エンタープライズアプリケーションのクラウド利用を後押しするSAPとマイクロソフトの協業が、日本国内でもスタート。9社のSIがサービス提供を表明している。
SAPジャパンと日本マイクロソフトは2014年6月23日、Microsoft Azure(Azure)上でのSAP ERPアプリケーション群をサポートすると発表した。併せて、SAPのAzure上での運用を支援するパートナーSI企業9社がソリューション提供を発表している。
この発表は2014年5月にグローバルで発表したAzure環境への対応を、各地で具体的に展開する動きの一環である。西日本・東日本にデータセンターを開設したことで、国内企業のニーズを拾いやすくなったAzure環境と、クラウド環境への対応を推進するSAPの協業で、エンタープライズ領域でのハイブリッドクラウド利用を推進する。
この「SAP on Azure」の取り組みは、米マイクロソフトAzureのVPを務めるSteven Martin氏がブログで2014年5月28日に公表していたもの。
この取り組みによりSAP ERPの導入初期コスト削減が見込める他、日本マイクロソフトの試算によると、ハードウェア、ソフトウェア、電力、管理費、およびデータセンター施設費についても4割のコスト削減効果が見込めるとしている。
今回の発表でサポート対象となるのは、下記アプリケーション群と、Azure環境に対応したSAP HANAプラットフォームの開発者向けエディションをサポートする。
これらについては、SAP Cloud Appliance Libraryツールを使うことで、Azureへの直接の展開・プロビジョニングを数分以内で行える環境を得られるとしている。
また、今回の協業では国内SIパートナー企業9社がAzure上でのSAP ERP環境導入から運用までをサポートするサービスの提供を開始する。各社で独自のアセスメントサービスや移行サポート、運用サービスなどを展開する。
SAPジャパンと日本マイクロソフトでは、これらパートナー企業のソリューション展開を支援する目的で、検証情報の提供やドキュメント整備、トレーニング活動、共同マーケティング活動も推進するとしている。
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