3カ月にわたる予選の結果は?
ついに4回目を迎える、@IT主催の「おばかアプリ選手権」。今回は、マイクロソフトの協力により、ついに一般公募が実現。「おばかWindows 7アプリ選手権」として、3カ月にわたり、Windows 7で動く、Windows 7の機能を生かした「おばかアプリ」と、その簡単なデモ動画を募集した。
その中から、以下の5人の審査員が審査した結果、7部門の「優秀おばか7賞」に選出された8組が、第1〜3回のおばかアプリ選手権と同様、お台場の東京カルチャーカルチャーでアプリの“おばか”度を競い合う。
- ハドソン 名人 高橋利幸氏
- マイクロソフト エバンジェリスト 岩田雅樹氏
- デジタルアドバンテージ @IT Insider.NETフォーラム編集長 一色政彦氏
- マイクロソフト 執行役 大場章弘氏
- クスール 取締役 松村慎氏
本稿では、応募部門ごとに優秀賞の受賞作品の概要をレポートしつつ、7月10日に開催される「おばかWindows 7アプリ選手権 決勝戦」の見どころを紹介しよう。
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RVMXは、愛媛県松山市の企業だ。企業サイトによると、意味は「Real Virtual MiXture」で、「インターネットやコンピュータの仮想の世界と現実の世界にうまく融合させる」という。普段から使っている技術を結集したアプリのようだ。
アプリは、WPFの3Dで作成した秘書が音声認識で動き、リアルタイムでインターネットより取得して天気・地図・詳細地図・飛行機の空席状況、今日のニュースや東証一部の株価などを調べて、音声で返答する。また、「メモ帳」にメモも取ってくれる実用性溢れるアプリだ。ロジックはC#で作成しているという。
「人体は、骨格より作り、それを関節でつなぎ、肉付けし衣服を着せています。ちょっと落ち着きがないですが」(投稿者のコメントより)
ちなみに秘書の音声は、アクエスト製の無料の「AquesTalk」を使っているとのこと。
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ホワイトボード上でのお絵描きをWebカメラで写すと、現実で描いた絵がCGとなって動き出す不思議なアプリ。子供のころの夢が実現されたアプリといえる。ホワイトボード上にある、4つの点が形作る四角系の中に、絵を描くのが、ミソのようだ。C#とManaged DirectXで作成したという。
「拡張現実って、どっちがリアルでどっちがバーチャルだか分からなくなりませんか! なりませんね! イェーイ!!! 表示装置がコンタクトレンズとかに埋め込まれたらもっと楽しくなりそう!そんな拡張現実の入り口をお見せします!」(投稿者のコメントより)
ヒノ氏は、ほかの部門で「俺たちが○○○たいのは」も投稿している。
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NeuroSkyの脳波センサ「MindSet」を活用した座禅トレーニングアプリ。WPFでUIを作り、C#でロジックを作っている。煩悩をデータ化しようという試みか。
「おばか友情パワーで楽しく作れました。途中から実写部分を作る方が楽しくなってしまいました。実際アプリも、ちゃんと動いていますよww。1人でも多くの方に笑っていただければと思います。べっぴん様も大変喜んでおられます。よろしくお願いいたします」(投稿者のコメントより)
ちなみに音楽は、「Pan Pacific Playa」所属のギタリストStringsBurn氏が担当している。
雑魚と雑魚は「連射! 連射!! 連射でGO!!!」部門で「眠気ゲキタイマーYX」も受賞し、「イエッサー!センサーで参戦さー」部門に「ココロレコーダーCX」も投稿している。
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Windows 7のマルチタッチ機能を生かしたSilverlight 3の旗揚げゲーム。投稿者は、第1回おばかアプリ選手権優勝チームの後輩で、「イエッサー!センサーで参戦さー」部門で「BINTA」も投稿している。
「日ごろからこのゲームで鍛えておけば、街で急に旗揚げを求められた、新しい上司が旗揚げでの会話を要求してくるなどの状況下でも慌てず対応できます。さぁ、みんなも赤あげて♪ 白あげて♪ 指紋なんか気にするな!」(投稿者のコメントより)
キャラクターは、イラストレーター木村タカヒロ氏を中心としたクリエイティブ集団「KIMSNAKE(キムスネイク)」が提供。音楽は、NHK教育「天才てれびくんMAX」の音楽などを手がけるスキャット後藤氏が提供するなど、豪華な仕上がりだ。
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「おばかWindows 7選手権」の記念すべき“初”投稿作品。Windows 7の「ジャンプリスト」機能が、さらにジャンプするので、「JumpJumpList」ということのようだ。開発言語はC++で、VisualStudio 2010がまだ、Beta2版のときに作成。
「Windows 7では、「ジャンプリスト」が新たに実装されました。しかし、正直何がジャンプしてるのか、いまいちよく分かりません。ショートカットと同じ意味合いなんだとは思いますが、僕は日本人なので「ジャンプ」というといまいちピンときません。そこで、ジャンプリストを日本人にピンとくるようにするソフトです」(投稿者のコメントより)
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NeuroSkyの脳波センサ「MindSet」を活用した、いわば「おばかクラウドアプリ」。あの娘がOutlookでメールを書いているときの脳波データをWindows 7のセンサーAPIを通して収集し、Windows Azure上に保管。保管されたデータにより、あの娘の気持ちが分かってしまう草食男子告白支援アプリだ。女性用も鋭意開発中らしい。
「どうもー。SIGFPです! 気になるあの娘の気持ちが分かったら、きっと世の中素敵になると思いませんか! 出生率のUPにも貢献するこのアプリ、ぜひ、現場でお楽しみください!」(投稿者のコメントより)
SIGFPのメンバー、橋本圭一氏は第2回おばかアプリ選手権にロックバンド「紫熊」として出場している。
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クライアント側は、HTML+JavaScriptのWindows 7デスクトップガジェット、または、Google Chromeの拡張を活用し、サーバ側はApacheとPHPを駆使した、ゆるふわ体重測定アプリ。とあるデバイスからのセンサー情報を、Windows 7のセンサーAPIを通して受け取っているようだ。
「『ダイエットしたい』と思っても体重計に乗るのが面倒で、頑張って乗っても太りすぎてて萎えてしまう自分のために、真実に直面せずに自分の体と向き合うためのシステムを作りました」(投稿者のコメントより)
ちなみに山本氏は、第3回おばかアプリ選手権の優勝者だ。
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「YUREXを使って時計のアラームを止めるアプリです。BBUカウンタの設定は自由にできます」(投稿者のコメントより)
カヤックの貧乏ゆすりガジェット「YUREX」を使って、時計のアラームを止める目覚ましアプリ。WPFで簡単な時計のUIを作り、C#でロジックを作りYUREXの加速度センサ情報をWindows 7のセンサーAPIを通して取得している。キーボードやボタンの連射とは、また違った連射になっている。
雑魚と雑魚は「イエッサー! センサーで参戦さー」部門で「寺べっぴん DX」も受賞し、「イエッサー!センサーで参戦さー」部門に「ココロレコーダーCX」も投稿している。
決勝戦の見所は?
「優秀おばか7賞」の受賞作品の概要をレポートしたが、いかがだっただろうか。短い動画だけでは、アプリの“おばか”さは伝わりきれないし、その技術的側面が気になるところだろう。
優秀賞を受賞した8チームは、賞金5万円と賞品として、Windows 7ロゴ入り特製Russell Hobbs 電気カフェケトルを獲得し、決勝戦の出場資格も獲得。受賞者たちは、決勝戦の舞台で受賞作品を披露し、技術的な側面や開発の裏話などをプレゼンテーションする。大日本印刷やシグマコンサルティング、チームラボなど、第1〜3回のおばかアプリ選手権の挑戦者や関係者も優勝を争う、レベルの高い“おばか”な戦いが予想される。
決勝戦の観客は、その様子から最も面白かった1チームを投票で選ぶ。優勝者は「最優秀おばか賞」として、賞金10万円を追加で獲得し、賞品として特製「おばカップ(O杯)」も獲得する。
司会者にも注目だ。いままでのおばかアプリ選手権は、第1回がpaperboy&co.取締役の家入一真氏、第2回が伊藤ガビン氏とタナカカツキ氏、第3回がデイリーポータルZの林雄司氏が司会をしている。
その系譜に続くのは、AR開発ユニット「AR三兄弟」の長男、川田十夢氏だ。現在、テレビや雑誌などで引っ張りダコのAR三兄弟は、第3回おばかアプリ選手権でも爆笑をかっさらい、Mashup Awards賞を獲得している。イベントの冒頭で、新作ARアプリを披露する予定なので、それにも注目したい。
イベントの休憩中や終了後にも、会場の人々との交流時間があるので、上記選手権出場者や審査員、司会者と知り合う良い機会と捉えてもらえれば幸いだ。おばかアプリ選手権は、デザイナとプログラマ、そしてアイデア発案者のコラボレーションを応援している。
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