Linux Tips

Sambaでごみ箱を使うには(Samba日本語版編)

北浦訓行
2003/6/5

 Sambaで共有しているディレクトリにあるファイルは、Windowsのエクスプローラで選択して[Delete]キーを押すと簡単に消去できる。だが、それを復活させることはできないため(運が良ければ削除したファイルを復活するにはで復活できる可能性はあるが)、何らかの安全対策を施しておきたい。

 日本Sambaユーザ会が日本語化を行ったSamba日本語版(2.2.2-ja-1.0以降)では、ごみ箱という機能をサポートしている。この機能を使えば、ファイルを削除してもあらかじめ指定しておいたディレクトリ(ごみ箱)に移動されるだけなので、後で元の状態に戻すことができる。ここでは、日本語版のSambaでごみ箱機能を使う方法を紹介する。

 Turbolinux 8 WorkstationとVine Linux 2.6は日本語版のSambaを採用しているため、設定は簡単だ。ただし、両者が採用しているSambaのバージョンが異なるため、少しだけ設定が異なる。

 Turbolinux 8 Workstationの場合、rootでログインしてテキストエディタで/etc/samba/smb.confを開く。そして、共有するディレクトリの設定を以下のように変更する(ここでは[PUBLIC]を例に説明)。

[PUBLIC]
        comment = Public Space for Everyone
        path = /var/samba/public
        writeable = Yes
        force create mode = 0666
        force directory mode = 0777
        guest only = Yes
        guest ok = Yes
        recycle bin = .recycle ←この行を追加

 変更を保存してエディタを終了したら、Sambaのサービスを再起動する。

# service smb restart

 以上で設定は終了だ。試しに、Windowsの[マイネットワーク]の[publinc]フォルダを開き、ファイルを削除してみよう。すると、自動的に/var/samba/publinc/.recycleというサブディレクトリが作成されて、削除したファイルがその中に移動する。

 Vine Linux 2.6では、最初に.recycleというごみ箱用のサブディレクトリを作成しておく必要がある。rootでログインして、以下のコマンドを実行する(ここでは[public]を例に説明)。

# mkdir /home/samba/public/.recycle ←.recycleディレクトリを作成
# chmod 777 /home/samba/public/.recycle ←.recycleを読み書き可にする

 そして、/etc/smb.confを以下のように変更する。

[public]
        comment = Public space; anyone can write any files.
        path = /home/samba/public
        guest ok = yes
        read only = no
        force group = public
        force create mode = 0664
        force directory mode = 0775
        recycle bin = .recycle ←この行を追加

 変更を保存してエディタを終了したら、Sambaのサービスを再起動する。

# service smb restart

 以上で設定は終了だ。試しに、Windowsの[マイネットワーク]の[public]フォルダを開き、ファイルをコピーして削除してみよう。すると、/home/samba/publinc/.recycleに削除したファイルが移動する。

 ちなみに、Turbolinux、Vine Linuxとも、同名のファイルを削除した場合は新しく削除されたファイルに「(Copy #?)」という文字が追加される。例えば、memo.txtというファイルを3回削除すると、.recycleディレクトリは以下のようになる。

$ ls | more
memo.txt ←最初に削除したファイル
memo.txt (Copy #1).txt ←2番目に削除したファイル
memo.txt (Copy #2).txt ←3番目に削除したファイル

 なお、.recycleディレクトリのファイルは自動的には削除されないため、cronなどで定期的に削除する必要がある(プログラムを定期的に実行するには参照)。

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