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特定のディレクトリ間を素早く移動するには 北浦訓行 |
複数のディレクトリを交互に参照する必要のある作業は意外と多い。例えば、部内の共有ディレクトリ(/home/project/foo)にあるファイルを参照しながら、ホームディレクトリ(~/report/foo)で文章を作成するという作業を行う場合、一般的にはcdコマンドを使用する。しかし、cdコマンドの場合は、/home/project/fooに移動するときも、~/report/fooに戻るときも、再度「$ cd 移動するディレクトリ名」とキー入力しなければならない。ファイル名の補完機能(過去に実行したコマンドを再実行するには参照)を使えば、ある程度の手間は省けるが、面倒であることには変わりない。
そんなときは、pushd、popd、dirsの各コマンドを使用すると便利だ。カレントディレクトリが~/report/fooで、/home/project/fooに移動する場合は、
$ pushd /home/project/foo |
と入力して、[Enter]キーを押す。すると、/home/project/fooに移動し、上記の例にあるように、移動先のディレクトリと移動元のディレクトリが表示される。次に、~/report/fooに戻るときには、単にpushdコマンドを実行する。
$ pushd |
上記の例では、~/report/fooと/home/project/fooがディレクトリスタックに保存される。ディレクトリスタックを表示するには、dirsコマンドを実行する。
$ dirs |
ディレクトリスタックに保存されたディレクトリエントリを削除するには、popdコマンドを実行する。
$ popd |
上記の例では、カレントディレクトリが~/report/fooだったので、カレントディレクトリが/home/project/fooに移動して、ディレクトリスタックから~/report/fooが削除される。
ここで取り上げた例では、2つのディレクトリ間を移動しただけだが、3つ以上のディレクトリ間の移動も可能だ。その場合は、引数に+nを付ける。すると、n番目のディレクトリスタックが対象となる。
$ pushd ~/report/foo |
ちなみに、pwdはカレントディレクトリを表示するコマンドだ。
dirs、pushd、popd、pwdは、いずれもシェルの組み込みコマンドなので、manページを表示するには、
$ man bash |
を実行する。
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