合、「回復」という画面が表示されるので、[詳しい修復オプションを表示する]をクリックする。「詳細オプション」画面が表示されるので、次の(1)〜(3)の順番でWindowsの起動ができないか試す。
(1)の「自動修復」をクリックしたら、再起動後、基本的には画面の指示に従って進めればよい。手順の詳細は次の記事を参照していただきたい。
(2)のセーフモードでの操作方法は、次の記事が参考になる。
ただ筆者の経験では、自動修復やセーフモードでSTOPエラーを解消できたことは多くない。また(2)では、細かい設定変更無しではプログラムのアンインストールができない場合がある、といった制約があり、作業には困難が伴うこともある。詳細は、次の記事が大変参考になる。
その点では(3)の「システムの復元」が本命といえる。これを選択すると、最初にログオン/サインインするアカウントの選択とパスワード入力を経て「システムの復元」ウィザードが表示される。
あとは指示に従ってトラブル発生前の復元ポイントを選んで、システムの状態を巻き戻す。細かい操作方法など詳細は、次の記事を参照していただきたい。
何度再起動しても前述のWindows回復環境が起動されない場合は、回復ドライブやシステム修復ディスク、あるいはインストールDVD/USBメモリからWindows回復環境を起動するという方法がある。回復ドライブやシステム修復ディスクは、STOPエラーのようなトラブルが発生する前に、次の記事にある手順であらかじめ作成しておく必要がある。
回復ドライブ/システム修復ディスクがなく、かつコンピューターにDVDドライブが装備されていない場合は、次の記事のようにインストールUSBメモリを作成する必要がある(別のコンピューターで作成してもよい)。
回復ドライブ/システム修復ディスクかインストールDVD/USBメモリのいずれかを用意したら、コンピューターに挿入/接続して再起動する。そしてハードディスクからWindowsが起動される前に、[F2]あるいは[F10][F12]などのファンクションキーを押してブートデバイスの選択メニューを表示させ、回復ドライブ/システム修復ディスクあるいはインストールDVD/USBメモリから起動する。ブート選択メニューを呼び出すファンクションキーは、コンピューターの種類によって異なるのでマニュアルを参照していただきたい。
回復ドライブ/システム修復ディスクから起動した場合、最初に「キーボード レイアウトの選択」画面が表示される。ここでは一番下の「その他のキー ボード レイアウトを表示」をクリックすると別のキーボードレイアウトが選択できるので、最後の画面まで進めて「日本語」という項目を選ぶと、Windows回復環境の「オプションの選択」画面が表示される。
一方、インストールDVD/USBの場合は、最初に「Windows のインストール」というダイアログが表示されるので[次へ]ボタンをクリックする。次の画面で左下隅にある[コンピューターを修復する]リンクをクリックし、ブートパーティションを選択すると、Windows回復環境の「オプションの選択」画面が表示される。
次に[トラブルシューティング]−[詳細オプション]とクリックしていくと、前述の「詳細オプション」画面が現れる。あとは前述したインストール済みの回復環境の場合と同じ手順で、システムの復元を実行できる(「自動修復」はなく、代わりに「スタートアップ修復」を実行できる)。
ここまでの手順を実施してもシステムを修復できない場合、修復は断念して、次のような作業が必要になるだろう(原因を特定して回復させる方法はまだあるが、原因ごとに作業内容は大幅に異なり、しかも専門的な知識と経験を要する場合が多い)。
詳細については、次の記事を参照していただきたい。
リストアにせよリフレッシュ/リセット、あるいは再インストールにせよ、実行すると現在のハードディスク内のデータ(の少なくとも一部)が失われてしまうので、その前に次のような操作をして必要なデータをバックアップする必要がある。
具体的なコピー方法については、次の記事を参照していただきたい。
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