メールのやりとりが続いて引用文が長大になったときは「全文引用」と「コ●ー」のハイブリッドでスッキリさせよう。
※この連載は「メール文章力の基本」(日本実業出版社刊、藤田英時著)の第1章を、著者と出版社の許可の下、一部修正して転載するものです。
メールの返事を書く際に、元のメッセージを引用すると分かりやすくなります。全文引用と部分引用を使い分けると、効率的に伝わります。
全文引用は、企画案など互いに相談して作りあげていく過程を残したい場合や決定した進行スケジュールなどを確認する場合に有効です。
(前文省略)
開発スケジュールをお送りいただきありがとうございました。
以下のスケジュールを確認しました。
それで進めてください。よろしくお願いいたします。
(署名省略)
----- Original Message ----- ←全文引用
To: xxxxxx.xxx
(元のメッセージの引用)
度重なるやりとりで引用部分が長くなり、見にくくなることがあります。内容によっては、重要なポイントだけを残して他はカットしても構いません。カットした部分を、これまでの経緯として箇条書きで補足するのもいいでしょう。
質問に対しては、質問部分を引用してその下に答えを書くのが有効です。
アプリのアイコン見本が出来上がりました。
画像ファイル(jpg)を添付します。
A案とB案のどちらが良いでしょうか?
アプリのアイコン見本をお送りいただき、ありがとうございました。
>A案とB案のどちらが良いでしょうか? ←部分引用
B案の方が良いと思います。
部分引用を用いると対話をしているように分かりやすくなり、相手は自分がどんな質問をしたのかも確認したりその答えを読んだりできます。
「部分引用」に抵抗がある人もいるかもしれません。「全文引用」した方が記録に残って良いという人もいます。その場合は、全文を引用をした後に、質問部分だけをコピーして、その下に答えを書くという方法も有効です。
お世話になっております。
アプリのアイコン見本が出来上がりました。
画像ファイル(jpeg)を添付します。
A案とB案のどちらがよろしいでしょうか?
ご検討ください。
(署名省略)
アプリのアイコン見本をお送りいただき、ありがとうございました。
> A案とB案のどちらがよろしいでしょうか? ←質問部分をコピー
> ご検討ください。
B案の方が良いと思います。 ←質問の下に返事を書く
(署名省略)
----- Original Message ----- ←全文引用
> お世話になっております。
>
> アプリのアイコン見本が出来上がりました。
> 画像ファイル(jpeg)を添付します。
>
> A案とB案のどちらがよろしいでしょうか?
> ご検討ください。
引用文は変更しないのが原則です。元のメッセージに間違いがあった場合は、そのまま引用して確認するようにしましょう。
> 19日(木)の14時ではいかがでしょうか?
19日(金)の14時ですね。承知しました。
藤田英時著
日本実業出版社 1300円(税別)
仕事のできる人がやっている「短く」「分かりやすく」「見やすい」メールが書ける77のルールを「良い文例・悪い文例」を対比する構成で紹介する。
藤田英時
コンピューター、インターネット、英語を得意とするジャーナリスト、ライター。米国ベイラー大学でコミュニケーションを専攻後、西南学院大学文学部外国語学科英語専攻卒業。翻訳出版、書籍編集・執筆、マニュアル制作、プログラム開発、技術サポート、大学で情報処理の指導など、幅広く活躍中。
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