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PPPoEでインターネットに接続するには(CUI編) 北浦訓行 |
NTTのフレッツなどをはじめとするADSLやFTTHによるインターネット接続では、PPPoE(Point to Point Protocol over Ethernet)というプロトコルを使用してプロバイダに接続する。それを実現するのがPPPoEのクライアントソフトウェアで、Red Hat LinuxやTurbolinux、Vine Linuxなどの場合はRP-PPPoE(http://www.roaringpenguin.com/pppoe/)が採用されている。
最近では、ブロードバンドルータがPPPoEによる接続機能をサポートしているため、接続はルータに任せるケースが多いが、Linuxをルータ兼用にしたり、クライアントPCとしてADSLモデムやFTTHの回線終端装置にPCを直結する場合には、PPPoEクライアントによるダイヤルアップ接続が必要だ。ここではCUIでPPPoEを設定して、回線を接続する方法を紹介する。
注:LinuxをPPPoEクライアントでインターネットに直結する場合は、セキュリティの設定を十分に行わなければならない。インターネットへの接続設定を行う前に、使用しないポートはすべて閉じて、必要のないサービスは終了させておく(設定の途中でファイアウォールを設定するところはある)。設定法などについては、Linux Squareの連載「ゼロから始めるLinuxセキュリティ」などを参照するといいだろう。 |
最初に、PPPoEの設定を行う。設定にはadsl-setupコマンドを使用する。rootでログインして、adsl-setupコマンドを実行する。すると、ウェルカムメッセージに続いて、プロバイダから指定されたPPPoEのユーザー名を入力するためのプロンプトが表示される。入力の形式は、
ユーザーID@プロバイダのドメイン名 |
になる。プロバイダから「PPPログイン名」などのような名称で通知されているので、あらかじめ確認しておく。
# adsl-setup |
次に、PPPoEが接続するインターフェイスを指定する。インターネット回線とPCを直結する場合は「eth0」を入力するが、NICを2枚搭載してルータにしている場合は「eth1」などに変わることがある(構成によって異なる)。
INTERFACE |
次の設定は、アイドル時(通信していないとき)に回線を切断するかどうかの設定だ。例えば、仕事で常にPCを使用している場合やサーバを運用する場合は、常時接続されている必要がある。その場合は小文字で「no」と入力する。アイドル時に回線を切断するのであれば、その秒数を入力する。10分間通信がなかったら切断するのであれば「600」と入力すればいい。
Do you want the link to come up on demand, or stay up continuously? |
次に、DNSの設定を行う。DNSをプロバイダから自動的に取得する場合は「server」と入力する。プロバイダからDNSのIPアドレスを指定されている場合は、そのIPアドレスを入力する。IPアドレスを入力した場合は、続いてセカンダリDNSのプロンプトが表示されるので、セカンダリDNSのIPアドレスを入力する。
DNS |
続いて、プロバイダにPPPoE接続する際のパスワードを入力する。
PASSWORD |
最後に、ファイアウォールの設定を行う。用意されているオプションは「NONE」「STANDALONE」「MASQUERADE」の3つだ。「NONE」はファイアウォールの設定を行わず、すべてのパケットが通過する設定だ。「STANDALONE」は標準的なファイアウォールの設定が行われる。「MASQUERADE」はルータとして使用する場合に指定する。クライアントPCとして接続するのであれば「STANDALONE」を選択する。
なお、指定は数字で行う。「NONE」は「0」を、「STANDALONE」は「1」を、「MASQUERADE」は「2」を入力する。
FIREWALLING |
これまでに入力した設定が表示されるので、内容を確認する。設定内容が正しければ「y」を入力する。
** Summary of what you entered ** |
この後は、変更されたファイル名などのメッセージが表示されてrootのプロンプトに戻る。以上で、PPPoEの設定は終了だ。
続いて、NICの設定を行う。インターネットと直結する場合は、PPPoEクライアントが起動した時点でNICが停止しており、IPアドレスも割り振られていない状態になっていなければならない。そのために、/etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-eth0を以下のように変更する。
DEVICE=eth0 |
以上の設定がすべて終わったら、システムを再起動する。
回線に接続するときはadsl-startコマンド、回線を切断するときはadsl-stopコマンドを実行する。
# adsl-start ←回線に接続 |
ちなみに、PPPoEの接続状況を確認するには、adsl-statusコマンドを使用する。adsl-statusコマンドは、root以外のユーザーでも実行可能だ。
$ adsl-status |
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