知らぬ間に新しくなっていた(?)Windows 10更新後の「更新してシャットダウン」「シャットダウン」「再起動」の挙動山市良のうぃんどうず日記(203)

Windows 10 バージョン2004(May 2020 Update)になって、Windows Update後の「電源」メニューの選択肢が変わったことにお気付きでしょうか。以前、筆者が「あるといいな」と思っていた「再起動してシャットダウン」(筆者命名)が今のWindows 10にはあるんです。

» 2021年03月24日 05時00分 公開
[山市良テクニカルライター]

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通知の「今すぐ再起動する」ボタンからの再起動では気付かない新機能

 Windows Updateで再起動が必要な更新プログラムがインストールされると、「設定」アプリの「Windows Update」や、Windows Updateからのアクションセンターへの通知に「今すぐ再起動」ボタンが表示されます。放置しておけばアクティブ時間外に自動的に再起動されますが、筆者は「今すぐ再起動」ボタンを押してすぐに再起動することがほとんどです。

 そのため、Windows Updateで再起動待ちになっているときのスタートメニューの「電源」や、タスクバー左端のWindowsロゴを右クリックして表示されるメニュー(通称、[Win]+[X]メニュー)の「シャットダウンまたはサインアウト」に表示される項目が、「Windows 10」のバージョン1909(November 2019 Update)以前とバージョン2004以降で変わっていたことに最近まで気付いていませんでした。

 Windows 10 バージョン1909以前の場合、「電源」および「シャットダウンまたはサインアウト」には、「更新してシャットダウン」と「更新して再起動」の2つの項目が表示されます(画面1)。これが、Windows 10 バージョン2004以降になると、「更新してシャットダウン」「シャットダウン」「更新して再起動」「再起動」の4つの項目が表示されます(画面2)。

画面1 画面1 Windows 10 バージョン1909のWindows Updateの再起動待ち時点の「電源」メニュー
画面2 画面2 Windows 10 バージョン2004以降のWindows Updateの再起動待ち時点の「電源」メニュー。画面はWindows 10 バージョン20H2(October 2020 Update)のもの

Windows 10 バージョン1909以前の「更新して再起動」と「更新してシャットダウン」

 Windows Updateの通知の「今すぐ再起動する」ボタンをクリックした場合、通常、次のような挙動で再起動が行われます。Windows 10 バージョン1909以前で「更新して再起動」メニューを使用して再起動した場合も同じ挙動になります。

(1)再起動開始

(2)更新プログラムを構成しています 0〜30% コンピューターの電源を切らないでください

(3)再起動しています

(4)電源オフ/オン

(5)更新プログラムを構成しています 0〜100% コンピューターの電源を切らないでください

(6)サインイン画面


 Windows 10 バージョン1909以前で「更新してシャットダウン」をクリックした場合は、(3)が「シャットダウンしています」になり、(4)の電源オフのところで終わります。そして、次に電源をオンにしたときに、(5)以降の処理が行われます。

 また、Windows 10 バージョン1909以前でWindows Updateで再起動待ちになっているとき、「Shutdown.exe」コマンドの「shutdown /r /t 0」や「shutdown /s /t 0」による再起動/シャットダウン、PowerShellの「Restart-Computer」や「Stop-Computer」コマンドレットによる再起動/シャットダウンを実行した場合、「更新して再起動」と「更新してシャットダウン」と同じ挙動になります。

Windows 10 バージョン2004以降は「更新して再起動」以外が新しい

 Windows 10 バージョン2004以降の「更新して再起動」は、従来の「更新して再起動」と同じです。もう1つの「更新してシャットダウン」は、新しい挙動に変更されました。具体的には、「更新して再起動」の(1)(5)まで進み、その後、真っ黒の画面がしばらく表示され、PCの電源がオフになります(画面3画面4)。

画面3 画面3 Windows 10 バージョン2004以降の新しい「更新してシャットダウン」(その1)
画面4 画面4 Windows 10 バージョン2004以降の新しい「更新してシャットダウン」(その2)

 本連載の以下の回で「(更新して)再起動してシャットダウン」ボタンがあると便利だろうと書きましたが、新しい「更新してシャットダウン」はそれを実現したものということです。

 そして、スタートメニューや[Win]+[X]メニューに新たに追加された「シャットダウン」と「再起動」の2つの項目は、Windows Updateで再起動待ちになっていないときと同じ「シャットダウン」と「再起動」になります。

 そしてこれは、Windows Updateで再起動待ちになっているときの、Shutdown.exeコマンドやPowerShellのStop-Computer、Restart-Computerコマンドレットとは異なる挙動をします。

 どういうことかというと、Windows Updateで再起動待ちになっている場合でも、Windows Updateの処理を再起動/シャットダウン中に行わないのです。そのため、次回起動時、あるいは再起動後に「設定」アプリの「Windows Update」を開くと、更新プログラムのインストールが再起動待ちの状態のままで、「今すぐ再起動する」ボタンが待っています(画面5)。

画面5 画面5 Windows 10 バージョン2004以降の新しい「シャットダウン」と「再起動」は、再起動/シャットダウン中にWindows Updateの処理を行わない

 なお、Shutdown.exeコマンドのヘルプや、PowerShellのRestart-Computer、Stop-Computerコマンドレットのヘルプには、新しい「更新してシャットダウン」「シャットダウン(更新処理を含まないシャットダウン)」「再起動(更新処理を含まない再起動)」に相当する新しいオプションは見当たりません。

筆者紹介

山市 良(やまいち りょう)

岩手県花巻市在住。Microsoft MVP:Cloud and Datacenter Management(2019-2020)。SIer、IT出版社、中堅企業のシステム管理者を経て、フリーのテクニカルライターに。Microsoft製品、テクノロジーを中心に、IT雑誌、Webサイトへの記事の寄稿、ドキュメント作成、事例取材などを手掛ける。個人ブログは『山市良のえぬなんとかわーるど』。近著は『Windows版Docker&Windowsコンテナーテクノロジ入門』(日経BP社)、『ITプロフェッショナル向けWindowsトラブル解決 コマンド&テクニック集』(日経BP社)。


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