Windowsのシャットダウンを高速化するといわれる3つのレシピ「HungAppTimeout」「WaitToKillAppTimeout」「WaitToKillServiceTimeout」。この中の1つに、もはや何の意味も持たない無駄なものがあります。分かりますか?
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インターネット初期から脈々と続く、おいしいクッキーのレシピの書かれた伝説の迷惑メールがあるとかないとか、そして作ってみたら本当においしかったとかそうでなかったとか、今回取り上げるトピックを調査していたら、そんな話をふと思い出しました。
インターネットで「HungAppTimeout」「WaitToKillAppTimeout」「WaitToKillServiceTimeout」の3つをキーワードに検索してみてください。Windowsのシャットダウンを高速化するレシピ(テクニック、Tips)として、たくさんの情報が見つかると思います。
具体的には、以下のレジストリ値になります。いずれもREG_SZ(文字列)型のレジストリ値、「HKCU」は「HKEY_CURRENT_USER」、「HKLM」は「HKEY_LOCAL_MACHINE」と同じ意味を持つ省略形です。これらのレジストリ値は、シャットダウン時にアプリケーションを「応答なし」と見なす、あるいはサービスに対して停止処理を実行する機会を与えるためにシステムが待つタイムアウト値を調整するといわれるものです。
実はこのレシピには、もう役に立たないものが1つ紛れ込んでいます。それは2つ目の「WaitToKillAppTimeout」です。実証してみましょう。
今回、素材として「Windows XP」「Windows 7」「Windows 8.1」「Windows 10」を、調理道具としてWindows Sysinternalsの「Process Monitor」(Procmon.exe、Procmon)を用意しました。
Procmonは、Windowsのプロセスが行うレジストリやファイル、ネットワークのI/Oをリアルタイムにキャプチャーするツールです。このツールには「ブートログ(Boot Logging)」という機能もあり、この機能を使うと次回のブートの早い段階から、次にProcmonを起動するまで継続してキャプチャーすることができます。これを使って、ブートから起動して、ユーザーがログオンし、Procmonを停止するまでに行われた「HKCU\Control Panel\Desktop\」へのアクセスをキャプチャーしてみます(画面1、画面2)。
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