今回は、Windows 10を日常的に利用していて、最近筆者が気になっている原因不明の奇妙な挙動の数々をまとめてみました。
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Chromiumベースの新しい「Microsoft Edge」は、Chromiumエンジンの更新リリースやバグ修正のために頻繁に更新されます。Microsoft Edgeは自動更新機能を備え、更新のためにブラウザの再起動が必要なときにはそれを通知してくれますが、右上の「・・・」メニュー→「ヘルプとフィードバック」→「Microsoft Edgeについて」を開くと、自動更新を待たずに手動で更新を確認、インストールすることができます。
以前から気になっていたのですが、Microsoft Edgeの手動更新の際、そのまま更新の確認とインストールが始まるPCがあれば、一方で「ユーザーアカウント制御(UAC)」が「Microsoft Edgeの更新」を実行するために「昇格の許可」を求めるPCもあります(画面1)。UAC昇格が必要なPCと必要のないPCの違いがどこにあるのか、今のところ見つけられていません。なんだかもやもやします。
筆者はメインのPCで、Microsoft Edgeと「Internet Explorer(IE)」、そして「Mozilla Firefox」の3つのブラウザを同時に開き、それぞれのブラウザで日常的にチェックしている別々のサイトを常に表示しています。
もう何カ月も前から度々経験しているのですが、IEで何かを検索し、検索結果をクリックしたタイミングで大量のタブがMicrosoft Edge側で開かれることがあります。
Chromiumベースの新しいMicrosoft Edgeでは、あるバージョンからIEに対応していないサイト(例:TwitterやYouTubeなど)にアクセスしようとすると、Microsoft Edgeに自動的にリダイレクトする機能が実装されました。
この機能がうまく機能し、対象のURLだけをMicrosoft Edgeにリダイレクトするときと、IEで開いている全てのタブを、リダイレクト前の「Microsoft EdgeでこのWebサイトを表示することをお勧めします」のページも含めて、全てMicrosoft Edgeにリダイレクトするときがあるのです。同じPCで問題を再現しようとすると、再現しない(正常に機能する)こともあれば、簡単に再現することもあります(画面2、画面3)。なんだかもやもやします。
筆者は確認のため、あるいは単に興味本位で、古いプロセッサを搭載したPCで「Windows 10」の古いバージョン(Windows 10 Enterprise LTSB 2016)と、新しいMicrosoft Edgeをインストールした環境を維持しています。そのPCで何かするわけでもなく、毎月、Windows Updateやアプリの更新のために数回起動しているだけです。
「Google Chrome」は、「SSE(Streaming SIMD Extensions)3」非対応ハードウェアのサポート終了に向けて、安定版バージョン87ごろから古いプロセッサを搭載したPCに警告を表示してきたそうです。筆者のこの古いPCのプロセッサはSSE3非対応なので、Microsoft Edgeバージョン87からは「ハードウェアは現在サポートされていないため、このコンピューターはMicrosoft Edgeの更新プログラムの受信をすぐに停止します」と表示されるようになりました。
Google ChromeのSSE3非対応ハードウェアのサポート終了は、安定版バージョン89で実施されたといわれています。さて、筆者の古いPCはどうなったのかというと、Microsoft Edgeバージョン89に問題なく更新することができました。そしてなんと、それまで表示されていた警告メッセージは消えてなくなり、今後も更新プログラムを受け取れるような感じです(画面4)。実際、その後の更新バージョンも受け取れています。
古いプロセッサのサポート終了は警告していたので、今後はそのような使用環境は存在しないものとして何か問題が発生しても無視する(修正しない)ということなんでしょう。でも、バージョン88以前よりも快適に動いているような気もします。自己責任になることは承知していますが、今後もこの環境を意地でも維持していきたいと思います。
「Windows 8.1」のWindows Updateには、オプションの更新プログラムとして「Microsoft Silverlight(KB4017094)」が提供され続けています(画面5)。この更新プログラムを選択してインストールするか、更新プログラムを非表示にしない限り、オプションの更新プログラムのリストにずっと残ります。
Windows 10や「Windows Server 2016」以降(デスクトップエクスペリエンス)の「設定」アプリからWindows Updateを実行する場合、Silverlightの更新プログラムを目にすることはないでしょう。
しかし、Windows Serverの「Sconfig」ユーティリティーや以下のサイトで公開されているサンプルスクリプト「WUA_SearchDownloadInstall.vbs」で更新プログラムを確認すると、現時点ではSilverlightの更新プログラムを見つけてきてしまいます(画面6)。Sconfigユーティリティーの更新機能とサンプルスクリプトは、どちらも「Windows Update Agent(WUA) API」を利用しています。
Silverlightは現在、IE 11のみでサポートされていますが、そのサポートも「2021年10月12日」に終了し、インストーラーも提供されなくなります。WUA APIでインストールが必要な更新プログラムとして検出されたとしても、インストールしないように注意してください(ライセンス条項EULAに同意しない限りインストールされることはありません)。インストールされてしまったら、コントロールパネルの「プログラムのアンインストールまたは変更」(appwiz.cpl)からアンインストールしましょう。
これはWindows 10 バージョン20H2に更新してからのことだと思うのですが、Hyper-Vで実行中の仮想マシンに対して、状態を含む「チェックポイント」を適用した際、STOPエラーが発生してブルースクリーン(Blue Screen of Death、BSoD)になることが散発的に発生するようになりました(画面7)。
同じチェックポイントを問題なく戻せることもあります。発生条件がはっきりとせず、もやもやしているのですが、当面は関係しそうなチェックポイント操作を行わないように気を付けるくらいしか対処方法はありません。ですが、気を付けなきゃいけないということを、すぐ忘れちゃうんですよね。
毎月恒例のWindows Update、たくさんの物理マシンや仮想マシンに対して実施していると、システム構成が同じはずなのに異なる挙動を見せる個体に遭遇します。
Windows 10 バージョン2004になってからだと思うのですが、「設定」アプリの「Windows Update」を開いて更新の確認が始まり、ダウンロードが完了したところで「今すぐインストール」ボタンを表示して止まっているのをよく目にするようになりました。いつまでたっても「ダウンロード中 - 100%」や「インストールの保留中」のまま変わらず、「設定」アプリを開き直すと「今すぐインストール」ボタンが表示されることもあります(画面8)。「最新の状態です」の下にあるはずの「更新プログラムのチェック」ボタンが消えてしまうこともあります(「設定」アプリを開き直すとボタンは復活します)。
Windows Updateに加えられた新しい仕様なのか、不具合なのか、特定の設定が影響しているのかいまだに分かりません。Windows Updateが途中で止まっていることにしばらくたってから気付くと、時間を無駄にしているようでイラっとします。時間の無駄を避けるため、小まめに進捗(しんちょく)状況をチェックしていると、「インストール中 - 100%」から「インストール中 - 22%」に戻ったりして、さらにイラっとします。
岩手県花巻市在住。Microsoft MVP:Cloud and Datacenter Management(2020-2021)。SIer、IT出版社、中堅企業のシステム管理者を経て、フリーのテクニカルライターに。Microsoft製品、テクノロジーを中心に、IT雑誌、Webサイトへの記事の寄稿、ドキュメント作成、事例取材などを手掛ける。個人ブログは『山市良のえぬなんとかわーるど』。近著は『Windows版Docker&Windowsコンテナーテクノロジ入門』(日経BP社)、『ITプロフェッショナル向けWindowsトラブル解決 コマンド&テクニック集』(日経BP社)。
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