Windows 11の「新規作成」コンテキストメニューから突然消えた「テキスト ドキュメント」――復活は実に簡単だった件山市良のうぃんどうず日記(275)

2024年1月のWindowsの定例更新から数日後、テキストファイルを新規作成しようと、いつものようにフォルダやデスクトップ上を右クリックし、「新規作成」コンテキストメニューを開いたところ、そこにあるはずの「テキスト ドキュメント」が存在しないことに気が付きました。調べてみると、Windows 11でちょくちょく報告される不具合のようです。解決策も幾つか見つかりますが、それらはちょっとやり過ぎかもしれません。

» 2024年01月31日 05時00分 公開
[山市良テクニカルライター]

この記事は会員限定です。会員登録(無料)すると全てご覧いただけます。

「山市良のうぃんどうず日記」のインデックス

山市良のうぃんどうず日記

「新規作成」メニューから「テキスト ドキュメント」が突然消失!?

 筆者が使用している「Windows 11」で、「新規作成」メニューから「テキスト ドキュメント」が消えたのがいつからなのかはっきりしていません。日常的に使用していたメニューなので、少なくとも気が付いた前日までは使えていたと思いますが、それが消えてしまいました(画面1)。

画面1 画面1 「新規作成」コンテキストメニューの一覧にあるはずの「テキスト ドキュメント」が存在しない

 インターネットで調べてみると、Windows 11を利用していると高確率で遭遇する不具合の一つ(※本稿を最後まで読んでいただけると“不具合”は言い過ぎかもしれませんが……)のようで、民間療法的なものを含む解決策が幾つか見つかります。例えば、以下のような解決策です。

  • 「システムのプロパティ」の「システムの保護」から「システムの復元」を実行する
  • システムイメージのバックアップがある場合は「Windows回復環境(Windows Recovery Environment:WinRE)」で起動し、「イメージでシステムを回復」を実行して以前の状態に戻す
  • 「HKEY_CLASSES_ROOT\.txt」レジストリキー下にあるキーを作成し、ある値を作成する(この方法は本稿の問題解決策としては正しいと思えないので詳細は省略)
  • あるユーザーが個人で作成、公開しているコンテキストメニューをリストアするレジストリファイル(.reg)を、ダウンロードして実行する(この方法も本稿の問題解決策としては正しいと思えないので詳細は省略)
  • 「メモ帳」アプリをアンインストールし、「Microsoft Store」から「Windows Notepad」をインストールし直してPCを再起動する

 最後の解決策が、最も簡単そうです。試す価値のあるものと思い、「設定」アプリの「アプリ\インストールされているアプリ」の一覧から「メモ帳」を選択して「アンインストール」を実行しました。その後、「Microsoft Store」アプリで「Windows Notepad」を検索し、「入手」をクリックしてメモ帳をインストールしてからPCを再起動してみました(画面2画面3)。

画面2 画面2 「設定」アプリの「アプリ\インストールされているアプリ」を開き、「メモ帳」をアンインストール
画面3 画面3 「Microsoft Store」アプリから「Windows Notepad」(メモ帳)をインストールし、その後、PCを再起動した

 確かに、この方法で「テキスト ドキュメント」コンテキストメニューを復活させることができました(画面4)。しかし、もっと簡単な方法はないものでしょうか。

画面4 画面4 「メモ帳」アプリをインストールし直し、PCを再起動すると、「新規作成」→「テキスト ドキュメント」コンテキストメニューが再び利用可能になった

「テキスト ドキュメント」コンテキストメニュー消失の瞬間に遭遇して分かった、もっと簡単な解決策

 他のWindows 11 PC/仮想マシンはどうなのかと数台を調べてみたところ、「新規作成」コンテキストメニューから「テキスト ドキュメント」が消えているものはありませんでした。

 起動ついでに、「Microsoft Edge」を最新バージョンに更新し、モダン(ストア)アプリも最新にしておこうと、「Microsoft Store」の「ライブラリ」を開いて更新を確認したところ、ちょうどそのタイミングで「Windows Notepad」の更新バージョンのダウンロードとインストールが始まりました。

 そして、インストール完了後、Windows Notepadのダウンロード/インストール中は存在していた「新規作成」コンテキストメニューから「テキスト ドキュメント」が消えてしまったのです。試しに、Windows 11にサインインし直してみると(サインアウト/サインイン)、「新規作成」コンテキストメニューに「テキスト ドキュメント」が再び表示されました(画面5〜7)。

画面5 画面5 「Windows Notepad」のダウンロードとインストール中までは、「新規作成」→「テキスト ドキュメント」コンテキストメニューが存在していた
画面6 画面6 「Windows Notepad」のインストール直後に、「新規作成」→「テキスト ドキュメント」コンテキストメニューが消えた
画面7 画面7 単に、Windowsからサインアウト/サインインするか、PCを再起動すれば、「新規作成」→「テキスト ドキュメント」コンテキストメニューが復活する

 つまり、メモ帳(Windows Notepad)の更新バージョンがインストールされると、一時的に(そのサインインセッションでは)、「新規作成」コンテキストメニューから「テキスト ドキュメント」が消えることがあり、Windowsからサインアウト/サインインするか、PCを再起動すれば元の正常なメニューに戻るようなのです。

 複数のWindows 11環境で同様の挙動を確認したので、「新規作成」コンテキストメニューから「テキスト ドキュメント」が一時的に消えるのは“仕様”なのかもしれません。ただし、メモ帳の更新バージョンをインストールするたびに必ずこの状況になるのかどうかというと、そこまでは断定できません。

 最初に「新規作成」コンテキストメニューから「テキスト ドキュメント」が消えた筆者のWindows 11 PCは、数日前に「Windows Update」のための再起動後、休止状態/再開で利用し続けています。そのため、その後、メモ帳の更新バージョンがインストールされてから、一度もサインアウトや再起動せずに使用していたことになり、「テキスト ドキュメント」コンテキストメニューが消えた状態が続いたというわけです。筆者と同じように、日常的に休止状態やスリープを使ってPCを使用している人は注意してください。

 Windows 11でこのような現象が発生するようになったのは、「Windows 10」まではシステムコンポーネントの一部(デスクトップアプリとしてのNotepad.exe)だったものが、Windows 11でモダンアプリ化された影響と思われます。

 Windowsのシェル(Explorer.exe)やモダンアプリで何かおかしいことに遭遇したときは、焦って余計なことをする前に、サインアウト/サインインやPCの再起動を試した方が早く解決するかもしれません。冒頭に紹介した解決策は、たとえ解決できたとしても、どれもやり過ぎです。もちろん、まったく別の不具合でコンテキストメニューがおかしくなることもあるかもしれません。サインアウト/サインインやPCの再起動で解決できなかったら、そのときに別の方法を試してみればいいのです。

 聞くところによると、Microsoftはメモ帳にもAI(人工知能)機能を搭載しようとしているようです。しかし、メモ帳のような基本的なツールは“いつでも、どこでも、確実に使える”ように、徹底してシンプルにしてほしいものです。WinREでは今でも使える“旧メモ帳”やUNIX/Linuxの「vi」のように……。それが個人的な願いです。

筆者紹介

山市 良(やまいち りょう)

岩手県花巻市在住。Microsoft MVP 2008 to 2024(Cloud and Datacenter Management)。SIer、IT出版社、中堅企業のシステム管理者を経て、フリーのテクニカルライターに。Microsoft製品、テクノロジーを中心に、IT雑誌、Webサイトへの記事の寄稿、ドキュメント作成、事例取材などを手掛ける。個人ブログは『山市良のえぬなんとかわーるど』。近著は『Windows版Docker&Windowsコンテナーテクノロジ入門』(日経BP社)、『ITプロフェッショナル向けWindowsトラブル解決 コマンド&テクニック集』(日経BP社)。


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

スポンサーからのお知らせPR

注目のテーマ

Microsoft & Windows最前線2025
AI for エンジニアリング
ローコード/ノーコード セントラル by @IT - ITエンジニアがビジネスの中心で活躍する組織へ
Cloud Native Central by @IT - スケーラブルな能力を組織に
システム開発ノウハウ 【発注ナビ】PR
あなたにおすすめの記事PR

RSSについて

アイティメディアIDについて

メールマガジン登録

@ITのメールマガジンは、 もちろん、すべて無料です。ぜひメールマガジンをご購読ください。