Windows 10以降、Windowsオペレーティングシステム(OS)は、従来のパッケージ製品としてのソフトウェアから“継続的に更新されるサービス”へと移行しました。これまでの(Windows 8.1以前)、多くの企業にとってなじみ深い展開および管理機能は、最新のWindows 11でも引き続き利用可能ですが、現在は他にもさまざまな選択肢が用意されています。
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これまでの企業向けWindows OSの展開および管理機能は、Windows Serverが「サーバーの役割」として提供する以下のものがあります。
「Windows展開サービス(Windows Deployment Service、WDS)」は、カスタマイズおよび汎用(はんよう)化したWindowsイメージをデバイスにマルチキャストでベアメタル展開(OS未インストールのデバイスに対して)、またはアップグレード展開するサービスです。イメージのカスタマイズやタスクシーケンスの作成には、「Microsoft Deployment Toolkit(MDT)」や「Windowsアセスメント&デプロイメントキット(ADK)を使用するのが一般的です。
大量のデバイスを短時間でキッティングするのに使われてきた機能であり、「Windows 10」以降でも利用できますが、WDSのクライアント機能の一部は「Windows 11」で非推奨または廃止になったことに注意してください。
例えば、Windows 11のインストールメディアに含まれる「boot.wim」は、WDSではサポートされなくなりました(Windows 10のインストールメディアのboot.wimでも代替できるようです。PXEブートには影響しません)。また、MDTはWindows 11ではサポートされなくなりました。
移行期である現在は、WDSによる旧バージョンの展開経験がある場合、Windows 10をWDSで展開し、「Windows Server Update Services(WSUS)」などでWindows 11にアップグレードするという方法を検討してもよいかもしれません。なお、「Microsoft Configuration Manager(ConfigMgr)」は「バージョン2107」からWindows 11の展開に対応しています(画面1)。
ConfigMgrは、古くは「Systems Management Server(SMS)」と呼ばれ、その後、「System Center Configuration Manager(SCCM)」「Microsoft Endpoint Configuration Manager(MECM)」、そして現在の製品名に名称が変更されてきた製品です。
WSUSは、Windowsの品質更新プログラムとWindows 10以降の機能更新プログラムをクライアントに提供するサービスです。このサービスは、Windows 10やWindows 11でも問題なく機能します。ただし、名前の似ている「Windows Update for Business(WUfB)」は、WSUSに依存しないことに注意してください。
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