Windows Copilot大迷走――キャンセル、改名、実装変更を繰り返すMicrosoftの混乱Microsoft MVP胡田のWindowsダイアリー(3)

2024年の「Microsoft Build」で発表されたWindows向け「Copilot」機能のうち、3つがキャンセル、アプリの実装方式は5回変更。CEOは「うまく機能していない」と認め、責任者の交代と組織再編が発表されました。もうWindows Copilotは終わりなのか? いえいえ、その裏で新しい挑戦も静かに始まっていますよ。事実を時系列で追いながら、Windows Copilotの現在地を整理します。

» 2026年03月27日 05時00分 公開
[胡田昌彦日本ビジネスシステムズ株式会社]

この記事は会員限定です。会員登録(無料)すると全てご覧いただけます。

「Microsoft MVP胡田のWindowsダイアリー」のインデックス

連載目次

消えた機能は多数、名前すら安定しない

 前回の記事の最後に「次回はCopilotの最新事情をレポートします」とお約束しました。実際に調べ始めたら、最新事情どころか、ここ3年間のいきさつだけで記事1本分の分量になりました。発表されては消えた機能多数、5回も実装が変わったアプリ、2回改名された開発者向け基盤、そして3人目となるトップ交代――。

 そもそも「名前」からして安定しません。Microsoftの年次イベント「Microsoft Build 2023」で華々しく発表されたときの名前は「Windows Copilot」でした。2023年9月にプレビュー提供が始まった段階では「Copilot in Windows」。2023年12月1日に「Bing Chat」が「Microsoft Copilot」として一般提供開始されたタイミングでWindows Copilotは正式に「Copilot in Windows」に変更されました

 現在のMicrosoft公式ドキュメントでは旧サイドバー体験を「the legacy Copilot in Windows experience」(レガシー)と呼び、今のアプリは単に「Microsoft Copilot」です。一方で「グループポリシー」のパスには今でも「Windows Copilot」の表示が残っています。他にも一般向け、企業向け、開発者向けにさまざまなCopilotの名を冠したサービスが乱立し、@ITでも「MicrosoftのCopilotって何ですか?」という整理記事が出るほど、名前の混乱は深刻でした。

 本稿が対象としているのはWindowsに標準的に組み込まれるCopilotの機能です。タイトルには通称の「Windows Copilot」を使いつつ、本文では便宜上「Windows上のCopilot」と呼びます。この“名称の揺れ”自体が、この機能のたどってきた道を象徴しています。

 では、時系列で見ていきましょう。

始まりの熱狂――Build 2023からBuild 2024へ

Build 2023(2023年5月)――「初のAIアシスタント搭載OS」宣言

 話は2023年5月のBuild 2023にまでさかのぼります。当時Windows部門のトップだったPanos Panay氏が壇上に立ち、Windows Copilotを発表しました。「『Windows 11』を、集中型AI(人工知能)アシスタンスを発表する初のPCプラットフォームにする(making Windows 11 the first PC platform to announce centralized AI assistance.)」。その宣言は力強いものでした(参考:Windows Developer Blog)。

 デモではタスクバーのボタンからサイドバー型のAIアシスタントが起動し、Bing Chatや「ChatGPT」のプラグインと連携する姿が披露されました。

ALT 画面1 Build 2023に合わせて公開された「Windows Copilot」。初登場時のWindows上のCopilotは「サイドバー型」だった(引用元:Windows Blog

 6月にプレビュー開始という約束とともに、Windowsが「AIの時代」に本格参入する――そんな期待感に満ちた発表でした。ただし、このPanay氏は4カ月後の2023年9月にMicrosoftを退社し、Amazon Devicesに移籍しています。

プレビュー提供と異例の配布方式(2023年9月〜)

 約束通り、6月にWindows Insider Programでプレビューが始まり、2023年9月26日にWindows 11バージョン22H2の累積更新プログラム(KB5030310)で「Copilot in Windows」がサイドバーとしてプレビュー提供されました。バージョンアップではなく、累積更新に150以上の新機能を詰め込むという異例の形です。

 配布方式も通常とは異なりました。「制御された機能ロールアウト(CFR)」と呼ばれる段階的な展開が使われ、更新プログラムを適用しても全員がすぐに使えるわけではありませんでした。ローカルアカウントでサインインしている環境ではCopilotが一切表示されないという仕様もあり、「Copilotが見当たらない!」と戸惑うユーザーもいたようです。

 @ITでは「期待を込めたはじめの一歩」として紹介される一方、「使用リスクがはっきりするまで無効化する」という記事も同時期に掲載されています。初手から期待と不安が入り交じっていたのです。

 2023年11月には「Windows 10」にもCopilot in Windowsのプレビュー提供が開始されました。しかし、Windows 10版ではOSの設定変更やアプリ連携の機能が省かれており、あくまでチャットのみ。2024年2月時点で、@ITの「Copilot in Windowsの現在の状況まとめ」では「Windows 11とWindows 10のCopilot in Windowsは、どちらもまだプレビュー段階にあり、一般提供はされていません」と明記されています。

 ここで重要な事実を整理しておきます。2023年12月1日、Bing ChatがMicrosoft Copilotとして一般提供開始されました。同時にWindows CopilotはCopilot in Windowsに改名。しかし、“Copilot in Windowsそのものは依然としてプレビューのまま”でした。日本マイクロソフトの発表では「Copilot in Windowsを含めて正式提供開始」のように案内されていましたが、@ITの記事が指摘する通り、実態はプレビューの域を出ていませんでした。

Build 2024(2024年5月)――Copilot+ PCと壮大なビジョン

 そして2024年5月のBuild 2024。ここがWindows上のCopilotにとって最も華やかな瞬間でした。

 Microsoftは「Copilot+ PC」という新カテゴリーを発表します(参考:Microsoft公式ブログ)。NPU(Neural Processing Unit)を搭載し、40TOPS(Tera Operations Per Second:1秒当たり40兆回の推論処理)以上のAI演算性能を持つPCだけが名乗れるプレミアムカテゴリーです。目玉機能として発表されたのが、画面を常時キャプチャーしてAI検索できる「Recall」でした。他にも「Cocreator」(リアルタイムAI画像生成)、「Live Captions」(40言語のリアルタイム翻訳)、「Windows Studio Effects」(カメラAIエフェクト)が披露されました。@ITでも「Copilot+ PCはAIアプリケーション開発のプラットフォームになりえるか」として開発者視点で分析されています。

 さらに「Windows Central」(Zac Bowden氏)の報道によれば、この時期には「Settings」(設定アプリ)、「Notifications」(通知)、「File Explorer」(エクスプローラー)にCopilotを統合するデモも行われていました。WindowsのあらゆるUI(ユーザーインタフェース)要素にAIが溶け込む未来が描かれたのです。

 キーボードにも「30年ぶりの最も重要な変更」として専用の[Copilot]キーが導入されました。

 この時点でMicrosoftが描いていた未来像は明確でした。PCのあらゆる場面にCopilotが存在し、ユーザーは自然言語でPCを操る。Copilot+ PCのハードウェアがそれを支える。[Copilot]キーがその入り口になる――と。

 しかし、現実はこの約束通りには進みませんでした。

逆風と方向転換――Recall炎上からNadella氏の「うまくいっていない」発言まで

Recall炎上と延期(2024年6月)

 Build 2024のわずか1カ月後、Recallは激しい逆風にさらされます。セキュリティ研究者が、Recallのデータが暗号化されない状態でローカルに保存されていることを指摘しました。「PCの画面を全て記録する」というコンセプト自体へのプライバシー懸念も噴出し、Microsoftは2024年6月に予定されていた一般公開を延期。根本的な再設計を余儀なくされます。

サイドバーの廃止(2024年秋)

 2024年秋の大型アップデート(24H2)では、Build 2023で華々しくデモされたサイドバー型のCopilotが完全に廃止され、通常のウィンドウとして起動するスタンドアロンのWebアプリ(PWA:Progressive Web Apps)に切り替わりました。サイドバーを呼び出す[Windows]+[C]ショートカットキーもいったん廃止されました(その後2025年に復活)。これがCopilotアプリの2回目の実装変更です。

ALT 画面2 サイドバー廃止後のPWA版Copilot。通常のウィンドウとして起動する形に変わった(引用元:Windows Latest

Copilotアプリの迷走が始まる(2024年12月)

 2024年12月、MicrosoftはCopilotアプリの「ネイティブ化」を発表します。しかし、実態は「Microsoft Edge WebView2」(WebView2)を内部で使用するWebラッパーで「RAM 1GB消費」が報告されました。「ネイティブ」と名乗りながらWebベースという矛盾は、ユーザーからの信頼を損なう結果となりました。3回目の実装変更です。

ALT 画面3 「ネイティブ」と称された2024年12月版Copilotの内部プロセス。「タスクマネージャー」にWebView2系のプロセスが並んでおり、実態はWebラッパーだったことが分かる(引用元:Windows Latest

 同じ2024年12月、報道によると、Satya Nadella CEO自身がCopilot統合について「大半がうまく機能していない(for the most part don't really work.)」「スマートでない(not smart.)」と社内で不満を表明し、自ら週次のCopilot品質レビュー会議を開催し始めたとされています。

2025年――静かに進む軌道修正

 2025年1月、@ITでは「Copilot+ PCで世界は変わるのか!? 期待を込めた自腹実機レポート」が掲載されました。Recallはまだ「Windows Insider ProgramのDev版でのみ」の提供で、実際に使ったレビューでは「正直、Windows 10のタイムライン機能と同様、あまり役に立たないと感じた」という厳しい評価でした。Copilot+ PC向けの機能の多くがプレビュー段階にとどまっている実態が明らかにされています。

 2025年3月、Copilotアプリは「Windows UI Library 3」(WinUI 3)で書き直され、初めて「本当のネイティブアプリ」になりました(参考:PCWorld)。Mustafa Suleyman氏率いるMicrosoft AI部門の下で、Webラッパーからの脱却が図られたのです。4回目の実装変更です。

ALT 画面4 WinUI 3で書き直されたネイティブ版Copilot。Webラッパーからの脱却が図られた真のネイティブアプリ(現在は再びWebView2に置き換えられている)(引用元:Windows Latest

 同時期に@ITでは「後悔しないCopilot+ PCの選び方」として、Armプロセッサとx64プロセッサの機能差の実態が詳しく解説されています。

 2025年4月末、RecallがCopilot+ PC向けに広く提供開始されました。「オプトイン制」「Windows Hello認証必須」「VBS Enclave暗号化」という3つのセキュリティ強化を経て、当初から約1年遅れでの出荷です。@ITでも「リコール機能を試してみた」としてレビューされています。

Build 2025(2025年5月)――Recallの出荷と開発者基盤の改名

 2025年5月のBuild 2025では、Copilot+ PC向け機能の一般展開が発表されました(参考:IT Pro Guide)。4月末に提供開始されたRecallと「Click to Do」が正式にGA(一般提供開始)対象として位置付けられた他、開発者向けには「Windows AI API」の拡充やNPU活用のオンデバイスAI機能が紹介されました。

 また、開発者向けAI基盤「Windows Copilot Runtime」が「Windows AI Foundry」に改名されました。Microsoftにとってブランド名の変更自体は珍しいことではありません。しかし、冒頭で触れた「Windows Copilot」→「Copilot in Windows」→「Microsoft Copilot」の変遷と合わせると、Copilot周辺の名称が短期間で何度も変わっている状況は、IT管理者にとって追跡コストが高い領域であることは間違いありません。

 そして、Build 2024で華々しくデモされたSettings、Notifications、File ExplorerへのCopilot統合については一切言及されませんでした。

「agentic OS」の衝撃と方針転換――2025年秋から2026年へ

「agentic OS」炎上(2025年11月)

 ここまでのいきさつを振り返ると、Microsoftの狙いが見えてきます。同社はWindowsを「ユーザーが操作するOS」から「AIが代わりに動くOS」へと変えようとしています。Copilotをただのチャットbotではなく、OSの中核に据え、クラウド/AI/デバイスを統合した新しい体験を提供する――それがBuild 2024で描かれたビジョンでした。

 しかし、多くのユーザーが求めているのはそこではありませんでした。

 2025年11月10日、Panos Panay氏の後任としてWindows部門のトップに就いたPavan Davuluri氏(President, Windows + Devices)が「X」に以下のようなコメントを投稿しました。

Windows is evolving into an agentic OS, connecting devices, cloud, and AI to unlock intelligent productivity and secure work anywhere.

 この投稿は150万回以上閲覧されましたが、肯定的な返信はほぼゼロでした。返信欄には「Stop this non-sense. No one wants this.(こんなナンセンスはやめろ。誰も望んでいない)」というプログラマーの声や、「バグ修正をせずにLLM(大規模言語モデル)で置き換えようとしている」という開発者からの批判、さらには「『Microsoft 365』を解約してLinuxに乗り換えた」という長年のユーザーの報告まで並びました。結局、Davuluri氏本人がリプライを閉鎖する事態に追い込まれています(参考:Windows Central)。

 ここで浮き彫りになったのは、Microsoftが描く「AIと対話するOS」というビジョンと、ユーザーが求める「安定して軽快に動くOS」との根本的なズレです。多くのユーザーにとって、「Windows 7」のようなシンプルで広告やブロートウェアのないUIこそが理想であり、AI機能の追加はむしろ不安の種になっていたのです。

 それでもMicrosoftは歩みを止めませんでした。8日後の「Microsoft Ignite 2025」では、「Agent connectors(MCP〈Model Context Protocol〉対応)」「Agent workspace」「Agents on taskbar」「Hey Copilot(音声起動)」など、大量の新機能が発表されました(参考:公式ブログ)。@ITでは「WindowsはローカルAIやエージェント機能の強化でどんなOSに変わるのか」「WindowsのMCP対応でAIエージェントが『エクスプローラー』『設定』を操作可能に」として詳しく報じられています。ただし、これらの新機能は全てPreviewです。

2026年1月――方針転換

 2026年1月、事態は決定的に動きます。

 まず1月の「Windows Update」が大障害を引き起こしました。シャットダウン失敗で緊急パッチ、「Microsoft OneDrive」「Dropbox」クラッシュで2度目の緊急パッチという異例の事態です(参考:Windows Latest)。

 Davuluri氏はメディアに対して「ユーザーの声は明確だ。意味のある形でWindowsを改善する必要がある(We need to improve Windows in ways that are meaningful for people.)」と声明を出しました。エンジニアリングリソースを新機能開発から品質改善に急速再配置する「swarming」戦略が始まります(参考:TechRepublic)。

 そして2026年1月末、Windows Centralの報道によれば、Build 2024でデモされたSettings、Notifications、File ExplorerへのCopilot統合は、全て開発中止。「Notepad(メモ帳)」や「Paint」に追加されたCopilotボタンも削除、再設計が検討されています。Recallについても、名称変更を含む再評価が進んでいると報じられました。

2026年3月――さらなる後退と組織再編

 2026年3月には2つの動きがありました。

 1つ目は、2025年3月にWinUI 3で書き直されたネイティブCopilotアプリが、再びWebView2ベースに戻ったことです(参考:Windows Latest)。「タスクマネージャー」を開くと、「Renderer」「GPU Process」「Utility:Network Service」など、Edge系のプロセスが並んでいます。これでCopilotアプリの実装は3年間で5回目の変更です。

 この回帰の影響は実装方式だけにとどまりません。2025年7月にWindows Insider向けに提供が始まっていた「Copilot Vision」――画面をリアルタイムでCopilotに共有しながら会話できる機能(参考:Windows Insider Blog)――が、現時点では利用できなくなっています。ネイティブアプリだからこそ可能だったOS深部との連携が、WebView2への回帰によって失われた形です。Microsoftからこの機能の廃止や一時停止に関する正式な発表は出ておらず、静かに消えた格好になっています。

ALT 画面5 2026年3月時点のCopilotアプリのプロセス。レンダラー、GPUプロセスなどのWebView2系サブプロセスが並んでおり、再びWebラッパーに戻ったことが分かる

 2つ目は組織再編です。2026年3月17日、MicrosoftはCopilotのリーダーシップ変更を発表しました。Copilot製品を統括してきたMustafa Suleyman氏はAIモデル開発に専念することになり、元Snap幹部のJacob Andreou氏がCopilot体験の新たな統括者に就任しました。Build 2023でWindows Copilotを華々しく発表したPanay氏から数えて、関連するトップは3人目です。

 CNBCによれば、Copilotアプリのデーリーアクティブユーザー数は600万人。ChatGPTの4.4億人、「Claude」の900万人と比較すると、Microsoftの巨大なWindows基盤からすれば控えめな数字です。このような利用実態やユーザーからの大きな不満の声が、方針変更やリーダーの交代に影響を与えたであろうことは容易に想像されます。

それでもCopilotは「消えていない」――今何が動いているのか

 ここまで読むと「Copilotは失敗した」と思われるかもしれません。しかし、後退だけが起きているわけではありません。

 「Copilot Tasks」は2026年2月にリサーチプレビューとして公開されました。ユーザーが自然言語でタスクを記述すると、Copilotがバックグラウンドで自律的に実行する機能です。「毎晩、緊急メールのサマリーと返信ドラフトを作って」「毎週金曜、近所の賃貸物件の新着を調べて」といった指示が可能で、チャットから行動へという次のステップを目指しています。

 他にも「Copilot Labs」(実験的機能の提供場所)など、Copilotアプリ内での新しい試みは続いています。

 一方、Windows以外の領域に目を向ければ、Copilotは別の形で着実に進んでいます。Microsoft 365向けの「Copilot Cowork」(AIに作業を委任する機能)が2026年3月末から拡大提供予定である他、@ITでは「Microsoft 365ライセンスだけで利用できる『Copilot』の4機能」として、無料で使えるCopilot機能の整理も行われています。「Copilot」というブランド全体が後退しているわけではなく、Windows上のCopilotだけが迷走しているというのが実態に近いでしょう。

 Build 2024が描いた「WindowsのあらゆるUI要素にCopilotが溶け込む」というビジョンは後退しましたが、現在の方向性は「アプリとして独立して価値を出す」というものに変わっています。OSに深く統合するのではなく、アプリの中で機能を提供する――ある意味で、より現実的な路線にかじが切られたとも言えます。

成績表――Build 2024の約束はどうなったのか?

 最後に、Build 2024で発表された主要機能の現状を一覧にまとめます。

機能 発表時の約束 2026年3月の現状
Recall 2024年6月出荷予定 約1年遅れで広く提供開始(ただし公式表記は引き続きpreview)。セキュリティ再設計を経てオプトイン制に。さらに名称変更を含む再評価中
Copilot in Settings 2024年後半 開発中止報道
Copilot in Notifications 2024年後半 開発中止(Previewすら出ず、報道
Copilot in File Explorer 2024年後半 開発中止報道
Cocreator 2024年6月 出荷済み
Live Captions 2024年6月 出荷済み
Windows Studio Effects 2024年6月 出荷済み
Windows Copilot Runtime 2024年6月 改名(→ Windows AI Foundry。旧API群は「Windows AI APIs」として再編)
Copilotキー ハードウェア搭載 搭載済み。ただしリマップして別の用途に使うユーザーも
Copilotアプリ OSネイティブ統合 3年間で5回実装変更(サイドバー → PWA → WebView2 → WinUI 3 → WebView2)

 Cocreator、Live Captions、Windows Studio EffectsなどNPU活用のローカルAI機能は予定通り出荷されています。一方、OSの中核にCopilotを統合するという壮大なビジョン――Settings、Notifications、File Explorerへの統合――は全てキャンセルされました。実現したものと実現しなかったものの境界線は、「ローカルで完結するAI処理」と「OSのUI全体を作り変えるような統合」の間に引かれているように見えます。

まとめと次回予告

 事実を時系列で並べて見えてくるのは、「失敗」という一言では片付けられない姿です。

 Microsoftは壮大なビジョンを掲げました。その一部は実現し、一部はキャンセルされ、一部は形を変えて模索が続いています。Copilotアプリの実装が5回変わったことも、開発者向け基盤が2回改名されたことも、そしてリーダーが3人目になったことも、全て「まだ正解が見つかっていない」ことの表れです。

 IT管理者として今すべきことは、「急いで導入する」ことでも「無視する」ことでもないでしょう。何が残り、何が変わり、何が新しく出てきたかを把握しておくこと。そして、次の変化が来たときに冷静に判断できる準備をしておくこと。この記事がその一助になれば幸いです。

筆者紹介

胡田 昌彦(えびすだ まさひこ)

日本ビジネスシステムズ株式会社に勤務。幼少期からコンピュータ大好きで使用歴は40年以上。インフラからクラウド、アプリケーション、生成AIまで幅広く取組中。2014年からMicrosoft MVPアワードを連続受賞中。Windows、Windows Server、Microsoft Azure、Microsoft 365など、Microsoftソリューションを中心に情報発信中。YouTuberとしても活動中(https://www.youtube.com/@ebibibi)。


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アイティメディアからのお知らせ

スポンサーからのお知らせPR

注目のテーマ

その「AIコーディング」は本当に必要か?
Microsoft & Windows最前線2026
4AI by @IT - AIを作り、動かし、守り、生かす
ローコード/ノーコード セントラル by @IT - ITエンジニアがビジネスの中心で活躍する組織へ
Cloud Native Central by @IT - スケーラブルな能力を組織に
システム開発ノウハウ 【発注ナビ】PR
あなたにおすすめの記事PR

RSSについて

アイティメディアIDについて

メールマガジン登録

@ITのメールマガジンは、 もちろん、すべて無料です。ぜひメールマガジンをご購読ください。