以前から注目のキーワードだった「IoT(Internet of Things:もののインターネット)」ですが、今年もIoTについてさまざまな動きがありました。
7月にはマイクロソフトが「Windows 10 IoT Core」を、9月にはソラコムが「SORACOM Air」を、10月にはAWSが「AWS IoT」を、11月にはウィンドリバーがIoT向けプラットフォームの拡充を、12月には米EverySenseが「IoTデータ交換取引所」をそれぞれ、発表/提供開始しています。
SORACOM AirはNTTドコモの通信網とレイヤー2接続した、クラウドベースのMVNO(記事「IoTエコシステムのハブを目指す:SORACOMの、IoTプラットフォームサービスとしてのインパクト」より引用)
re:Invent 2015で限定的に配布された「AWS IoT Button」(記事『デバイスとサービス間の分離が特徴:スケールするIoTの迅速な展開を可能にする「AWS IoT」とは何か』より引用)これらのツールを活用することで、IoTを生かしたサービス/アプリを作るハードルが下がってきたように思います。一方で、実際に作るとなると、デバイスやセンサーから取得したデータを解析し、その結果を次のサービス/アプリ開発に生かしてこそ、IoTの意義があるように思います。@ITでは、そこに注目し11月から特集『IoT時代のビジネス&IT戦略〜「チャンス」にするか、「リスク」になるか、いま決断のとき』を展開していますので、参考にしてみてください。
また、下記のように事例なども出てきているので、これらを参考に開発者/プログラマーとして、IoTにどのように関われるかを考えて、実際に何かを作ってみてはいかがでしょうか。2016年も引き続きIoTが注目されることは間違いないでしょう。
IoTに関連して注目なのが、「空の産業革命」といわれ、今年の流行語大賞候補にもなった「ドローン」。4月に起きた「首相官邸無人機落下事件」によって一躍有名になってしまい、規制の対象として議論が起こるようになりましたが、もともと農業や測量、配達など産業用途での活用が見込まれています。
Androidベースでドローンアプリが作れるDronekitやWindows 10 IoT CoreとMicrosoft Azureを組み合わせた新たなドローン開発プラットフォームなどがあり、2016年以降、開発者としてもドローンを活用したサービス/アプリ開発の機会が増えるかもしれません。
3DロボティクスのクアッドコプターにもEdison(記事「ブームから実装アイデア勝負へ:Intel Edison国内発売直前! クラウド学習サービス連携IoTサービス開発スターターキットの中身とは?」より)
ゼンリン製のUnity用3D都市モデルアセットの一つ「Japanese Oraku City」内で、Surfaceを使ってドローンの自動航行シミュレーションを行うデモ(鈴木さん撮影)(記事『Windows 10、Drone、Bridge、Office 365 API、MSのいろんな「本気」をリアルに感じた2日間――学生リポーター隊が見た「de:code 2015」』より引用)
Windows 10 IoTとMicrosoft Azureを組み合わせたドローン開発プラットフォームの概要と適用領域例(出典:ドローンワークス)(記事「画像処理や機械学習も簡単に:Windows系ITエンジニアのための産業用ドローン開発環境」より引用)さまざまな分野で活用が期待されるIoTですが、ヘルスケアや医療もその一つです。米アップルは、4月14日に医療の研究調査用に設計されたソフトウエアフレームワーク「ResearchKit」を研究者や開発者向けに提供開始したと発表しました。生態データを使ったIoTの一つの形として注目し、@ITでも記事で取り上げました。
これに関連し、「ヘルスケアだけで終わらせない医療IT」という特集を6月から展開し、開発者が医療に貢献する道を探りました。ポイントは「医療向けのOSSもあること」「手を組める医師を探すこと」「ビッグデータ/クラウドの活用」にあると思います。2016年以降もITが医療に貢献する場面は増えると思いますので、ご参考に。
ResearchKitの日本語ページより引用(記事『iOS以外でも使えるか?日本ではどうだ?:アップルがGitHubに公開した医療の研究調査用OSSフレームワーク「ResearchKit」の基礎知識』より引用)
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