Linux Tips

WebDAVサーバを構築するには

北浦訓行
2005/3/3

 HTTPを拡張したWebDAVを利用することにより、HTTPと同じポートでファイル共有が可能になる。ここでは、Fedora Core 3(以下FC3)でWebDAVを使う設定を行う。

注:インターネットを経由してWebDAVでファイルを共有する場合、SSLによる暗号化が不可欠である。ここではSSLについての説明は省略する。

 まず、yumコマンドでシステムを最新の状態にする。Apacheがインストールされていない場合は、インストールする。

# yum -y update

 次に、WebDAVで共有するディレクトリを作成する。ここでは、/var/www/html/webdavとする。

# mkdir -p /var/www/html/webdav

 次に、作成したディレクトリのユーザー名とグループ名を「apache」に変更する。

# chown apache:apache /var/www/html/webdav

 FC3では、デフォルトでWebDAVを使用する設定(/etc/httpd/conf/httpd.confでmod_dav.soなどを読み込む)が行われているため、WebDAV自体の設定は必要ないが、公開するディレクトリに関する記述を/etc/httpd/conf/httpd.confに追加する必要がある。内容は、以下のようにする。

# for WebDAV
Alias   /webdav    "/var/www/html/webdav"
<Location /webdav>
        DAV on
</Location>

 以上で基本的な設定は終了だ。Apacheを再起動すると、WebDAVによるファイル共有が可能となる(WebDAVサーバにアクセスするには参照)。

# service httpd restart

 なお、確認した限りでは、FC3のWebDAVサーバに対してWindowsクライアントからファイルのコピーなどを行っても文字化けは発生しなかったが、Vine Linuxなど文字コードがEUCのクライアントからファイルやフォルダの作成を行うと、文字化けしてしまった。このような環境では、mod_encodingというモジュールをインストールする。

 mod_encodingのRPMが、http://yum.sera.desuyo.net/3/i386/で公開されている。原稿執筆時点では、mod_encoding-20040616-1.fc3.webdavjp.1.i386.rpm(編注)が最新だった。

編注:このRPMを提供されているKazuhiko Iwama氏によると、mod_encoding単体でも問題ないと思われるが、基本的にはhttpd、apr、apr-utilも併せてアップデートすることを前提にパッケージングしているとのことである。万が一うまく動かない場合は、ほかのパッケージ(上記URLに用意されている)もアップデートすると解決するかもしれない。

また、FC3でSELinuxを有効にしている場合、WebDAV用のパスを変更すると期待通りに動かない可能性があるという情報もいただいた。この点については、

http://www.sera.desuyo.net/WebDAV/selinux.html

が参考になるだろう。

情報をお寄せいただいたKazuhiko Iwama氏に感謝します。

 上記のRPMファイルをダウンロードして、

# rpm -ihv mod_encoding-20040616-1.fc3.webdavjp.1.i386.rpm

でインストールしてApacheを再起動すると、文字化けしなくなる。

編注:WebDAVについて、詳しくは、

 次世代プロトコルWebDAVの可能性
 WebDAV時代のセキュリティ対策
 Apache 2.0でWebDAV

を参照。

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