Windowsのインストール先ディレクトリを眺めていると、怪しげに見える実行ファイルが見つかることがあります。そんなファイルに「NET.EXE」と「NET1.EXE」があります。ウイルスか何かが入り込んで、システムファイルのフリをしているのではないかと勘違いする人もいるかも。
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「NET」コマンドは、共有リソースの作成や接続、切断、SMB(Server Message Block)セッションローカルユーザー/グループの作成や管理、コンピュータに接続している全セッションの一覧表示、メッセージの送信、サービスの開始や停止、設定など、Windowsの初期設定やトラブルシューティングに役立つさまざまな機能を備えています。
「NET.EXE」はその実行ファイルであり、「%Windir%\System32」ディレクトリに配置されています。同じ場所に「NET1.EXE」という実行ファイルも見つかるでしょう(画面1)。ファイルのプロパティを確認すると、どちらも「NET Command」となっています。
これらを「/?」オプション付きで実行してヘルプを参照すると、全く同じNETコマンドの構文が表示されます。また、一部のオプションは「NET.EXE」と「NET1.EXE」どちらでも機能しますが、異なる挙動をするオプションも存在します(画面2)。
つまり、これらは「シンボリックリンク」や「ハードリンク」といった、同一のものではありません。何よりもまず、ファイルサイズが全く違います。手元にある「Windows 11」のバージョン22H2で確認したところ、「NET1.EXE」のファイルサイズは「NET.EXE」の2.5倍でした。
Windowsのモジュール(DLL)の依存関係を調べることができるフリーのユーティリティー「Dependency Walker」で、「NET.EXE」と「NET1.EXE」の依存関係を調べてみると、「NET1.EXE」の方がより多くのDLLと依存関係を持つことが分かります(画面3)。言い換えれば、より多くの機能が「NET1.EXE」の方に実装されていると想像できます。
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