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IT技術者の2人に1人が欲しがる「リーダーシップ」@IT自分戦略研究所 読者調査(2)(2/2 ページ)

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世代間で「重要と考えるスキル」に違いあり

 年代別に見ていくと、世代ごとに「スキルの重要性」への意識がかなり異なっていることがうかがえる。

 年齢が若ければ若いほど、「ビジネス・ヒューマンスキル」を重視する傾向にあるようだ(表2:年代別・ビジネス・ヒューマンスキルの重要性)。20代は59.3%と他世代に比べて高い。

もっとも重要だと思う とても重要だと思う 重要だと思う その他
20代 59.3 25.6 9.3 5.8
30代 44.7 36.5 14.2 4.6
40代 38.8 36.8 15.8 8.6
50歳以上 19.8 50.0 17.1 13.1
表2:年代別・ビジネス・ヒューマンスキルの重要性

 一方で、「テクニカルスキル」カテゴリについては、「ビジネス・ヒューマンスキル」カテゴリとほぼ逆の結果となった。「もっとも重要」が20%を越えたのは50歳以上(24.3%)と30代(21.7%)。一方で、20代は14.0%ともっとも低い(表3:年代別・テクニカルスキルの重要性)

もっとも重要だと思う とても重要だと思う 重要だと思う その他
20代 14.0 43.8 35.6 6.6
30代 21.7 39.3 29.2 9.8
40代 18.4 40.4 27.2 14.0
50歳以上 24.3 34.3 28.6 12.8
表3:年代別・テクニカルスキルの重要性

 「業界・業務知識」カテゴリについては、もっとも重要と考えるのはどの世代も10%以下にとどまった(表4:年代別・業界・業務知識の重要性)

もっとも重要だと思う とても重要だと思う 重要だと思う その他
20代 5.8 48.8 34.9 10.5
30代 6.3 36.8 37.3 19.6
40代 4.4 40.4 37.3 17.9
50歳以上 10.0 47.1 28.6 14.3
表4:年代別・業界・業務知識の重要性

 いずれの年代も「テクニカルスキル」「ビジネス・ヒューマンスキル」をともに取得することを目指している。その中でも特に若年層は、早いうちから「ビジネス・ヒューマンスキル」を重視していることが、上記の結果からうかがえる。

厳しいままの仕事状況、引き続きスキルアップを目指すか

 2009年6月に行った調査(「危機感抱え、スキルアップに余念がないエンジニア」)では、仕事状況の悪化と将来への危機感から積極的にスキルアップを行うITエンジニア像が浮き彫りになった。半年たった現在も、相変わらず状況は厳しいようだ。

 「コスト削減が厳しくなった」は54.7%から51.6%、「プロジェクトが減った、規模が小さくなった」は49.4%から44.3%、「業績が悪化した」は44.6%から43.6%へと、いずれも2009年6月に比べてわずかに減ったものの、状況はあまり改善していない。

 仕事の状況が厳しいと感じているエンジニアは、IT業界で働くことについてどのように考えているのだろうか。「IT業界の印象」について聞いたところ、厳しい状況でも2人に1人が「やりがいがある」と回答した(表5:IT業界の印象)。以下、「趣味と実益を兼ねている」が29.7%、「10年後もIT業界で働きたい」が25.8%と続く。現状の厳しさを実感しながらも仕事への意欲はそれほど失われていないようだ。一方、もっとも低い項目は「残業や休日出勤が少ない」(3.7%)だった。

IT業界の印象
やりがいがある 49.1%
趣味と実益を兼ねている 29.7%
10年後もIT業界で働きたい 25.8%
時代の先端だ 22.0%
将来性がある 14.5%
表5:IT業界の印象(複数回答)

調査概要

 本調査における回答者の平均年齢は38.1歳で、最頻値は30〜34歳。職務で最も多いのは「システム分析・設計/SE」(19.8%)で、以下「プロジェクトマネージャ/リーダー」(13.3%)、「システム保守・引用・管理」(13.2%)と続く(回答者プロフィール:職務内容)。

回答者プロフィール:年齢分布
回答者プロフィール:年齢分布
回答者プロフィール:職務内容
回答者プロフィール:職務内容

 以上、@IT自分戦略研究所の読者調査を参考に、ITエンジニアが今後身に付けたいスキルを考察した。今後、スキルアップをしながらどのようなITエンジニアを目指していくのか。ITエンジニアは舵取りの判断を迫られているのではないだろうか。

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