最後は、エミュレータAVD(Android Virtual Device)の作成です。Eclipseのメニューの[Window]→[AVD Manager]を選択します。
ダイアログで[New]ボタンをクリックし、以下のように入力します。
[Name]は、正規表現で[a-zA-Z0-9._-]が使用可能です。コマンドラインで直接引数に指定してエミュレータを起動することもあるので、短めの分かりやすい名前を付けるといいでしょう。
[Target]はSDK Managerでインストールしたプラットフォームを指定します。ここでは、「Android 4.0」を指定しています。
[SD Card]の[Size]は、後で変更可能なので適当なサイズを指定します。[File]を指定する場合は、「mksdcard」コマンドで作成したイメージを指定します。
[Snapshot]にチェックを入れると、スナップショットを作成し、次回起動時にスナップショットから起動させることで、起動時間を短縮できます。筆者はスナップショットが壊れて起動しなくなったり、設定が失われたりすると面倒なので、チェックは入れていません。
[Skin]は画面の大きさと向きです。デフォルトだとけっこう大きい(480×800)ですが、エミュレータ起動時に倍率を設定可能です。以下はエミュレータ起動時に0.72倍に設定した起動オプションです。
[Hardware]は、ハードウェアの設定を行えます。トラックボールやハードウェアキーボードをサポートするアプリを作りたい場合は、この設定を変更してAVDを作成します。
最後に、[Create AVD]ボタンをクリックしてAndroid 4.0のエミュレータ環境を作成します。
本稿の締めくくりに、Android 4.0開発に合わせて新しくなったADTプラグインの最新版の新機能を紹介します。
LogCatのフィルタが強力になりました。
これまではログ出力時のタグでフィルタするのが主な使い方だったのではないかと思いますが、アプリ名またはパッケージ名の一部でフィルタできるようになったため、対象のアプリまたはパッケージのすべてのログがフィルタできるようになり、ますます便利になりました。
Android Projectを作成した際に自動生成される「default.properties」が「project.properties」に、「build.properties」が「ant.properties」に名称変更されました。古いADTで作成したプロジェクト内に古いファイルがある場合、自動的に名前が変更されるので、特に気にする必要はありません。
これまではソースコードのみ変更し、リソースは変更していなかった場合でも、毎回リソースもコンパイルされていましたが、そうした冗長なコンパイルが行われないように動作が見直されました。
今回はAndroid 4.0をターゲットに開発環境を整備する手順をまとめました。Android 4.0が登場したのをきっかけに、Androidアプリの開発に取り組まれる方が増え、ますますAndroid周辺に活気がもたらされることを期待しています。
本稿から、Androidアプリ開発を始めたという方は、ぜひ本連載「Androidで動く携帯Javaアプリ作成入門」を順に読んでみてください。第1回記事の「Hello World!」から始めてみましょう。
次回は、今回作成したAndroid 4.0の開発環境を使用し、Android 4.0の新機能から1つ選んで紹介する予定です。
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