Android StudioでAndroid Wearアプリプロジェクトを作成する手順を解説します。作業はMac OS Xで行っていますがWindowsでも手順自体は変わらないと思います。
プロジェクト作成の前に、Android SDKの状態を最新にしておいてください。特に「Android 4.4WのSDK Platform」とSystem Imageがインストールされているか、それらが最新であるかは必ず確認してください。
トップ画面から「New Project」を選択してアプリ名、ドメイン、保存場所を入力します。パッケージ名はアプリ名とドメインから自動的に生成されますが、変更することも可能です。
作成するアプリの種別を選択します。今回作成するのはAndroid Wearアプリなので、Wearにチェックを入れます。Android SDKでプラットフォームがダウンロードしてあれば、TVアプリやGlassアプリも選択肢として選べるようになります。
Activityのないプロジェクトか、「Hello」を表示するActivityがあるプロジェクトにするかを選択します。Android Wearは四角い画面の他に、丸い画面を持つデバイスも想定されていて、「Blank Wear Activity」を選択することで、両方のリソースが自動生成されます。今回は自動生成されたものを利用することにします。
Activityの名前を入力します。ここではデフォルトのMyActivityのままにしていますが、Acrivityの名前を変えると、レイアウト名も自動的に変更されるようになっています。
プロジェクト生成直後に自動ビルドが行われます。画面下部のメッセージエリアにエラーが出ている状態ですが、ここで「Install Repository and sync project」リンクをクリックします。
「Google Support Repository」を追加するためのライセンスに同意します。
リポジトリが設定され、ライブラリがインストールされました。Finishをクリックすると、自動ビルドが開始され、プロジェクトのビルドに成功します。
これがGradleの能力なのでしょうか。外部のライブラリを必要とする以上、コンパイルエラーが発生してしまうのは致し方ありません。しかしそれをクリックだけで解決できてしまうという枠組みがEclipseユーザとしては感動的でした。
デバッグボタンをクリックすることでデバッグを開始できます。
どのデバイスでデバッグするのかを選択するダイアログが表示されます。実機が直接接続されているか、Bluetooth経由でデバッグが有効になっていてホストが接続されていれば、実機が選択肢として表示されます。
アプリが起動してメッセージが表示されました。
このアプリはウィザードで作成した状態のままですが、以下よりダウンロードできます。
次回は、このHelloアプリをベースに、Android Wearにもっと踏み込んだアプリ開発を解説しますので、お楽しみに。
最後に、筆者が気付いたAndroid Wearアプリにおける注意点を3つ紹介します。
Samsung Gear Liveのバッテリは毎日充電が必要である旨が公式サイトにも記載されています。卓上に置き時計として放置するなら3日ぐらいは持ちますが、腕に装着してそれなりに活用するとなると、やはり毎日充電が必要になってしまうでしょう。毎日充電するのは良いとして、Samsung Gear Liveは気の利いたクレードルがないので、充電が面倒くさいです。
さて、Samsung Gear Liveのバッテリ容量は300mAhですが、いったいどれぐらいの容量なのでしょうか。今回ホストに使用したSamsung Galaxy Nexusは2000mAhなので、スマートフォンの約6分の1ぐらいの容量だということですね。ちなみに、単三乾電池は約2500mAhです。
実機側は一度ペアリングした設定は解除できません。解除する必要に迫られた場合、端末をリセットして工場出荷時状態に戻して、最初からペアリングをやり直す必要があります。
実機は4GBのストレージがあるため、それなりのサイズのデータを蓄積することが可能です。ただし、実機がペアリングするホストを変更する唯一の手段がファクトリリセットであり、ファクトリリセット後はストレージ上のファイルが全て削除されてしまうことから、実機上で動作するアプリはデータをホスト側に定期的に送っておき、いつか行われるファクトリリセットに常に備えておく必要があります。
実機にインストールしたアプリをアンインストールするインターフェースが提供されていません。アプリのアンインストールは「adb uninstall」コマンドでしか行えないのです。
開発者はそれでよいとしても、一般ユーザーにしてみればインストールしたアプリが削除できない、という事態に陥ってしまいます。どうしても削除したいアプリがある場合、ファクトリリセットされてしまうかもしれません。今後のバージョンアップでアンインストール用のインターフェースが提供されることを期待したいです。
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