前述にもありましたが、LDIFファイルは、LDAPエントリをテキスト形式で表現するためのフォーマットです。エントリのLDAPサーバへの登録や、エクスポートするのに利用します。Apache Directory Studioには、このLDIFファイルの編集をサポートする機能があります。
[ファイル]→[新規作成]→[LDIF File]からLDIFファイルを作成できます。作成したLDIFは[LDIF]エディタで編集できます。
[LDIF]エディタには、LDIFの属性の検証機能と属性の補完機能があります。LDIFをテキストエディタで編集すると、スペルミスにより、正しくLDIFを実行できないことが多々ありますが、Apache Directory Studioの[LDIF]エディタを利用すると、LDIFを効率よく作成できます(図10)。
ディレクトリ・スキーマは、LDAPサーバに登録するデータの種類を定義するファイルです。
[ウィンドウ]→[パースペクティブを開く]→[スキーマ・エディター]を選択し、[スキーマ・エディター]パースペクティブに切り替えます。
[ファイル]→[新規作成]→[New Schema Project]を選択します。次に表示されるダイアログで、インクルードするコアスキーマを選択します。コアスキーマとは、スキーマを作成するのにベースとなるスキーマで、ここでインポートしたスキーマに含まれるオブジェクトを拡張したユーザーを作成できます。
プロジェクトを作成した後は、左に表示された[スキーマ]ビュー上で、スキーマ、オブジェクト、属性の編集を行うことができます(図11)。
Apache LDAP Studioを利用してからは、筆者にとってLDAPを利用するときに欠かせないツールとなっています。LDAPサーバによってはGUIのツールが付属するものもありますが、Apache LDAP Studioを利用すると、LDAPサーバが変わっても同じユーザーインターフェイスで操作できるのがうれしいです。
特に、コマンドラインのインターフェイスのみのOpenLDAPを利用する際には、その便利さが実感できます。
また、今回紹介したApacheDSと組み合わせて利用すれば、LDAPのサーバ環境も簡単に構築できるので、初心者でも簡単にLDAPを試すことができます。LDAPを利用したことがある人もこれから利用しようという人もぜひ一度Apache LDAP Studioを利用してみてください。
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