Windows 8.1の延長サポート期限の「2023年1月10日」まで、残りわずかとなりました。現在サポートされているWindowsを引き続き使用するには、Windows 10またはWindows 11への移行が必要です。
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「Windows 8.1」(画面1)は、「Windows 8」(2012年10月リリース)で大きく刷新されたユーザーインタフェース(UI)と機能に対するさまざまなフィードバックを受け、改良を加えたマイナーアップデートとして2013年10月にリリースされ、Windows 8ユーザーに対して無料提供されました。Windows 8から数えると、ちょうど10年が経過したWindows 8.1ですが、間もなく「2023年1月10日」に延長サポートの期限を迎えます(Windows 8は2016年1月に終了)。
OSのサポートライフサイクルが終了すると、技術サポートと更新プログラムが提供されなくなります。サポート終了日にリリースされる(日本時間では2023年1月11日にリリース)「2023年1月の品質更新プログラム」が、最後のセキュリティ更新プログラムになります(更新プログラムに重大な問題がない限り)。
Windows 8.1に対するセキュリティ更新は、残すところ後3回(2022年11月、2022年12月、2023年1月)です。その後もWindows 8.1を使用し続けることは、組織がセキュリティリスクにさらされたり、攻撃の結果として外部組織やユーザーにさらなるセキュリティリスクをもたらしたり、組織のコンプライアンス要件に影響を与えたりする可能性があります。
Windows 8.1は「Windows Defender」と「Internet Explorer(IE)」を標準搭載していますが、これらのコンポーネントのサポートもまた、OSのサポートライフサイクルと同時に終了します。「Microsoft 365 Apps」は、サポート終了と同時にシステム要件からWindows 8.1が除外されます。Windows 8.1では「Office 2013」および「Office 2016」が動作しますが、サポートはOSのライフサイクル期間中に限定されます。
Windowsクライアントを使用する組織が引き続きサポートされるWindowsを利用するための選択肢としては、以下のいずれかになります。
最新の「Windows 11」に移行するのが望ましいですが、Windows 8.1時代のPCがWindows 11の厳しいシステム要件を満たすことができるとは期待できません。「Windows 10」にアップグレードすることは可能ですが、既に無料アップグレードの特典は提供されていないため、OSライセンスを新規購入する必要があります。しかも、Windows 10のサポートライフサイクルは「2025年10月」に終了するため、3年以内にWindows 11へ移行する必要もあります。
Microsoftは「Windows 7」の延長サポート終了後、最大3年間、セキュリティ更新を受け取れる「拡張セキュリティ更新プログラム(Extended Security Updates、ESU)」を用意しました。Windows 7のESUは現在、最後の3年目(ESU Year 3)の期間にあり、その期限はWindows 8.1のサポート終了期限と同じ「2023年1月10日」に終了します。そして、MicrosoftはWindows 8.1に対してESUを提供しないことを明らかにしています(「Windows Server 2012/2012 R2」に対してはESUが用意されます)。
岩手県花巻市在住。Microsoft MVP 2008 to 2023(Cloud and Datacenter Management)。SIer、IT出版社、中堅企業のシステム管理者を経て、フリーのテクニカルライターに。Microsoft製品、テクノロジーを中心に、IT雑誌、Webサイトへの記事の寄稿、ドキュメント作成、事例取材などを手掛ける。個人ブログは『山市良のえぬなんとかわーるど』。近著は『Windows版Docker&Windowsコンテナーテクノロジ入門』(日経BP社)、『ITプロフェッショナル向けWindowsトラブル解決 コマンド&テクニック集』(日経BP社)。
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