以下のような端末があったと仮定します。
言語・地域 | en-GB |
---|---|
画面の向き | port |
タッチスクリーンタイプ | notouch |
主要なテキスト入力方法 | 12key |
表2 ある端末の仕様 |
そして、以下のようなリソースが用意されていたとします。
MyApp/res/drawable/ MyApp/res/drawable-en/ MyApp/res/drawable-fr-rCA/ MyApp/res/drawable-en-port/ MyApp/res/drawable-en-notouch-12key/ MyApp/res/drawable-port-92dpi/ MyApp/res/drawable-port-notouch-12key
最初のステップで、MyApp/res/drawable-fr-rCA/は言語が違うので除外されます。
MyApp/res/drawable/ MyApp/res/drawable-en/ MyApp/res/drawable-fr-rCA/ MyApp/res/drawable-en-port/ MyApp/res/drawable-en-notouch-12key/ MyApp/res/drawable-port-92dpi/ MyApp/res/drawable-port-notouch-12key
次に、端末は108dpiなので、92dpiが指定されているMyApp/res/drawable-port-92dpi/が除外されます。
MyApp/res/drawable/ MyApp/res/drawable-en/ MyApp/res/drawable-en-port/ MyApp/res/drawable-en-notouch-12key/ MyApp/res/drawable-port-92dpi/ MyApp/res/drawable-port-notouch-12key
残ったものは、すべて一応使えることになりますが、優先順位で並べ替えられ、最も優先順位の高いものが使用されます。
MyApp/res/drawable-en-port/ ← 2と3
MyApp/res/drawable-en-notouch-12key/ ← 2と5と7
MyApp/res/drawable-en/ ← 2
MyApp/res/drawable-port-notouch-12key ← 3と5と7
MyApp/res/drawable/ ← なし
どれも適合しなかった場合は、どれが使われるかは分かりません。従って、どれも適合しなかった場合のために、修飾語句なしのデフォルトのリソースを用意しておくことを強くお勧めします。
修飾語句の使い方が理解できたら、アプリの国際化対応を行ってみましょう。国際化対応はそれぞれのリソースを用意するだけでソースコードの改変なしに行えます。今回のサンプルでは、日本語、中国語、韓国語、英語に対応し、英語がデフォルトになるようにしてみます。
ADTで作成した直後のリソースに、フォルダとファイルを追加して、以下のようにしました。
元からあったリソース用フォルダのほかに、言語コードを伴った同じ名前のフォルダを追加してあります。この各言語のフォルダは、各言語向けに変更された内容で同じ名前のリソースファイルを持っています。元からあったフォルダは英語のリソースが入っています。
端末が日本語、中国語、韓国語に設定されている場合は、それらが使用され、それ以外の言語に設定されている場合はデフォルトの英語が使用される、というわけです。
このように、アプリ一覧でアプリのアイコンやアプリ名までも変更できます。
Androidにはあらかじめリソースを適切に選択する仕組みが備わっているため、本当にリソースを複数用意するだけで国際化対応や各種端末対応が行えてしまいます。リソースを用意するのはちょっと手間ですが、効果は大きいのでがんばってみてはいかがでしょうか。
今回使用したサンプルは、以下のリンクからダウンロード可能です。アプリ起動時の国際化も行われているので、実際に手元の環境で動作させてみてください。
次回はWebを表示させ、操作する方法について解説します。
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