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リンクを設定するには 北浦訓行 |
リンクとは、あるファイルやディレクトリに別の名前を付ける機能だ。Windowsのショートカットに似た機能といえる。リンクには、「ハードリンク」と「シンボリックリンク」の2種類ある。ハードリンクは、ファイルの実体に対して2つ以上の名前を付けることができる。シンボリックリンクは、ファイルの実体に対するファイル名は1つだけだが、そのファイルを参照するための別の名前を付けることができる。
ハードリンクは、異なるファイルシステム間でリンクできないなどの制限があるため、一般的にはほとんど使われることはなく、シンボリックリンクが使用される。
シンボリックリンク(以下リンク)によって、パスの通っていないディレクトリにある実行ファイルをパスの通っているディレクトリにリンクすると、パスの設定を変更することなく、そのプログラムを実行することができる。例えば、Acrobat Readerの実行ファイル(シェルスクリプト)はデフォルトでは/usr/local/Acrobat4/bin/acroreadになっているが、このディレクトリには当然ながらパスは通っていないので、コマンドラインから
$ acroread |
としても実行することはできない。しかし、/usr/local/Acrobat4/bin/acroreadを/usr/bin/acroreadにリンクすれば、/usr/binにはパスは通っているのでコマンドラインからacroreadを実行できるようになるわけだ。
リンクはlnコマンドで作成する。例えば、上記の例のように/usr/local/Acrobat4/bin/acroreadを/usr/bin/acroreadにリンクするには、以下のように行う(リンク元とリンク先の順番はcpコマンドなどと同じ)。
$ ln -s /usr/local/Acrobat4/bin/acroread /usr/bin/acroread |
-sオプションは、作成するリンクがシンボリックリンクであることを表す。
リンクは、ファイルおよびディレクトリに対して作成することができる。ファイルもしくはディレクトリがリンクかどうかを見分けるには、-lオプションを付けてlsコマンドを実行する。リンクの場合は、「->」という記号でリンク元のファイルもしくはディレクトリが表示される。
$ ls -l /usr/bin/acroread |
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