短時間のノード障害に耐える仮想マシン――フェイルオーバークラスターの新機能(その1)vNextに備えよ! 次期Windows Serverのココに注目(30)(3/3 ページ)

» 2015年10月15日 05時00分 公開
[山市良テクニカルライター]
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4分経過でノード停止、1時間に3回孤立は2時間隔離

 障害が4分以内に解消しなかった場合、そのノードは「Down(停止)」状態になり、仮想マシンがアクティブなノードに自動的にフェイルオーバーされて復旧します。また、孤立する状態が1時間に3回発生すると、そのノードは「Quarantine(隔離)」状態に置かれ、その後の2時間(7200秒)はクラスターに自動復帰することができなくなります(画面6)。

画面6 画面6 「Quarantine(隔離)」状態に置かれたノードには、自動または手動でノードを復帰させるまで、仮想マシンを移動できない

 2時間以内にクラスターにノードを復帰させるには、Windows PowerShellで次のコマンドラインを実行して「Quarantine」フラグをクリアします(画面7)。

Start-ClusterNode -CQ(または-ClearQuarantine)


画面7 画面7 クラスターノードの「Quarantine」フラグをクリアすることで、手動でノードを復帰できる

仮想マシンの回復性のパラメーターは調整可能

 仮想マシンの回復性の対象となるエラーや待機時間、回数のしきい値は、クラスターの以下の設定に定義されています(表1)。

設定 説明
ResiliencyLevel 回復性レベル。既定は「2」(AlwaysIsolated)で全ての不明な失敗が対象。「1」にすると既知の理由のみを対象とし、不明な失敗はすぐに回復処理を開始する
ResiliencyPeriod 回復まで待機する時間。既定は「240」秒(4分)。「0」にすると、Windows Server 2012 R2以前と同じ動作になる
QuarantineThreshold 隔離するまでのしきい値。既定は「3」回/時間
QuarantineDuration クラスターからの隔離時間。既定は「7200」秒(2時間)
表1 回復性の対象となるエラーや待機時間、回数のしきい値は、クラスターの設定に定義されている

 これらの設定は、Windows PowerShellで変更することができます。例えば、Windows Server 2012 R2以前のHyper-Vホストクラスターと同じ動作にする(仮想マシンの回復性を使用しない)場合は、次のコマンドラインを実行します(画面8)。

(Get-Cluster).ResiliencyDefaultPeriod = 0


画面8 画面8 仮想マシンの回復性の既定値は、Windows PowerShellで変更することができる
「vNextに備えよ! 次期Windows Serverのココに注目」バックナンバー

筆者紹介

山市 良(やまいち りょう)

岩手県花巻市在住。Microsoft MVP:Hyper-V(Oct 2008 - Sep 2016)。SIer、IT出版社、中堅企業のシステム管理者を経て、フリーのテクニカルライターに。マイクロソフト製品、テクノロジを中心に、IT雑誌、Webサイトへの記事の寄稿、ドキュメント作成、事例取材などを手がける。個人ブログは『山市良のえぬなんとかわーるど』。


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