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明らかになった「Hyper-Vコンテナー」の正体(2)――コンテナーホストのセットアップ方法vNextに備えよ! 次期Windows Serverのココに注目(38)(2/2 ページ)

前回はWindows Serverコンテナーと比較しながら、Hyper-Vコンテナーの仕組みや管理方法について説明しました。今回は、Windows Server 2016 Technical Preview 4(TP4)をHyper-Vコンテナー対応のコンテナーホストとしてセットアップする方法について説明します。

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Nested Virtualizationを使えば、Hyper-Vコンテナーを仮想マシンのコンテナーホストで実行できる

 Hyper-Vコンテナーは、コンテナーの隔離にHyper-Vハイパーバイザーを利用するため、Hyper-Vに完全に依存しています。コンテナーホストを仮想マシンで実行する場合は、Windows Server 2016 TP4のHyper-V、または64bit版のWindows 10 バージョン1511(またはInsider Previewビルド10565以降)のクライアントHyper-Vの仮想マシンにWindows Server 2016 TP4をインストールして、仮想マシンを停止した状態で管理者として開いたWindows PowerShellで次のコマンドラインを実行します。これで、仮想マシンのNested Virtualizationが有効になり、Hyper-Vコンテナーをサポートできるようになります(画面3)。

1 wget https://raw.githubusercontent.com/Microsoft/Virtualization-Documentation/master/hyperv-tools/Nested/Enable-NestedVm.ps1 -OutFile ~/Enable-NestedVm.ps1

2 ~/Enable-NestedVm.ps1 -VmName "仮想マシン名"


画面3
画面3 Hyper-V仮想マシンで「Nested Virtualization」のサポートを有効にする

 Nested Virtualizationを有効にすると、仮想マシンのメモリ割り当てやネットワークアダプターの構成が必要に応じて変更されます(画面4)。

画面4
画面4 Hyper-V仮想マシン内でコンテナーホストを動かし、Hyper-Vコンテナーを作成、実行しているところ

 仮想マシンの動的メモリを無効にし、少なくとも4GB(推奨)のメモリを静的に割り当てること、ネットワークアダプターで「MACスプーフィング」を有効にすること、これらの設定を手動で行った上で、次のコマンドラインを実行することで、「Enable-NestedVm.ps1」スクリプトを使用せずにNested Virtualizationを有効化することができます。

Set-VMProcessor -VMName "仮想マシン名" -ExposeVirtualizationExtensions $true


 なお、Nested Virtualizationを有効にした仮想マシンでは、動的メモリの使用や仮想マシン実行中のチェックポイントの使用ができなくなるので注意してください。

インストール済みのNano Serverをコンテナーホストとしてセットアップする

 「Install-ContainerHost.ps1」スクリプトは、Windows Server 2016 Technical Preview 4のNano Serverをサポートしており、物理マシンまたは仮想マシンとしてインストール済みのNano Serverをコンテナーホストとしてセットアップすることができます(画面5画面6)。

画面5
画面5 Nested Virtualizationを有効にしたNano Server仮想マシンをHyper-Vコンテナー対応のコンテナーホストとしてセットアップしているところ
画面6
画面6 仮想マシンとして動作するNano Serverをコンテナーホストとして、Hyper-Vコンテナーを作成、実行しているところ

 ただし、Nano Serverで「Install-ContainerHost.ps1」を実行する前には、Nano ServerにHyper-Vの役割(Microsoft-NanoServer-Compute-Package.cab)とContainersの機能(Microsoft-NanoServer-Containers-Package.cab)、ReverseForwardersの機能(Microsoft-OneCore-SReverseForwarders-Package.cab)のパッケージを事前に組み込んでおく必要があります。

 また、Nano ServerをWindows Server 2016 TP4のインストールメディアのイメージおよびパッケージ(\NanoServer\NanoServer.wimイメージおよび\NanoServer\Packagesのパッケージ)を使用して準備する必要があるなど、いくつか注意点があります。筆者が試行錯誤して成功した方法を以下の個人ブログにまとめてありますので、参考にしてください。

「vNextに備えよ! 次期Windows Serverのココに注目」バックナンバー

筆者紹介

山市 良(やまいち りょう)

岩手県花巻市在住。Microsoft MVP:Cloud and Datacenter Management(Oct 2008 - Sep 2016)。SIer、IT出版社、中堅企業のシステム管理者を経て、フリーのテクニカルライターに。マイクロソフト製品、テクノロジを中心に、IT雑誌、Webサイトへの記事の寄稿、ドキュメント作成、事例取材などを手がける。個人ブログは『山市良のえぬなんとかわーるど』。


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