【悲報】AIに仕事を奪われた話を書いた連載、終わる勝手に時代の記録になってたの、ちょっとズルいわ

ネットを愛し、ネットに愛された女、岡田有花。かつて「IT戦士」と呼ばれたネットの申し子も、AIと時代の変化の前には敗北せざるを得なかったようです。

» 2026年03月24日 05時00分 公開

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編集部より、本稿の公開に当たって

進化する生成AIと、変わるエンジニアの仕事と役割

 2022年の「ChatGPT」登場から数年、生成AI(人工知能)は単なる「便利なツール」の域を脱し、エンジニアの業務基盤そのものを書き換え続けている。この数カ月を振り返るだけでも、その進化の速度はわれわれの想像を超えている。

 現在、AIは指示を待つ「アシスタント」から、自律的にタスクを定義し実行する「エージェント」へと進化を遂げつつある。これにより、エンジニアの役割は「コードを書くこと」から、「エージェントの行動ログを監査し、システム全体の整合性を保証すること」へのシフトが進んでいる

 開発スタイル自体も、人間が設計や評価といった上位工程を担い、その下で複数のAIエージェントを統制する「エージェンティックエンジニアリング」に変わっておくと言われている。

 実装の自動化が進んだ結果、人間には「ビジネス要求をいかに正確な論理構造へ落とし込むか」という、より高度な上流工程のスキルが求められるようになっている。もはや特定のプログラミング言語の習熟よりも、AIに対する「意図の伝達力」や「抽象化能力」こそが、開発効率を左右する決定的な因子に変わりつつあることは疑いようがない。

生成AIはどこまで人を模倣できるのか

 生成AIは日進月歩で発展している。では、従来の人の役割を書き換えてしまうほど“人の代替”となれるのなら、例えばネットコミュニティーのような「固有の文脈や空気感」を現時点でどこまで精緻に解釈、模倣できるのか。かつ過去の膨大なテキストから「文脈の変遷」をどう抽出、再構成できるのか。

 皆さんはAIチャットアプリ開発者の「さいぴ」(@_saip_)氏をご存じだろうか。AIの進化を目的に、さまざまな「人の行い」の再現に挑んでいる。中でも最近注目されたのは、「人類最後の日のなんJスレを再現してください」というプロンプトを生成AIに投げた結果だ。

 最新モデル「GPT-5.4」が再現したのは、人類最後の日なのにいつも通りに過ごす、力の抜けたなんJ民の姿であり、笑いの中に感動がある名作だった。

 今回の原稿は、さいぴ氏の手法にインスパイヤされた岡田氏が、「2022年からの連載ログ」を学習データとし、GPT-5.4に対して「なんJスレふうに総括せよ」というプロンプトを与えて出力し、少し手を加えたものだ。LLMの現時点での到達点を確認するケーススタディーとして見たとき、あなたは何を感じるだろうか。

 4年間にわたる連載ログを学習データとし、ネット特有の「空気感」という非定型なデータの再現に挑んだAI。その出力結果は、単なるテキストの模倣にとどまるのか、あるいはわれわれが歩んだ時代の本質を突きつけるものなのか。AIと人間、そしてネット文化が交差した「最後のスレ」を、ここに開示する。

「なんJスレ」スタイルで振り返る、「岡田有花のInnovation Insight」

1 風吹けば名無し
終わるんか

2 風吹けば名無し
あれAI連載やっけ

3 風吹けば名無し
違う
違うけど気付いたらAIの話ばっかになってた

4 風吹けば名無し
2022年開始やぞ
そらそうなるよ

5 風吹けば名無し
ノーテーマ連載、時代にテーマを与えられる

6 風吹けば名無し

7 風吹けば名無し
最初はもっと雑多やったよな
SNSとか検索とかスマホとか、ネット全般の話というか

8 風吹けば名無し
せや
「最近これ気になる」みたいな話を拾う連載やった

9 風吹けば名無し
それが途中から
画像生成AI! ChatGPT! AI検索! GPT-4!
ってなっていく

10 風吹けば名無し
【朗報】自由な連載
【悲報】2022年以降、AIの方から来る

11 風吹けば名無し
でもAIしか書いてなかったわけでもないんよな

12 風吹けば名無し
Threads」とか「mixi2」とか、SNSの居心地の話もあったし
学校とか家庭とか、生活の中のテクノロジーの話も多かった

13 風吹けば名無し
親のLINEの話とかあったよな
急に生活感が濃過ぎる

14 風吹けば名無し
学校のPCフリーズみたいな回もあったし
未来の話してるようで急に現場猫になる

15 風吹けば名無し
音声文字起こしAI
万能そうで使う場所によっては普通にダメ、みたいな話やったな

16 風吹けば名無し
スマートEXもそう
名前はスマートなのに、使う側は全然スマートじゃなくなる

17 風吹けば名無し
この連載、だいたい
「便利そう」から始まって
「でも実際使うとまあまあめんどい」で終わる

18 風吹けば名無し
身も蓋もなくて草

19 風吹けば名無し
Threadsの時も
新しいSNS来た! 平和な新天地か!
みたいな入りやったのに

20 風吹けば名無し
数レス後には
「でも使うの人間やしな」
に着地するいつもの流れ

21 風吹けば名無し
mixi2の時もそうや
懐かしいで終わらず
「今のネット民、何に疲れてるんや」になる

22 風吹けば名無し
つまり機能の話より
人間の話をしてるんよな

23 風吹けば名無し
それはAI回でも同じやった
AIそのものより、AI使ってる人間の方がだいたい面白い

24 風吹けば名無し
最初の頃は祭り感あったよな
画像生成AIで「うおおお未来来た」みたいな

25 風吹けば名無し
でもそのあと
「検索どうなる」
「仕事どうなる」
「先生代わりになるんか」
って、だんだん生活と労働の話になっていく

26 風吹けば名無し
ほんで後半になると
AIに暴言吐いてしまう
AIで恋活しても妙に虚無
とか、だいぶ湿度が上がる

27 風吹けば名無し
【朗報】AI、雑務は減らす
【悲報】面白さまでは増やしてくれない

28 風吹けば名無し
読後感ずっとそれやわ

29 風吹けば名無し
しかも終盤で
ライターの仕事がAIに置き換えられた
まで行くの、重過ぎる

30 風吹けば名無し
始まりはAI祭り
終盤はAIに仕事食われた話
きれいにつながり過ぎやろ

31 風吹けば名無し
しかもその揚げ句連載終了やからな
オチとして強過ぎる

32 風吹けば名無し
【悲報】ライターの仕事、AIに置き換えられる
【悲報】連載も終わる
【朗報】話としては完璧にまとまる

33 風吹けば名無し
草生えるけど生えない

34 風吹けば名無し
でもこの連載、そこで
「AI最高!」
にも
「もう終わりや!」
にも振り切らんのよな

35 風吹けば名無し
毎回ちょっと困った顔で終わる
そこが一貫してた

36 風吹けば名無し
要するに
AI連載というより
2022年以降の「AIに侵食されていく日常」の連載やったんやな

37 風吹けば名無し
SNS、学校、家庭、仕事、ネット文化
何の話してても、結局どっかでAIが割り込んでくる時代やったしな

38 風吹けば名無し
ノーテーマ連載やのに
時代のせいで勝手に時代の記録になってたの、ちょっとズルいわ

39 風吹けば名無し
【朗報】最後まで読むと最初のAI祭りから全部つながる
【悲報】連載終わる

40 岡田有花
ほな最終回やし言うわ
ノーテーマで始めたのに、時代のせいでだいたいAIの話になりました
最終回やし最後はAIに「なんJスレ風」と指定して書いてもらいました

41 風吹けば名無し
あかんやろ

42 風吹けば名無し
でもオチとしては100点や

生成AIに連載ログと指示を与え
やりとりを加えてチューニングしていった
生成AIに最後に投げた、悲しいプロンプト

便利さの先にある「人間の役割」や「表現の在り方」とは

 2022年に「ノーテーマ」で始まった本連載は、くしくも生成AIが社会を席巻していく激動の4年間と重なった。当初は「未来が来た」という純粋な期待感から始まった議論が、次第に「検索」「教育」「労働」といった実生活への浸食を経て、最終的に「ライターの仕事の代替」という冷徹な現実に着地したことは、一連の技術受容プロセスの貴重な記録と言えよう。

 「AIに書かせてみた」という岡田氏の最後の試みは、便利さの先にある「人間の役割」や「表現の在り方」をわれわれに突きつけている。AIと人間が混ざり合うこの不透明な時代の記録が、読者の今後の開発やキャリアにおける一つのインサイトとなれば幸いだ(編集担当 鈴木麻紀)。

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