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LinuxでWindows用無線LANドライバを利用するには 北浦訓行 |
多くの無線LAN PCカードには、Linux用のドライバがない。制御チップの仕様は公開されないため、第三者がドライバの開発を行うのも難しい。このような状況を打破すべく開発が進められているのが、NdisWrapper(http://ndiswrapper.sourceforge.net/)だ。
NdisWrapperは、Windows用の無線LANドライバをLinuxで利用できるようにするためのソフトウェアである。原稿執筆時点では、NdisWrapper 1.2が公開されている。すべての無線LAN PCカードがNdisWrapperで動作するわけではないが、挑戦してみる価値はあるだろう。「NdisWrapperのWiki」(http://ndiswrapper.sourceforge.net/wiki/)や「無線LAN動作報告」(http://kmuto.jp/open.cgi?%cc%b5%c0%feLAN%c6%b0%ba%ee%be%f5%b6%b7)には、NdisWrapperの動作報告が掲載されている。
ここでは、アイ・オー・データ機器のIEEE802.11b対応PCカード「WN-B11/CBL」をNdisWrapperで動作させてみる。
最初に、WN-B11/CBLをPCカードスロットに差し込み、認識されるかどうかを確認する。
# lspci |
次に、http://sourceforge.net/projects/ndiswrapper/からNdisWrapperのtarボールをダウンロードして、インストールする。
$ tar zxf ndiswrapper-.12.tar.gz |
NdisWrapperをインストールしたら、Windows用のドライバをインストールする。ここでは、アイ・オー・データ機器のWebサイトからダウンロードした最新版のWindows XP用ドライバを使用する。lhaコマンドで自己展開方式のEXEファイルを展開し、ndiswrapperコマンドでWindowsのINFファイルを指定してインストールする。
# lha x wb11cbl104.exe |
以上で、Windows用のドライバがインストールされたはずだ。-lオプションを付けてndiswrapperコマンドを実行すると、インストール状況が表示される。
# ndiswrapper -l |
次に、modprobeコマンドでNdisWrapperのカーネルモジュールを読み込む。
# modprobe ndiswrapper |
注:128ビットのWEPでは、文字列の場合13文字の暗号化キーを設定する。NdisWrapperでWEPキーを設定する際、14文字以上の入力するとカーネルがハングアップするので注意が必要だ。 |
以上の設定で、ネットワークへのアクセスが可能になるはずだ。動作を確認したら、以下のコマンドを実行する。すると、/etc/modprobe.confに設定が追加されて、システム起動時にNdisWrapperのモジュールが自動的に読み込まれるようになる。
# ndiswrapper -m |
ネットワークへのアクセスが可能になったら、無線LANの設定を再起動時も有効にするにはの手順で、再起動時にも無線LANが有効になるように設定する。
なお、筆者の環境では[ワイヤレス接続を設定]画面で[モード]を[Auto]にして、[チャンネル]をアクセスポイントと同じチャンネル数にしないと通信できなかった。
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