Mashup Awards 7表彰式から、500以上の応募の中から最終プレゼンに残った5作品とおばかアプリ賞を紹介する。グランプリは誰の手に?
2011年12月11日、東京・品川のTHE GRAND HALLで、Web開発者によるコンテスト「Mashup Awards」が開催された。500以上の応募の中から最終審査に残った5つのサービスがそれぞれ5分間でプレゼンテーションを実施、当日の審査によって最優秀賞が決定された。
Mashup Awardsは、Web APIや最新のプラットフォームを活用したサービスやアプリケーションをWeb開発者が自らプレゼンテーションで競い合う開発者コンテスト。2006年に第1回が開催されたこの大会は今回で第7回を迎え、500ものサービスやアプリケーション作品が本コンテストに応募。12月11日に開催された最終審査「Final Stage」では1次審査、2次審査を経て最優秀ノミネート作品に残った5作品がそれぞれプレゼンテーションを行い、Mashup Award 7の最優秀作品を決定した。
Final Stageのトップバッターとなったのは、ソーシャルサービスで作る電話帳サービス「engraph for Android(BETA)」。携帯電話に搭載されている一般的な電話帳は名前の五十音をベースにしているが、engraphではTwitter APIとFacebook APIを利用し、中央に表示された自分のアイコンの周囲に友人のアイコンを円で表示。ソーシャルサービスのつながりを利用することで、親密度を基準に電話帳を表示できるという。友人のアイコンからは電話やメールの他にTwitterやFacebookでのコミュニケーションも可能。Yahoo! JAPANのテキスト解析APIも利用し、従来どおりの五十音検索では候補をインクリメンタル表示することもできる。
Webサービスだけでなくハードウェアを組み合わせた作品が、「smoon」。料理に欠かせない調味料や具材は、種類によって「cc」「ひとさじ」「一合」などと計量単位も異なるため調整が大変であり、そのたびにレシピで手順を確認する必要があるという課題を解決するために作られたサービスだ。smoonではiPadと連携し、iPad上で作りたいレシピを選択すると、必要な調味料の量に合わせて計量スプーンの形状が自動で変化。どの調味料でもすり切り1杯で計ることで必ず適量が得られるという。
「ミブリ・テブリ -QUIZ kinect-」は、名前の通りXbox 360用のモーションコントロールセンサ「Kinect」を活用したクイズゲーム。Kinectセンサに向かって○や×のジェスチャーを行うことでクイズに回答でき、1人プレイの他、2人で同時に対戦することも可能。同時対戦の場合は先に正しいジェスチャーを行ったほうが正解となる先着順でも勝利を決定できる。出題されるクイズはクイズ研のAPIを利用し、ユーザーが自由に問題を作ることも可能。また、2nd Stage通過以降に追加開発されたというオンライン対戦機能も披露され、地元である福井とつないだオンライン対戦のデモも行われた。
東日本大震災アーカイブは、2011年3月11日に起きた東日本大震災の被害状況を可視化することを目的としたWebサービス。ニューヨーク・タイムズなどに掲載された被災地の写真をGoogle Earth上に表示し、震災の被害を3Dでより視覚的に確認できる。被災時の状況だけではなく現在の写真も地図上に表示され、悲惨な当時の状況だけでなく徐々に復興しつつある現地の様子も確認できるという。被災地情報の他に実際に被災した人々へのインタビューも地域ごと表示。さらにiPhone・iPadアプリとしてリリースした「eARthquake 311」では、被災地までの距離をカメラ上に表示し、そこから被災地の情報を表示することで「遠い場所で起きているように思えるが実際にはつながっていることを感じてほしい」とした。
最後にプレゼンされたのは、f4samuraiの「alarm everyone」。ソーシャルサービスでつながっている友人関係を活用した目覚ましアプリだ。FacebokとTwitterのAPIを利用し、一緒に起きたい友人をalarm everyoneへ招待し、知人同士で同じ時間に起きられる。複数のユーザーで利用する場合は目覚ましを止めたかどうかを一覧で確認できる。「alarm everyoneで寝坊や遅刻、すっぽかしがなくなればいい」という目的の元作られたこのアプリは、ゆくゆくはイベントサービスのWebサービスに標準搭載され、「いいね」や「ツイート」と同様に「アラート」を設定できるようになればいい、との意気込みが語られた。
Final Stage進出者によるプレゼンテーションの後に行われた授賞式では、Final Stage登壇者の中から決定する最優秀賞の前に、メディアパートナーや協力企業、女性ITコミュニティを横断して結成した女性ユニット「MUP48」などから送られる各賞を発表。
この賞はFinal Stageには登場できなかった各種サービスやアプリケーションも対象となっており、テーマ賞、メディアパートナー賞、協力企業賞、MUP48賞、MA7サポーター賞など70を超える賞がプレゼンターに送られた。
メディアパートナー賞として、「おばかアプリ賞」に輝いたのは、人間が開発し、鳥人間がKinect for Windows SDKに移植した「Kinect 巨乳」。KinectとARを活用した、世界中の人々が巨乳を体験できるアプリだ。アプリを紹介する動画へのアクセス元は、海外からのアクセスが7割を占めるという。来年2月に予定されているAndoroidおばかアプリ選手権への出場権を授与された。
Final Stage進出者の中から決定する最優秀賞は、審査員10名がプレゼンターに1票ずつ投票し、それを順番に読み上げていく方式で決定。10人の投票のうち6票を集めた「ミブリ・テブリ -QUIZ kinect-」がMashup Award 7の最優秀賞に輝いた。
甲斐 祐樹
電機メーカー営業でシステム営業に従事したのち、Webニュースメディアに記者として配属。ネットワーク関連やガジェット、Webサービスなどの記事を主に担当する。2009年にAMNに入社、ブログマーケティング関連の仕事を担当する。個人ではブログ「カイ士伝」を運営、自分視点でのWebサービスやガ ジェットに関する話題を取り扱う。「これは世界が変わる!」という感動を与えるガジェットやサービスが大好き
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