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大好きな北海道で、楽しく働くつもりだったのに転職活動、本当にあったこんなこと(26)(2/2 ページ)

多くのITエンジニアにとって「転職」とは非日常のもので、そこには思いがけない事例の数々がある。転職活動におけるさまざまな危険を紹介し、回避方法を考える。

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難航したMさんの転職活動

 どうしても北海道で働きたかったMさんは、複数の人材紹介会社に登録し、東京で定期的に開催される北海道主催のU/Iターンフェアにも参加し、情報収集を行っていました。しかし上記のような問題から、思うように進みません。

 せっかく獲得したある会社の内定を、ほかの会社の内定を待っている間に、入社時期の関係で逃してしまったこともありました。面接の感触はかなり良かったはずなのに、実際は内定が出なかったこともありました。Mさんはだんだん余裕をなくしてきました。

 そんなとき、Mさんは人材紹介会社にA社を紹介されました。北海道に本社があり、開発拠点があり、Mさんの経験を生かすことができ、マネージャというポジションで働くことができる。これがA社の求人です。Mさんの希望どおりであり、A社もMさんをどうしても採用したかったようです。選考はとんとん拍子に進み、見事内定を獲得しました。

 ところがもう1社、Mさんを獲得したいと考えている会社が存在しました。こちらも北海道に本社をもつB社です。A社と事業内容は異なりますが、Mさんの経験を生かしながら北海道で働けるとのことでした。

 B社とMさんは、先に書いた北海道主催のU/Iターンフェアですでに面接をしていました。社長と直接会話したMさんは、B社のビジョンに深く共感することができました。かなり前向きな話まで進んでいたようですが、実質的な選考は開始していなかったのです。

 ここでMさんは大いに迷いました。B社に応募したい、でもA社の内定はチャンスであり、逃したくない。A社の条件は決して悪くない。結局、過去の失敗を考えて、B社には丁寧に辞退を伝え、A社に入社することにしました。

 数カ月後、A社の経営状態悪化のため、私のところに相談に来ることになったのです。

B社に再チャレンジ、そして内定

 「A社のことを、事前にもっと調べておくべきでした。あのときB社を辞退せず、選考を受けていれば……」とMさんはくやんでいました。

 そこで私は、「あらためてB社を受けてみてはいかがでしょうか」と提案しました。Mさんはその提案を喜び、再チャレンジを決意してくれました。

 こういう状況では、「人柄」という部分がとても大きな力を持つと思います。私との面談や、その後の電話でのやりとりで、Mさんの本当に誠実な人柄がうかがえました。B社の選考を辞退したときの丁寧な姿勢にも、その人柄は表れていたのです。

 少々調整に時間がかかりましたが、もともと前向きに進んでいたお話です。無事に内定を勝ち取ってB社に入社したMさんは、現在も重要なポジションで活躍しています。


 今回の例のような遠隔地への転職については、すべての情報を手に入れることは困難です。私たち人材紹介会社はなるべく多くの情報を伝えられるよう努力していますが、最終的に決断をするのは転職する皆さん自身です。

 しっかりとした情報収集をし、決断の際の大切な基準を持っておくことをお勧めします。

著者紹介

アデコ 人材紹介サービス部 コンサルタント

横山光紀

国立大学工学部大学院卒業後、ベンチャー企業で産学官の共同研究に従事。その後「物づくりよりも人づくり」にやりがいを見いだし、総合エンジニアリング企業の人事部に転職。北海道、東北を中心におよそ8年人材採用にかかわり、最終的には責任者として新入社員の教育・人事・評価制度整備を担当。2006年アデコに転職。前職からの通算で、これまでに出会った人材は1万人を超えるという。



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