月額課金は自動的に購読が更新されますが、ユーザーは任意のタイミングでGoogle Play Storeの[My Apps]画面から購読をキャンセルできます。購読をキャンセルしても、残りの期間の返金は行われず、支払い済みの購読期限までは権利は継続します。
購読をキャンセルさせるためのAPIは現段階では提供されていません。アプリで購読キャンセルを行わせたい場合、Play Storeの[My Apps]画面を開くIntentでstartActivity()を呼び出すか、HTTPベースの「Google Play Android Developer API」を使うとよいでしょう。
Intentを使う場合は以下のように行います。
Intent intent = new Intent(Intent.ACTION_VIEW); intent.setData(Uri.parse("market://details?id=com.example.app")); startActivity(intent);
Google Play Android Develper APIでキャンセルする場合、以下のURLにPOSTします。
https://www.googleapis.com/androidpublisher/v1/applications/{packageName}/subscriptions/{subscriptionId}/purchases/{token}/cancel
{packageName}はアプリのパッケージを、{subscriptionId}は定期購読IDを、{token}は購入トークンを指定します。ただし、アプリ内に購入トークンをセキュアな状態で保持するのは難しいため、後者は開発者サーバを介して行うのが現実的でしょう。
アプリの購読状態は厳密に管理する必要があります。権利のあるユーザーに対してサービスが提供されないこと、および権利のないユーザーに対してサービスが提供されてしまうことを防がなければなりません。
ユーザーはアプリ内課金同様、任意のタイミングで購入ステータスをチェック可能です。また、Google Playからは購入ステータスに変更があった場合にPush通知が送られてきます。
Google Play Android Developer APIを使用することで、開発者のサーバからGoogle Playへアクセスして購入ステータスを取得できます。
購読状態の管理には、以下のような運用が推奨されています。
Google Play Android Developer APIはHTTPのGET/POSTが送受信できればよいため、アプリからでも有効期限の取得は可能です。しかし、セキュアな状態で購入トークンを保存しておいたり、タイムサーバにアクセスして厳密な時刻を取得したりするリスクや手間を考えると、開発者サーバを用意する方が妥当なのかもしれません。
月額課金は自動更新であり、基本的にGoogle Playからのイベント通知が発生しない限り、サービスを提供し続けてもよいため、開発者サーバがGoogle Playに対して定期的に有効期限やキャンセル状態を問い合わせることはしなくてもよいです。
アプリを起動するごとに開発者サーバに問い合わせるようにし、Google Playからの通知をサーバに送信し、もし送信できなかった場合は、次回の起動時に開発者サーバに対してGoogle Playへの有効期限の問い合わせを依頼する、という具合です。
Google PlayへのGoogle Play Android Developer APIによる問い合わせは1アプリ1日当たり15000回と定められています。通常、この数値で十分なはずで、足りない場合は、開発者サーバへ有効期限を保存し、加えて購入ステータスも保存するようにしてください。デイリーバッチなどで、すべての購入トークンに対するクエリをサーバが発行しないようにしてください。
それでも15000回では足りない場合、個別に申請可能です。
最後にアプリ内購読に対応する際の注意点を4つ挙げておきます。
まず、Android 2.2以上で、Play Store 3.5以上が必要です。
次に、購読商品を非公開にする手段は今後提供予定です。現時点ではユーザーに誤って購読されてしまわないように商品を削除してください。
さらに、公開した購読商品の価格の変更手段は今後提供予定です。現時点では、異なる購読商品を作成し、新しい価格を設定してください。
最後に、購読ユーザーが存在するアプリを削除してはいけません。もしそのようなことをすると、ペナルティが発生します。ペナルティはポリシーページで確認できます(要約すると、開発者のアカウントからユーザーに対して払い戻しされるようです)。
今回は、Androidアプリ開発で収益を上げる方法の1つとしてアプリ内購読の仕方を解説しましたが、いかがでしたでしょうか。
AndroidアプリはiPhoneアプリと比べて有料アプリが買われない、もうからないとよくいわれていますが、しっかりとしたマネタイズの方法がまだ確立されていないだけで、以下のようにアプリ内課金とリワード広告で収益を上げる方法もあります。
また、まだ米国のみですが先日、Google PlayでもiTunes Cardのような「Google Play Gift Card」が使えるようになると発表がありました。こちらは、有料アプリの購入だけではなく、アプリ内課金でも使えるなど、Androidアプリ開発のマネタイズにもさまざまな方法が出てきています。
今回の記事が、Androidアプリ開発で、きちんと収益を上げるのに役立てば幸いです。
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