今回より3回に分けて、VMware Cloud on AWSのSDDCと、オンプレミスを含む外部とのネットワーキングについて解説する。今回はDirect Connectによる接続について紹介する。
この記事は会員限定です。会員登録(無料)すると全てご覧いただけます。
本連載では、「VMware Cloud on AWS」を詳細に解説している。第1回では概要とユースケースを解説し、第2回と第3回では基本的な構成を説明すると共に、オンプレミスの「VMware vSphere」とVMware Cloud on AWSのハイブリッド管理を紹介した。さらに第4回からは、VMware Cloud on AWSに関して最も質問の多いネットワークについて解説している。
第4回はまず、VMware Cloud on AWS内部のネットワークについて解説した。今回より3回に分けて、VMware Cloud on AWSのSDDCと、オンプレミスを含む外部とのネットワーキングについて解説する。今回はVMware Cloud on AWSとオンプレミスなどの接続に関する選択肢を示し、そのうちDirect Connectによる接続について紹介する。第6回は、VMware NSXによるレイヤー2 VPNについて説明する。そして第7回はレイヤー3 VPNと接続の応用例、NAT(Network Address Translation)について説明する。
VMware Cloud on AWSは外部とのネットワーキングの選択肢として、複数の経路と複数の接続方法を提供している。まず経路については、コストを抑えたインターネット経由の接続と、一貫した性能を提供する「AWS Direct Connect(Direct Connect)」経由の接続がある。これらは予算と要件のバランスで使い分けることになる。今回は、特に以下の接続方式について詳細に説明する。
なお、レイヤー2(L2)レベルの接続は、NSXによるNSX L2 VPNと、「VMware HCX(VMware Hybrid Cloud Extension、以下HCX)」によるL2延伸の2通りがある。HCXによるL2延伸については、別の回に説明を行う。最後に、インターネットとVMware Cloud on AWSの接続となるNATの解説を行う。
Direct Connectは、オンプレミスのデータセンターとAmazon Web Services(AWS)のデータセンターを専用線で接続するサービスである。Direct Connectにより、安全で一貫した性能を持つ接続を、オンプレミスとAWSの間で確立できる。オンプレミスのデータセンターと、AWSのデータセンター内にあるVMware Cloud on AWSのSDDCを接続する際にも、Direct Connectが利用される。ただし、VMware Cloud on AWSのSDDCが属する「Amazon VPC(Amazon Virtual Private Cloud、以下VPC)」は、VMwareが所有するAWSアカウントで管理されるため、通常のDirect Connectの使い勝手とは少々異なる。これに言及しながら、以下の観点で説明を進める。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.