ダイヤルに関しては、以下の注意点があります。
一つ目は、電話番号として渡す文字列が正当かどうかをチェックする処理が必要なことです。下記は「"tel:(none)"」というURLで電話をかけた場合の画面です。
「おかけになった電話番号は現在使われておりません」というアナウンスが流れました。このようにキャリアの方でチェックできるケースなら良いのですが、別のケース「"tel:abcdefg"」で電話をかけた場合はどうなるのでしょうか。
ダイヤル音と共にどこかにかかってしまいます。
実際には「2223334」という番号にダイヤルしていたようで、なぜこのような挙動になるのかは不明ですが、電話番号フォーマットのチェックは、少なくとも発信前に、できればAndroid Wear側の音声入力確定直後に行う方がいいでしょう。
ちなみに、「"tel:こんにちは"」の場合、ダイヤルアプリが一瞬起動して終了する、という挙動になりました。
ダイヤルで、もう一つ気を付けたいのは、所有者でなければ発信できないという点です。
Android 5.0から、それまでタブレットにしか実装されていなかったマルチユーザー機能がスマートフォンでも利用できるようになりました。
マルチユーザーには、スマートフォンの所有者と利用者という区別があり、利用者では緊急通報以外のダイヤル発信ができないように制限されています。これは、今回のサンプルのようにサービス経由でダイヤルした場合でも、標準のダイヤルアプリから発信した場合でも同様です。
Android Wearのアプリを作成し、標準で登録されているボイスアクションを利用して、Android Wearからスマートフォンにメッセージを送信し、スマートフォン側で受け取ったメッセージ内容を元にダイヤル発信する、という一連の流れのサンプルが完成しました。
この内容と、前回の『Android Wear時計アプリ「Watch Face」の作り方』を連携させることで、よりユーザー体験に優れたアプリを作成することができるようになるでしょう。
さて、突然ですが、本連載「Androidで動く携帯Javaアプリ作成入門」は、今回でいったん終了です。今後、連載タイトルをリニューアルし、スマートフォンやタブレットのみならず、腕時計・テレビ・自動車などさまざまな端末に広がるAndroidアプリの作り方を解説していく予定ですので、ご期待ください。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.