Linux Tips

LinuxでLDAPサーバを構築するには

北浦訓行
2006/6/29

 ここでは、Fedora Core 5(FC5)にOpenLDAPをインストールして、設定する方法を説明する。

編注:LDAPサーバの構築については、

「Linux管理者への道」 LDAPによるパスワードの一元管理
「Apache 2.0運用・管理術」 Apacheで作るファイルサーバ(LDAP認証編)

も参照。

 FC5の場合、OSのインストール時にデフォルトの[オフィスとプロダクティビティ]を選択すると、OpenLDAPのサーバはインストールされない。そのため、以下のコマンドでサーバをインストールする。

# yum install openldap-servers

 インストール作業が完了したら、slappasswdコマンドで暗号化パスワードを作成する。

# slappasswd
New password:
Re-enter new password:
{SSHA}v4zq+lbUEhnORE1PiWhVgHwUQQ0iLDgy ←暗号化されたパスワード

 使用されるハッシュは、デフォルトではSSHAだが、オプション指定により別のハッシュも使用可能だ。MD5を使う場合は、-h {MD5}というオプションを指定する。

 次に、管理者の設定やアクセス制限の設定を行う。/etc/openldap/slapd.confを以下のように変更する。

database        bdb
suffix          "dc=example,dc=com" ←データベース識別名
rootdn          "cn=Manager,dc=example,dc=com" ←管理者識別名
rootpw          {SSHA}v4zq+lbUEhnORE1PiWhVgHwUQQ0iLDgy ←管理者パスワード

 ここでは、データベースの識別名を一例として「dc=example,dc=com」としている。例えば、atmarkit.co.jpの場合は「dc=atmarkit,dc=co,dc=jp」となる。また、管理者の識別名「cn=Manager,dc=example,dc=com」は、example.comのManagerというユーザーIDの意味である。rootpwには、slappasswdコマンドで作成した暗号化されたパスワードをそのままコピー&ペーストする。

 次に、アクセス制限の設定を行う。以下は最小限の設定にすぎない。どのようなサービスを行うかによって、設定は変わってくる。詳細については、「OpenLDAP Software 2.3 Administrator's Guide」(http://www.openldap.org/doc/admin23/)などを参照していただきたい。

access to *
        by dn="cn=Manager,dc=example,dc=com" write
        by self write ←example.comのManagerに書き込みを許可
        by * read ←全ユーザーに読み出しを許可

 設定が完了したら、LDAPサーバを起動する。

# service ldap start

 システム起動時にLDAPを起動するためには、以下のコマンドを実行する。

# chkconfig ldap on

 以上で、OpenLDAPサーバの設定は完了だ。

 LDAPサーバは、「エントリ」という単位でデータを管理する。LDAPサーバの設定とデーモン起動だけでは、エントリは1つも作成されていない。実際に使用するためには、エントリの作成などが必要となる。

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