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@IT広告特集企画 収益増大のためのCRM戦略(3) 小山健治 2001/12/25
企業と顧客がコンタクトするためのチャネルとして、前回「顧客満足度を向上させたい」ではコールセンターを取りあげたが、その中でも特に重要な鍵を握りつつあるのが電子メールやWebである。 中でも、電子メールをうまく使えば、電話や郵便物といった既存のメディアに比べて、はるかに低コストで顧客をサポートし、効率的なダイレクト・マーケティングを実施することが可能だ。効果を最大化するために、顧客を的確にターゲティングし、パーソナライズしたサービスを提供するための支援システムが登場している。
CRMにおける電子メールの活用についても、インバウンドとアウトバウンドの2つの観点からシステムを整備していく必要がある。 まずはインバウンドへの取り組みであるが、電子メールは一般的なコミュニケーション手段として広く定着してきている。実際、多くの企業が顧客からの問い合わせ窓口として、専用の電子メールアドレスを公開している。 ただし、単に電子メールによる問い合わせ専用の窓口を用意するだけでは不十分である。肝心なのは、電子メールというコミュニケーション・ツールを効果的に運用する体制をどのように築くかということなのだ。電子メールのレスポンスに要する時間に着目してみると、顧客からの問い合わせに「5日以内で回答できている」という企業は半分にも満たないという調査結果もあるという。 こうした中途半端な対応では、電子メールがもつ利便性が生かされないばかりか、企業そのもののブランドイメージの低下や顧客満足度の低下、受注機会の喪失、サポートコストの増大など、かえって弊害を生む恐れさえある。 そこで導入を検討したいのが、CRMの根幹をなす、効果的な顧客対応を目的とした電子メール管理システムである。例えば、この分野の有力ソフトの1つであるイーゲイン・ジャパンの「eGain Mail」は、問い合わせ窓口をパンク状態にしてしまっている大量のメールに対して、一次的な処理するとともに、スピーディな対応を実現させるべく、以下のような機能を提供している。
もちろん、単に電子メールの処理件数を上げ、レスポンスを向上することだけがeGain Mailをはじめとする電子メール管理システムの狙いではない。こうしたツールをCRMと連携することにより、電子メールのやりとりを顧客対応履歴として管理することが可能となる。 例えば「先ほどの件」といった形で問い合わせを受けても、それが何を意味するのかをオペレーターは簡単に把握することができるようになる。こうしたきめ細やかな対応により、顧客の満足度は確実に高まるのだ。
電子メールがより絶大な効果を発揮するのが、アウトバウンドでの適用である。電子メールによるダイレクトなアプローチは、低コストかつ短期間に、大量の顧客に対してキャンペーンを展開することを可能とする。 ただし、この場合にも、単に大量の顧客に対して電子メールを送ればいいと安易に考えるのは大きな失敗の元となる。良い商品やサービスを提供すれば、顧客は自然に集まってくるという時代はすでに遠く過ぎ去っており、店舗やECサイトへの顧客の再来を促し、商品情報を“適切なタイミング”かつ“適切な内容”でプッシュするといった継続的なアプローチが欠かせなくなっている。 収益に結びつく長期的な顧客関係を作るという目的からすれば、双方向のやりとりが可能であるとともに、パーソナルであるという特性をもつ電子メールは非常に強力なマーケティングツールとなりえる。ところが、いまだに多くの電子メールマーケティングにおいて、顧客の満足度を高めるどころか、むしろ逆の結果を招いているケースが珍しくない。 スパムと呼ばれる、繰り返し送られてくる受け手にとっては無意味なメール、チェーンメールと呼ばれる、本当は必要でないはずの迷惑メールに加えて、最近ではウイルス付きのメールなども氾濫している。そうした中で、顧客は送られてくる大量のメールにうんざりしているのだ。 興味のない情報がどれだけ送られてきても顧客は読まないし、読まないどころか、それが度重なると受信を拒否しかねない。しかも、最近ではセキュリティに敏感になった顧客であればあるほど、待ち望んでいないメールの送り手に対して不信感をつのらせているのだ。そうなったら企業にとっては致命傷である。顧客はいったん離れた企業にはなかなか戻ってきてはくれない。
電子メールマーケティングを成功に導くための鍵は、「いつ、誰に、何を」送信するのか、プランニングとターゲットの設定にあることを肝に銘じておかねばならない。こうした観点から、さまざまなソリューションを提供する電子メール管理システムが登場してきている。 一例をあげると、アイティフォーの「WebImpassion」は、データベースに蓄積された顧客のプロファイルをもとに、AI(人工知能)技術を使って嗜好を類推し、1人1人に興味のあるメールコンテンツを組み立てて配信する。このAI技術の最大の特徴は、変化に対する柔軟性だ。仮に冷蔵庫を探していた人が冷蔵庫を購入してしまうと、もう冷蔵庫は探さなくなるわけだが、そうした場合には、古いクリック履歴を「忘れる」ことによって、顧客の興味の変化に対応するのである。 また、一度送った電子メールに対する顧客からの反応や、ECサイトを訪れてページをクリックした結果などを分析し、次回のメール配信に反映するというサイクルを繰り返すことにより、メールマーケティングの精度を増し、企業に対する信頼を勝ち得て、最終的にはキャンペーン効率を向上させることができる。 新商品の案内といったベーシックな情報提供から、非常に複雑なマルチステップのプロモーション、クロスセリングを狙いとしたキャンペーン展開まで、一口に電子メールマーケティング、Webマーケティングといっても、その範囲や目的、実施レベルは大きく異なるだろう。 しかし、いずれの場合においても、顧客ごとに適切な情報提供を可能にする、信頼感に基づいた顧客とのワン・ツー・ワンのコミュニケーション基盤を確立してはじめて、キャンペーン効率がアップし、eCRMと呼ばれる効果的な電子メールやWebを用いたマーケティングの成功が得られるのである。 <主要なeCRMソリューション>
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