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» 2017年03月31日 05時00分 公開

ポジティブシンキングはもう古い。感情を抑えつけずにコントロールする5ステップストレスフルな職場でエンジニアが心穏やかに働くための5段階感情コントロール(1)(2/3 ページ)

[竹内義晴(特定非営利活動法人しごとのみらい),@IT]

本来の「感情コントロール」とは?

 コントロールとは本来、「出さないようにする」ことではありません。「出す」と「出さない」の両方をうまく扱うことです。

 例えば、車がそうです。ブレーキの踏み方がどんなにうまくても、アクセルを踏まなければ前に進みません。アクセルとブレーキの両方をうまく使いこなしてこそ、車をコントロールしたといえるのです。

 感情コントロールも同じです。怒りを感じたら「上手に怒る」「怒らなくてもいいことは怒らなくて済むようにする」、不安を感じたら「上手に不安になる」「不安にならなくてもいいことは不安にならずに済むようにする」――つまり「適切に感じ、適切に鎮める」ことが、感情コントロールなのです。

「ネガティブな感情」発生のメカニズム

 車を上手に乗りこなすためには、アクセルの踏み方、クラッチやギアの使い方、ブレーキの踏み方など、車が動くためのメカニズムを知る必用があります。同様に、感情をコントロールするためには、感情が起こるメカニズムを知っておくと良いでしょう。

 ネガティブな感情を抱くメカニズムは、たった一言で表現できます。

 「ネガティブな感情は、「理想」と「現実」のギャップによって生じる」です。

 「理想」とは、それぞれの人が「大切なのは○○だ」「○○が正しい」「○○すべきだ」「○○ねばならない」のように考えている「価値観」のことです。物事を判断する「ルール」のようなものです。「価値観」には、「思い込み」「先入観」「固定観念」「こだわり」「偏見」なども含まれます。

 目の前の「現実(状況)」が、描いている「理想」と合っていない。だから、ネガティブな感情を抱くわけです。

 情報システムの不具合を修正するために「原因」を探すように、「イライラ」や「モヤモヤ」を解決するためにも、それらを作り出している原因を知る必要があります。

 例えば、1990年前後以降に生まれた人は「デジタルネイティブ(物心が付くころにはPCやインターネットがある環境で育った世代)」と呼ばれます。業務上の連絡をメールなどでやりとりすることも多く、仕事を休む際にSNSで連絡してくる人もいます。

 デジタルネイティブ世代に違和感を抱く世代もいます。なぜなら彼らには「大切な連絡は電話でするべきだ」という価値観があるからです。

 「理想」と「現実」の間にギャップがある。だからマイナス感情が湧き、「仕事を休む連絡をSNSで送るなんて非常識だろう!」と感情的になってしまうのです。しかも感情は考える前に湧いてくるため、「自分には○○という価値観がある」と認識している人はほとんどいません。

 もし仮に「大切な連絡は電話でするべき」という価値観がなければ、感情自体を抱かない(抱けない)のではないでしょうか。

 つまり、それぞれの人が持っている価値観や、物事を判断するルールが、感情のオン/オフを切り替える「感情スイッチ」になっている。その結果、感情が生じているわけです。

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