Microsoftはオンプレミスの更新プログラム配信基盤に対して、Windows 11 バージョン22H2向け品質更新プログラムおよび機能更新プログラムを「Unified Update Platform(UUP)」ベースのものに切り替えました。これに対応して、企業のIT管理者は、オンプレミスの更新プログラム配信基盤をUUP対応に移行する必要があります。
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「Unified Update Platform(UUP)」は、Windows Updateでは既に「Windows 10」や「Windows 11」向けのWindowsおよび.NET Frameworkの品質更新プログラムおよび機能更新プログラムの配信に採用されている新しい更新テクノロジーです。UUPは差分ベースの小規模な更新プログラムであるため、ダウンロードとインストールのエクスペリエンスが、初期のWindows 10と比較して大幅に改善されています。
以下の記事で紹介したように、Microsoftは2022年10月から、オンプレミスの更新プログラム配信基盤向けにUUPのパブリックプレビューを開始しました。当初の予定では、2023年の早い時期(第1四半期)に一般提供が開始される予定となっていました。
2023年3月28日(日本時間29日)からUUPプレビューは一般提供となり、Windows 11 バージョン22H2の2023年3月のBリリース以降について、UUPベースの更新プログラムに切り替わりました。また、Windows 11 バージョン22H2向けの.NET Frameworkの更新プログラムについても、UUPベースに切り替わり、再起動の回数削減が期待されています。
UUPベースの更新プログラムの対象は、Windows 11 バージョン22H2(x64およびArm64)向けの以下の更新プログラムで、製品カテゴリー「Windows 11」に対する今後の新しい更新プログラムはUUPベースの更新プログラムとしてのみ提供されます。
オンプレミスの更新プログラム配信基盤としては、以下の環境がサポートされています。
WSUSで更新プログラムを配信している場合、UUPベースの更新プログラムに対応するためには「インターネットインフォメーションサービス(IIS)」に以下の2つの「MIMEの種類」を追加する必要があります(画面1、画面2)。
ファイル名の拡張子 | MIMEの種類 |
---|---|
.wim | application/x-ms-wim |
.msu | application/octet-stream |
なお、「Windows Server 2019」以前のIISでこれらの「MIMEの種類」を追加してあっても、その後、「Windows Server 2022」にアップグレードした場合に「MIMEの種類」の登録が失われるという問題が報告されているので、該当する場合は再確認してください。
2023年3月28日(日本時間29日)以降で初めてWSUS同期後に承認した更新プログラムのダウンロードにおいて、1回に限りアーキテクチャ(x64およびArm64)ごとに10GB以上のダウンロードが発生するため、WSUSのダウンロードディレクトリのあるディスクの空き容量に注意してください。この1回限りの初期ダウンロードが終わると、UUPによる小規模で最適化された更新プログラムの配信環境が整います。
以上の設定により、WSUSの「製品と分類」で、製品「Windows 11」、分類「セキュリティ問題の更新プログラム」および「Upgrades」を受け取るように構成してあれば、UUPベースの更新プログラムを同期するようになります(画面3、画面4)。
なお、UUPプレビューに参加していたWSUSサーバにはこれまで、製品カテゴリー「Windows 11 UUP Preview」に対してUUPベースの更新プログラムが提供されてきましたが、一般提供後は製品カタログ「Windows 11 UUP Preview」の選択は不要になります。
「Microsoft Configuration Manager」で更新プログラムを配布している場合は、クライアント設定の「ソフトウェア更新プログラム」で、「オプションが利用可能な場合に、クライアントが差分コンテンツをダウンロードできるようにします」を「はい」に設定します(画面5)。
後は、WSUSの場合と同様、製品「Windows 11」、分類「セキュリティ問題の更新プログラム」および「Upgrades」を受け取るようにMicrosoft Configuration Managerのサイトを構成します(IISのMIMEの種類については自動設定されているはずですが、念のため再確認してください)。
以下のブログでアナウンスされているように、Windows 10 Home/Pro/Enterprise/Educationは現在の「バージョン22H2」が最後のバージョンになることが発表されました。このバージョンのまま「2025年10月14日」までサポートされ、更新プログラムが提供されることになります(日本時間2025年10月15日に提供される更新プログラムが最後)。
Windows 10 Enterprse LTSC 2019は「2029年1月9日」まで、Windows 10 Enterprise LTSC 2021は「2027年1月12日」(延長サポートは提供されません)までサポートが継続されます。また、Windows 11 Enterprise LTSCは、2024年後半のリリースが予定されています。
岩手県花巻市在住。Microsoft MVP 2008 to 2023(Cloud and Datacenter Management)。SIer、IT出版社、中堅企業のシステム管理者を経て、フリーのテクニカルライターに。Microsoft製品、テクノロジーを中心に、IT雑誌、Webサイトへの記事の寄稿、ドキュメント作成、事例取材などを手掛ける。個人ブログは『山市良のえぬなんとかわーるど』。近著は『Windows版Docker&Windowsコンテナーテクノロジ入門』(日経BP社)、『ITプロフェッショナル向けWindowsトラブル解決 コマンド&テクニック集』(日経BP社)。
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