調査会社ABI Researchは、RISC-Vの市場動向分析レポートを公開した。エッジAIワークロードの増加に伴い、2030年までにRISC-Vの出荷個数が1億2900万個に達すると予測している。
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調査会社ABI Researchは2024年2月14日(米国時間)、RISC-VアーキテクチャがエッジAI(人工知能)ワークロードに対応し始めており、この傾向は今後10年続くとの予測を発表した。RISC-Vの出荷個数は2030年までに1億2900万個に達するとしている。
これらの予測は、ABI Researchによるレポート「RISC-V for Edge AI Applications」に基づくものだ。同レポートは、広範な一次インタビューを通じて、RISC-Vの市場動向などを分析している。
ABI Researchのインダストリーアナリストであるポール・シェル氏は「RISC-Vは、特定のワークロードに対応できる柔軟性とスケーラビリティを備えており、その魅力を高めている。RISC-V Internationalはエコシステムを熱心に推進、育成しており、Google、MediaTek、Intelなどの業界リーダーとの協業によるソフトウェア開発プロジェクト(RISE)を進めている段階だ」と述べている。
ABI Researchは、RISC-Vの需要が高まる理由として次の2つを挙げている。
ABI Researchによると、Axelera AIやTenstorrentのようなスタートアップが、要件の厳しいAI推論ワークロードに対応するため、RISC-Vを採用している。QualcommやMicrochip Technologyなどの大手企業も、RISC-Vプロセッサの開発に関心を示しているという。
シェル氏は「GoogleがAndroidでRISC-Vをサポートし、Intelなどの大手企業がRISC-V Internationalのワーキンググループに参加しているのは、業界全体による長期的なコミットメントを示している。一方、RISC-Vエコシステムは、他のオープンソースプロジェクトに見られるような統一された管理やガバナンス構造を持っていない。このことが組み込みシステムでの採用を妨げる可能性がある。それでも、RISC-Vの市場シェアが増加している現状を鑑みれば、OEM(Original Equipment Manufacturer)やハードウェアベンダーは、RISC-Vの発展に注目すべきだ。Armなど既存のアーキテクチャを置き換える可能性もあるだろう」と結論付けている。
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