グローバルに活躍するエンジニアを紹介する本連載。今回はパーソルエクセルHRパートナーズで自動車関連ソフトウェア開発に関わるNguyen Le Phu Vinh(グエン レー フー ヴィン)さんにお話を伺う。家の中が大好きな少年がエンジニアを目指すきっかけになった、意外な日本のアニメとは。
国境を越えて活躍するエンジニアにお話を伺う「Go Global!」シリーズ。今回はパーソルエクセルHRパートナーズのソフトウェアエンジニアであるNguyen Le Phu Vinh(グエン レー フー ヴィン)さんにお話を伺った。最初は漫画家になりたかったというヴィンさん。その夢は自身の成長や、現実との折り合いを経て、ロボット制作者、ITエンジニアと変遷していく。
聞き手は、AppleやDisneyなどの外資系企業でマーケティングを担当し、グローバルでのビジネス展開に深い知見を持つ阿部川“Go”久広。
阿部川 “Go”久広(以降、阿部川) 生まれはベトナムのPhan Thiet(ファンティエット)ですね。どんなところですか。
Nguyen Le Phu Vinh(グエン レー フー ヴィン、以下ヴィンさん) ファンティエットはベトナム南部、ビントゥアン省の省都です。リゾート地としてとても有名な観光地で、ホーチミンから200キロぐらい離れています。地元の人は誠実で、主に漁業で生計を立てています。だから、日本で“すし”を食べると、故郷を思い出します。
阿部川 そうですか。でも、ベトナムでは生の魚を食べることはなかったですよね。最初はびっくりしませんでしたか。
ヴィンさん 初めはちょっと怖かったです(笑)。でも、食べてみたら甘い感じがしたので、今では大好きになりました。
阿部川 そう言っていただくとうれしいですね。子どもの頃の話を教えてください。海が近い場所で過ごしていたと思うのですが、遊びといえば海で泳ぐとか魚を捕るとか、そういった感じだったのですか。
ヴィンさん いいえ、子どもの頃は内向的で、家でゲームをしたり漫画やテレビを見たりしていることが多かったです。
阿部川 その中には日本のものもありましたか。
ヴィンさん はい。1番好きな漫画は「ドラゴンボール」です。それに「クロスファイト ビーダマン」というアニメも大好きでした。このアニメは、ロボットをだんだん改善しつつ、他の人と競争してチャンピオンを目指すと、いったものです。エンジニアになったのは、この2つの作品からインスピレーションを得たおかげだと思っています。
GoGlobalでは、日本のアニメになじみのある海外のエンジニアが多い印象です。大体が「ドラえもん」「NARUTO」「ドラゴンボール」あたりを通っているのですが、“クロスファイト ビーダマン”は(GoGlobalの中で)初めて聞いたタイトルです。考えてみれば当たり前ですが、海外でも世代によって見る日本のアニメも違うことが興味深かったです。
阿部川 それがもしなかったら、エンジニアになってなかったということですね。すごい影響力です。他に好きな番組はありましたか。
ヴィンさん 動物の世界を扱ったものをよく見ていました。動物が好きで、犬や猫も好きですが、今はウサギです。部屋に放し飼いにしているので、よくテーブルとかかじっちゃって、ちょっと大変です。家に帰ったら一緒に遊んでいるんですよ。
阿部川 それはいいですね。家の中で過ごすことが多かったようですが、学校での部活動などスポーツをする機会はなかったのですか?
ヴィンさん そうですね、部活動はありましたけど参加したくなくて……。その代わり、子どもの頃から「頭の中で質問をする」ということをよくしていました。要するに自問自答です。例えば「なぜ犬はわんわんと鳴くのか」など。大人になってから、それは変なことではなくて、逆に良いことだと思うようになりました。今も「なぜ」という質問をよくしています。
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