開発者が知らないと残念過ぎるAndroid 4.1の新機能36選Androidで動く携帯Javaアプリ作成入門(33)(4/4 ページ)

» 2012年07月19日 00時00分 公開
[緒方聡,株式会社イーフロー]
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デバイス連携・アクセシビリティ・Webブラウザなど

【25】デバイス追加と削除の検知

 4.1では、USB、Bluetoothまたは他の接続タイプで新しい入力デバイスが接続された際に、アプリに通知を受けるように登録できます。開発者は必要に応じて、状態や機能を変更するために、この通知を利用できます。例えばゲームでは、新しいプレイヤーの存在を示すような、新しいキーボードやジョイスティックが接続された通知を受け取れます。

【26】入力デバイスの機能照会

 4.1では、アプリとゲームで利用可能な、接続済み入力デバイスを最大限に活用可能なAPIが含まれています。現在接続されている入力デバイスのすべてを列挙し、それぞれの機能を知るためにデバイスマネージャに照会できます。

【27】USBオーディオ

 USBオーディオ出力をサポートすることで、ハードウェアベンダは、オーディオドックなどのハードウェアを構築できます。この機能は、すべての開発者に独自のハードウェアを作成する機会を与えるために、「Accessory Development Kit(ADK)」で公開されています。

【28】アクセシビリティのための「ジェスチャーモード」

 4.1では、ユーザーは音声出力とタッチとスワイプのジェスチャを使用する「ジェスチャーモード」を利用してUIをナビゲート可能です。また、USBやBluetoothを介して外部点字入出力デバイスを有効にするためのアクセシビリティプラグインのサポートが追加されました。

 アクセシビリティのための新しいAPIでは、アクセシビリティのジェスチャ、アクセサリ、その他の入力を使用して、ナビゲーションボタンが画面上の要素を通過する際に、アクセシビリティのフォーカスを管理できます。

 画面読み上げ機能と「探索タッチモード」は、アクセシビリティのフォーカスを使用して簡単に使用できるように、APIが再設計されています。

 アクセシビリティのサービスは、ユーザーがそのサービスを構成して使用できるように、アクセシビリティの設定に独自のチュートリアルをリンクできます。

 標準のビューコンポーネントを使用するアプリは、コードを変更することなく、自動的に新しいユーザー補助機能のサポートを継承します。カスタムビューを使用するアプリは、アクセシビリティのサービスに関心のあるビューの部分を示すために、新しいアクセシビリティのノードAPIを使えます。

【29】インストール可能なユーザーキーマップ

 4.1では、デフォルトでDvorak配列を含む27の国際的なキーマップが含まれていますが、国際的なキーボードや特殊なレイアウトのキーマップを追加できます。

 ユーザーがキーボードを接続したとき、ユーザーは設定アプリに移動し、そのキーボードで使用する、1つまたは複数のキーマップを選択できます。ユーザーは入力時に、ショートカット([Ctrl]+[Space]キー)を使用してキーマップを切り替えられます。

 開発者は、システムに追加するキーマップを公開するアプリを作成できます。APKは標準のAndroidマップ形式に基づいて、その中にキーボードレイアウトリソースを含むことになります。そのマニフェストにACTION_QUERY_KEYBOARD_LAYOUTSに適したブロードキャストレシーバを宣言することにより、追加のキーボードレイアウトをアプリに提供できます。

【30】双方向テキストや国際化対応の更新

 4.1では、TextViewとEditTextで双方向テキストのサポートを通じ、より多くのユーザーにリーチするのに役立ちます。アラビア語とヘブライ語のロケールと関連付けられたフォントを利用できるようになりました。

 そのほか、新しい言語のサポートは以下の通りです。

  • 追加されたインド語派:カンナダ語、テルグ語、マラヤーラム語
  • Unicodeバージョン6.0から新しい絵文字
  • 日本ユーザーのためのより良いグリフのサポート(システム言語が日本語に設定されている場合、グリフの日本語固有のバージョンをレンダリングする)
  • アラビア語のTextViewとWebViewのために最適化されたグリフ
  • ルビの追加および縦書きテキストグリフを含むWebViewでの縦書きテキストのサポート
  • 利用可能になったすべてのフォントに対する合成文字

【31】高解像度の連絡先写真

 開発者は連絡先写真を720×720のサイズで保存でき、連絡先をより豊かで個性的にできます。保存または取得する連絡先の写真のサイズに、必要に応じて他のサイズも使用可能です。

 個々のデバイスでサポートされる最大写真サイズは異なるため、実行時にアプリが現在のデバイスの最大サイズをビルドインの連絡先プロバイダに照会する必要があります。

【32】HTML5対応が強化されたAndroidブラウザとWebView

 4.1では、AndroidブラウザとWebViewで以下の機能強化があります。

  • touch-to-play/pause、インラインからフルスクリーンモードへのスムーズな移行を含むHTML5の<video>タグ
  • スクロールとズームための、レンダリング速度とメモリ使用量の改善
  • HTML5/CSS3/Canvasアニメーションのパフォーマンス改善
  • テキスト入力の改善
  • JavaScriptエンジン(V8)のパフォーマンス改善
  • 更新されたHTML5メディアキャプチャ仕様のサポート(<input type=file>要素の"capture"属性)

【おまけ】開発者のためのGoogle Playの新機能

【33】アプリの暗号化

 4.1からGoogle Playは、アプリが配信されてデバイス上にインストールされる前に、デバイス固有のキーで、すべての有料アプリを暗号化します。アプリケーション資産を保護するのに役立ちます。

【34】差分だけダウンロード「スマートアプリアップデート」

 Google Playのスマートアプリアップデートは、デバイスにアプリのアップデートを提供する、より良い新機能です。開発者がアップデートを公開すると、Google Playは、アプリ全体ではなくAPKでもなく、差分だけをデバイスに提供します。

 これにより、ダウンロードするユーザーのデータ通信量、バッテリ使用量、帯域幅の節約につながり、更新が非常に軽量になります。完全なAPKのアップデートに比べて、平均して約3分の1のサイズで済みます。

【35】「Google Playサービス」(近日公開予定)

 Google Playサービスは、開発者がGoogle Playを介して配信するアプリにGoogle+などのサービスを認証・統合するのに役に立ちます。Google Playによって自動的にユーザーのデバイスに供給されるため、開発者に必要なのはわずかなクライアントのライブラリだけになります。

 開発者のアプリには、わずかなクライアントのライブラリしか含まれないため、ダウンロードサイズやストレージ使用量で大きな負荷にはならずにサービスを活用できます。

 また、Google Playは、開発者のアプリのアップデートなしで規則的なサービスのアップデートを配信予定です。

 Google Playサービスの詳細情報とAPIに関しては、Google Playサービスの開発者ページを参照してください。

【36】「Google Play」のレビューにコメント

 4.1発表前の機能追加ですが、6月21日に「Google Play」のアプリへのユーザーからのレビューにコメントを返す機能が発表されました。言われっぱなしだった開発者には、地味にうれしい機能かもしれませんね。


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